New Release Selection

【CD】チェコ・フィルハーモニー弦楽四重奏団&岩井のぞみ

 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによるクァルテットは国際的に活動を展開し、幅広いレパートリーを持つが、とりわけチェコの音楽の演奏において、その伝統と魅力を素晴らしい形で伝えている。今回のディスクは東京文化会館でのリサイタルのライヴ録音。ヤナーチェクとドヴォルザークの作品を収めているが、そのどれもが香り立つよ…

【CD】アドルフに告ぐⅡ/上野耕平

 いかにも挑発的な『アドルフに告ぐ』なるタイトルのアルバムをリリースしてから5年、ここに上野耕平は同第2弾を放つ。上野のために書かれ世界初録音となる逢坂裕と藤倉大による2曲、そしてすでにサクソフォン奏者のレパートリーとして広く膾炙したデュクリュック、トマジ、マルタンの3曲を収録。捨て曲なし、全て必聴曲であり超絶的な演奏…

【CD】BARITONISM Ⅱ―フランス作品集―/本堂誠

 木管楽器の中で、息遣いのニュアンスを最もヴィヴィッドに反映できるのは、サクソフォン属だろう。東京藝大からパリ国立高等音楽院などに学び、国際的に活躍するバリトン・サックスの名手、本堂誠。当盤では、本来は弦とピアノなどのために書かれた、近代フランス作品を取り上げた。紡がれる表現は、謳い出しから千変万化。特にドビュッシーや…

【CD】アーベントリート/三界秀実&加藤洋之

 都響の首席クラリネット奏者によるロマン派の作品集。シューマンとヴィンディング(ブラームスと同世代のデンマークの作曲家)のオリジナル曲は、憂いを帯びた音色と繊細な表情で耳を惹き付け、アンコール的に置かれたタイトル曲もしみじみとした味わいで魅了する。だが白眉は「アルペジョーネ・ソナタ」だ。ここで三界はバセット・クラリネッ…

【CD】インプレッシヴ!/若﨑そら

 国内の名だたるコンクールで優秀な成績を収め、2018年に高校3年在学中にしてデビューリサイタルを開催し、一躍注目を集めた気鋭のマリンバ奏者の1stアルバムが早くも登場。新世代の若きヴィルトゥオーゾにふさわしい目の醒めるような現代曲の応酬。特に彼女の師であるマルチ打楽器奏者・上野信一とも親交厚いエマニュエル・セジョルネ…

【CD】マーラー:交響曲第2番「復活」/佐渡裕&トーンキュンストラー管

 佐渡裕、交響曲第5番に次ぐトーンキュンストラー管とのマーラーは「復活」。オケの柔和な響きを十全に活かし、決して力ずくに叫ばない美しい演奏。しかしそこは佐渡、緩急に富んだテンポ設定―殊に両端楽章―でこの大曲を見通しよくダレずに聴かせることに成功している。より大向う受けを狙った「派手な」演奏はあるだろうが、最近の佐渡の成…

【CD】シューベルト:冬の旅/小松英典&イェルク・デームス

 2000年11月に東京オペラシティで行われた小松英典とイェルク・デームスの「冬の旅」のライヴ録音が、この4月に亡くなったデームスの追悼盤として初登場。極めて整ったディクションを駆使し独墺圏の歌手に勝るとも劣らぬ「正統的な」歌唱を聴かせる小松の名唱もさることながら、その小松にどこまでも親密に寄り添って、ある時には非常に…

【CD】モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》(全曲)/モーツァルト・シンガーズ・ジャパン

 二期会の精鋭たちとピアノによるモーツァルト・オペラの第2弾。指揮者はおらず、人気歌手の宮本益光が音楽監督を務めている。このスタイルならば、声と歌が通常よりクローズアップされるのは当然のこと。バックがピアノだけなので、レチタティーヴォが歌の部分と一体化し、“歌芝居”がずっと続いていくかのような印象がもたらされる。この点…

【CD】浜匡子 ヴァイオリン・リサイタル 藤井一興とともに

 一音ごとに心を込めた謳い回しに、作品に対する誠実さがひしひしと伝わってくる。浜匡子は、東京と長野を中心に活躍する実力派ヴァイオリニスト。3つのソナタにあっては、拍節感やヴィブラート遣いなど、バロックや古典派の基本的マナーはわきまえつつ、安易に流行りのピリオド奏法に寄せはしない。それでいて、例えば、スラーで結ばれた音型…

【CD】白鳥の歌 オーボエとギターのための作品集/池田昭子&福田進一

 これは心地よい1枚。音が伸びていくオーボエと、発音したらすぐに消えていくギター。ありそうでなかった組み合わせの妙は意外な発見だが、それを満喫できるのも、オーボエ池田昭子とギター福田進一、トップクラスの名手たちの親密でニュアンス豊かな演奏あってこそ。池田得意のイングリッシュホルンでのシューベルト歌曲は、謙虚な歌い回しに…