New Release Selection

【CD】浪漫への誘い/松波恵子&川村文雄デュオ

 サイトウ・キネン・オーケストラや水戸室内管弦楽団で活躍し、早くから後進の指導にも力を入れてきたベテラン・チェリスト松波恵子と、2002年のデビュー以来、国内でも活躍めざましいピアニスト川村文雄による、世代を超えた絶品デュオの好盤が登場。まるでこの二人のために書かれたかのような冒頭シューマンの幻想小曲集&トロイメライか…

【CD】パッサカリア/荻野由美子

 1975年の開館時、日本の公共ホールとして初めてパイプオルガンの設置へ踏み切った神奈川県民ホール。以後、この動きは全国へ広がったが、先達として、多彩な企画を実施し、我が国でのオルガン音楽の普及に果たした功績は大きい。同ホールの開館45周年記念盤。2011年から10年間、アドヴァイザーを務めた荻野由美子が、独ヨハネス・…

【CD】ドイツのバラード作曲家 カール・レーヴェのワンダーランド/佐藤征一郎

 外国人として初めて国際カール・レーヴェ協会名誉会員に迎えられた佐藤征一郎が、1985〜2008年に行ったレーヴェ全歌曲連続演奏会のライヴ録音。本作には、1985〜90年の8公演の演目、すなわち初期の作品(有名な「魔王」を含むop.1〜13)が、詩の朗読と歌唱を交互に置いた形で収録されている。このドイツのバラード作曲家…

【SACD】LIVE from MUZA!《名曲全集第155回》サン=サーンス:交響曲第3番 他/大友直人&東響

 今に至る厳しい状況の初期だった3月8日、東京交響楽団の無観客公演の動画配信が行われ、なんと10万人以上がアクセス、ニュースにもなった。その“ライヴ”CDが早くもリリース。筆者も当日視聴したが、ビギナーからかなりの愛好家までが同居してコメントが飛び交う予想外の楽しさに、東響らしい美しくもエモーショナルな熱演、ピアノの黒…

【SACD】ヴィヴァルディ:「四季」/徳永二男&NHK室内合奏団

 奇を衒わず、真摯に楽譜へ対峙すれば、魅力的な演奏は必ずできる。その“お手本”と言うべき快演だ。ヴァイオリンの達人・徳永二男が、N響ソロ・コンマスを務めていた1991年、仲間たちと収録した「四季」のリマスター盤。古楽の波の中、どんどんテンポが速まった感のあるバロック作品にあっても、彼らの音楽は緩やかに、しかし、自然に流…

【SACD】ベートーヴェン ピアノ作品集2/伊藤恵

 美しい音色と溢れる歌心、確かな技術によって独墺ロマン派を中心とした作品の魅力を伝え続けてきた伊藤恵。近年は満を持して、積極的にベートーヴェンに取り組んでいる。ベートーヴェンの“先”を知る伊藤は、この作曲家の革新性、表現の奥深さを隅々まで理解した演奏を聴かせ、今回は「幻想曲風」、変奏曲の楽章を含んだ後期ソナタ、そして変…

【CD】イタリアへの夢Ⅲ イタリア・バロック室内楽の光彩/太田光子&平井み帆

 2002年のデュオ結成以来17〜18世紀のイタリア音楽をレパートリーとして活躍してきた太田光子(リコーダー)と平井み帆(チェンバロ)の新作『イタリアへの夢Ⅲ』。オリジナルのリコーダー作品のみならずヴァイオリン・ソナタやシンフォニアなども意欲的に取り上げているが、そのような作品でもまるでリコーダーのために書かれたと思わ…

【CD】鷲見加寿子、珠玉のブラームス室内楽

 ピアノ界の重鎮のひとりで、名教師としても知られる鷲見加寿子による、待望のブラームスの室内楽。衰えぬ美音と豊かな経験値で、懐深く全体を包み込むような演奏は、そのままブラームスの魅力となっている。中堅の名手、水谷と金子との三重奏曲第1番は、盤石のピアノに乗せて、彼らのフレッシュな勢いが引き出される。ベテランの大山のヴィオ…

【CD】ノン・ストリングス・オーケストラ 2019神戸公演/藤井一男&ノン・ストリングス・オーケストラ

 ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの代わりに温かく豊かな音色のクラリネット属を用いるNSO(Non Strings Orchestra)は2014年に藤井一男の呼びかけで組織された世界初編成の“オーケストラ”。常に新しいサウンドと豊かなダイナミクスを追求し、コンサートを成功させてきた彼らのライヴ録音が登場。弦パートを40…

【CD】バロック・クロニクルズ/福田進一

 集中的にバッハに取り組んだのちに福田進一が挑戦したバロック作品集が本作。イタリアのフレスコバルディからドイツのヴァイス、フローベルガー、そしてフランスのルイ・クープランなどを取り上げ、バロックの伝播の流れが文字通りの国別年代記=クロニクルズという形で見事に結実している。スカルラッティでの上品で柔らかな歌いまわし、ヴァ…