New Release Selection

【CD】アンコール!/ヴォルフガング・ダヴィッド&梯剛之

 ウィーンで育ったヴァイオリニストのヴォルフガング・ダヴィッドと、ピアニスト梯剛之による、5年にわたるライヴでのアンコール曲のみを集めたアルバム。拍手はすべてカットされているものの、演奏にはライヴの興趣があふれている。彼らは幼少期にウィーン国立音大準備科で学んだ共通点があり、そのルーツからか独特の自然な呼吸感が共有され…

【CD】カプースチン:ピアノ協奏曲 第5番、六重奏曲 他/川上昌裕

 日本を代表するカプースチンのスペシャリスト、川上昌裕によるピアノ作品全曲録音の第3弾である。今回はピアノ協奏曲と室内楽(全曲世界初録音)というプログラムであり、非常に歴史的価値の高い内容だ。もちろん、重要なのは曲目だけではない。川上はカプースチンの音楽に求められる躍動感あふれるリズム、次々に変化する楽想に対応し、多様…

【CD】アフロディテの解剖学〈切断・解体・再構成〉〜瀬川裕美子ピアノリサイタル Vol.6&7 ライブ〜

 パウル・クレーの2つの絵画作品をテーマに開いた2公演のライヴ録音を、クレーの別作品「アフロディテの解剖学」における「切断・解体から再創造」の制作過程に倣い、新たな“作品”として再創造を図る、瀬川裕美子の試みは先鋭的かつ刺激的だ。断片であるモーツァルトの幻想曲、舞曲形式を再構築したバッハのパルティータ、数の公理性で時間…

【CD】ドヴォルザーク:後期三大交響曲 他/稲島早織&大石真裕

 稲島&大石のデュオはすでに「わが祖国」のディスクで高い評価を得ているが、今回もドヴォルザークの管弦楽序曲2作+後期三大交響曲という、巨大な、しかも稀な演奏にチャレンジしている(「新世界」以外は世界初録音)。もちろんピアノ連弾だと音楽の輪郭がはっきりし、ドヴォルザークの思考がどう発展していったのかが明らかになる。でもそ…

【CD】ランディーニ:わが愛しの女よ〜バッラータの世界〜/アントネッロ

 溢れ出る創意によって、古の音楽に新たな生命を与える精鋭集団「アントネッロ」。彼らが、14世紀イタリアを代表する詩人で音楽家でもある、フランチェスコ・ランディーニのバッラータを中心に取り上げた録音(1998年)の高音質リマスター盤。「バッラータ」とは本来、厳格な拍や脚韻に基づく詩の形式の一種で、これに作曲されたものも同…

【CD】セレンディピティ ピアノ連弾作品集/大森ひろみ&佐藤祐介

 16歳で渡米して研鑽を積み、若くしてデビューを果たし帰国後も多方面で活躍をみせる大森ひろみと、14歳より本格的なレッスンを始めた型破りで、多種多様な音楽を境界線なく扱う感性で人気を集める佐藤祐介。師弟関係にあるピアニスト2人が4手連弾の名曲を鮮烈に紡いだ一枚。ハンガリーのクルタークが1973年から書き重ねている小品を…

【CD】マデルナ:甘い夢〜20世紀のフルート音楽/カール=ハインツ・シュッツ

 ウィーン・フィルの首席奏者による“現代音楽”のフルート作品集。1951〜82年に書かれた20世紀の代表作が7曲、しかも無伴奏3曲、ピアノとのデュオ3曲、アンサンブル1曲という構成は、アンソロジー的な妙味十分だし、カニーノはじめ名手揃いの共演陣も特筆される。シュッツはこうした曲でも、持ち前の温かな美音を駆使して、表情豊…

【CD】林望&野平一郎:演劇的組歌曲『悲歌集』

 2006年2月に津田ホールにて初演され、「演劇的組歌曲」との副題が添えられた『悲歌集』(林望・原作/作詩、野平一郎・作曲)の初録音。ギターとフルートという切り詰められた伴奏は、抑制された中にも特殊奏法による音色の追求や詩の意味内容を的確にフォローする雄弁さに富み、そしてメゾソプラノとテノールによって展開される「もう失…

【CD】大石哲史・萩京子をうたう…12才〜88才…うたかたのジャズ

 オペラシアターこんにゃく座の大石哲史が、喉の手術から復帰して新録音した同劇団音楽監督・萩京子のソング集。寺山修司からまど・みちお、ブレヒト、ロルカ、シェイクスピアの訳詩まで、各テキストが語る年齢を想定して12〜88歳まで順に綴る。合唱曲からコンサートピース、劇中歌と曲想も様々だが、まるで朗読を聴いているかのように言葉…

【CD】ショパン&シューマン/高田泰治

 ドイツと関西を拠点とする高田泰治が、ピリオド楽器による演奏活動を続けるテレマン室内オーケストラ、同楽団の創設者、延原武春の指揮とともに、ロマン派の大作曲家の協奏曲を録音した意欲的なアルバム。ショパンでは作曲家が愛したエラール(1856年パリ)のオリジナル楽器を使用。滑らかなレガートの表現が香り高い音で奏される。一方の…