「ぶらあぼONLINE」2021年のクラシック音楽ニュースを振り返る【下半期編】

2021年、ぶらあぼのウェブサイトは2月にデザインを一新し、「ぶらあぼONLINE」としてリニューアルオープンしました。同サイトでは、最新の公演情報やニュース、アーティストインタビューなど、様々なコンテンツを掲載。毎月発行している雑誌「ぶらあぼ」も、デジタルマガジン「ぶらあぼ電子版」でまるごと読むことができるほか、ウェブサイトオリジナル記事も充実しています。そんな「ぶらあぼONLINE」の中から、今年注目を集めた記事をご紹介。2021年のクラシック音楽ニュースを振り返ります。

下半期編

第18回ショパン国際ピアノコンクール

 下半期は、コロナ禍の影響で2020年から1年延期されていた「第18回ショパン国際ピアノコンクール」に大きな注目が集まりました。「ぶらあぼONLINE」では同コンクールの特集ページを開設。7月に発表された「本大会出場者87名発表」のニュースを皮切りに、注目コンテスタントの紹介、コンクールの歴史振り返りや審査の裏側解説など様々な記事を掲載。そして10月にスタートした1次予選からは、音楽ライター・高坂はる香さんによる現地レポートがスタート。審査結果をリアルタイムでお届けし、コンテスタントや審査員への貴重なインタビュー記事も好評を博しました。コンクールの結果は皆さまご存知の通り、カナダ出身のブルース(シャオユー)・リウさんが優勝。第2位に反田恭平さん、第4位に小林愛実さんが入賞するなど、日本勢も大活躍でした。
 特集ページ内で人気の高かった記事は、「コンテスタントのピアノ選び」「動画配信まとめ」「審査員INTERVIEW」など。また、「コンクール出場者 今後のコンサートまとめ」では、2022年に開催されるコンサートもご紹介しています!

左より:ブルース・(シャオユー)・リウ、反田恭平、小林愛実(c) Haruka Kosaka

国内外のコンクールで活躍したアーティストたち

 ショパン国際ピアノコンクールの開催と同時に、“コンクール”への注目度がUP。コロナ禍でも果敢に挑戦を続ける演奏家たちの姿に感動した方も多いのではないでしょうか。
 8月にサントリーホールで開催された「ピティナ・ピアノコンペティションの特級ファイナル」では、高校1年生の野村友里愛さんがグランプリに輝き、9月にはイギリスの「リーズ国際ピアノコンクール」でバーゼル音楽院に学ぶ小林海都さんが第2位に入賞。同月の「ARDミュンヘン国際音楽コンクール(ヴァイオリン部門)」では、反田恭平さんが立ち上げたジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)のコンサートマスターも務める岡本誠司さんが優勝を果たしました。また、10月〜11月にかけてイタリアで開催された「第71回ヴィオッティ国際音楽コンクール(ピアノ部門)」では、ウィーン国立音楽大学大学院ポストグラディエート課程に在籍している片田愛理さんが1位なしの第2位(最高位)に入賞。そして10月に開催された「バルトーク国際コンクール」では、注目の若手弦楽四重奏団、クァルテット・インテグラが優勝しました。若いアーティストたちの今後の活躍にも注目です。
 「ぶらあぼONLINE」の検索欄では、フリーワードで記事や公演情報の検索が可能。気になるアーティストのお名前やコンクール名で検索してみてください。

左:クァルテット・インテグラ 右:岡本誠司

最新の公演&配信情報、クラシック音楽番組は「ぶらあぼONLINE」で探せます!

 コロナ禍が始まった2020年には、開催される公演が一時的に少なくなりました。現在は様々な感染対策が施され、公演数が徐々に増えているようです。主催者・アーティストそして観客の皆さまが感染症対策に工夫をしながら、音楽を絶やさないように努力をしているのだと実感しています。また、今年のショパン国際ピアノコンクールでもコンテスタントの演奏がライブ配信されるなど、コンクールや演奏会の配信映像もますます充実。「ぶらあぼONLINE」では、日々更新される生の演奏会情報はもちろん、ライブ配信を行う演奏会、TV&FMの音楽番組情報など、自宅にいながらでも楽しめるコンテンツのまとめ記事も人気です。来年開催されるコンサートの検索や、年末年始のお家時間にもぜひご活用ください。

In memoriam 2021年の下半期に惜しまれながらも逝去されたアーティストたち

 演奏活動の傍ら作曲家・編曲家としても活動し、コンクール審査やマスタークラス開講など多方面で活躍されたピアニストの斎藤雅広氏。ローザンヌ声楽アンサンブルを率いて多くの録音を残し、日本にも「ラ・フォル・ジュルネ」などでたびたび来日していたスイスの世界的指揮者、ミシェル・コルボ氏。「ドラゴンクエスト」の音楽で知られる作曲家すぎやまこういち氏。ドイツ古典から現代作品まで幅広いレパートリーで知られ、後進の指導にも尽力したピアニストの神谷郁代氏。多くの指揮者が共演を熱望し、オペラシーンで活躍した名ソプラノ歌手のエディタ・グルベローヴァ氏。「牧阿佐美バレヱ団」の設立者として知られ、舞踊家・振付家として日本のバレエ界を牽引してきた牧阿佐美氏。ロイヤル・コンセルトヘボウ管の首席指揮者を長年務め、多数の録音でも知られるオランダの指揮者ベルナルト・ハイティンク氏。2021年のショパン国際ピアノコンクールでは審査員を務める予定だった、現代を代表するピアニストの一人、ネルソン・フレイレ氏。活発なレコーディングや落語とのコラボレーションなど多方面で活躍した古楽界の鬼才、リコーダー、バロック・オーボエ奏者の江崎浩司氏など。心よりご冥福をお祈りいたします。