New Release Selection

【CD】中島克磨 WORKS 作曲&編曲集

 中島克麿の作品はロシアをはじめ海外で多く演奏されており、また編曲者としても着実な仕事を残してきた。その軌跡を一望するアルバム。師匠筋をたどるとハチャトゥリアンからリムスキー=コルサコフに至るという経歴通り、「地球」は映像的情景喚起力に富み、管弦楽は力強くダイナミックに鳴る。続く協奏曲、電子オルガン曲はそれぞれに語り口…

【CD】テネブルの歌/昭和サクソフォーン・オーケストラ&神保佳祐

 総勢80名を超える巨大サクソフォーン・アンサンブルによる5枚目のCD。クラシックの有名曲が主体で、CDタイトルの「テネブルの歌」のみオリジナル曲(独奏と12人の奏者のための作品)である。柔らかくも重層的なその響きは他に類のない感触。全体に聴き慣れた作品も新鮮な音楽として楽しめる。特にドビュッシーの「子供の領分」はオリ…

【CD】メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番・第2番 他/ヤン・リシエツキ&オルフェウス室内管

 人気の若手ピアニスト、ヤン・リシエツキが前作のショパンの練習曲に続いてリリースしたのはメンデルスゾーン。どこかショパンをはじめとする同時代の他の作曲家に比べれば軽視されがちな印象があるが、このディスクではメンデルスゾーンの音楽の厳格さ、ヴィルトゥオジティ、メロディの美しさなどあらゆる面が凝縮されており、メンデルスゾー…

【CD】Four Elements Vol.1:Water/小菅優

 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏と録音を終え、「四元素」と題したコンサートシリーズを行っている小菅優が、ついにそのシリーズの第1弾を録音で発表した。今回は「水」をテーマに様々な国の、水に直接、もしくは間接的に関わる楽曲を集めた。思索的で哲学的なアイディアのもとに集められた楽曲たちが、小菅の豊かな表現力によって鮮…

【CD】タイユフェール:2台のピアノのための作品集 /中島彩也香&花岡千春

 じつにユニークなアルバムが生まれた。フランス6人組の紅一点、ジェルメーヌ・タイユフェールによる2台ピアノ作品集である。バレエ音楽「鳥商人」、「ブルレスク組曲」「小さなお船があったとさ」「新しきシテール島」など、標題からも胸踊るような楽しい小品で構成されており、シンプルかつエスプリの効いた世界観が伝えられる。「2台のピ…

【CD】バッハ:ゴルトベルク変奏曲 /アンサンブル「音楽三昧」

 ピリオド楽器も交え、バッハからショスタコーヴィチ(!)まで聴かせてきた「音楽三昧」の最新盤は「ゴルトベルク変奏曲」。鬼才・田崎瑞博のユニークな編曲は、5人の奏者が変奏ごとに様々な組み合わせで登場し、原曲に忠実なものから、旋律線まで手を入れる思い切った創作まで多様。すべては名曲の世界に没入して全力で「遊ぶ(≒演奏する)…

【CD】ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」/朝比奈隆&新日本フィル

 朝比奈隆が手兵大阪フィル以外で恒常的に指揮したのが新日本フィルで、《指環》全曲など名録音を多く残した。彼らとの最後のベートーヴェン・ツィクルスも、この「第九」で完結した。90歳になろうという巨匠の芸の奥行が随所で感じられる。冒頭楽章がとても立派な造形である。ヴィブラートをたっぷり効かせた弦の美しいこと。第1主題の頂点…

【CD】モーツァルト:ファゴット協奏曲&交響曲第29番 他/ウィーン・クラシックス

 そのサウンドに、私たち日本人が郷愁を覚えるのは、なぜなのだろう。ウィーン・フィルの大ベテラン・ファゴット奏者のミヒャエル・ウェルバが、10人の若き弦楽奏者をはじめ、同僚たちと結成したアンサンブル「ウィーン・クラシックス」。ウェルバの“吹き振り”で収録されたモーツァルト作品集は、弦楽器の細やかなヴィブラート遣いやウィー…

【CD】ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ/石上真由子

 聴くときは万全の態勢を整えてから再生ボタンを押してほしい。ヤナーチェクの第一音の衝撃。大胆。しかし不敵ではなく真摯。奏者が完全に作品を自分の中に消化して、それを表現しきる濃密な音色、高い技術、そして熱き魂を持っていることが一瞬で明らかになる。果たして、全曲を聴くほどにその印象は強まっていく。当盤は新進気鋭のアーティス…

【CD】ラヴェル:ピアノ協奏曲/酒井有彩

 幼少期より数々のコンクールで華やかな成績を残し、パリおよびベルリンで長年研鑽を積んだ実力派のピアニスト、酒井有彩のファーストCD。推進力に溢れるラヴェルのピアノ協奏曲(飯森範親指揮、日本センチュリー交響楽団)をアルバム冒頭に据え、独奏曲としてショパン、ラヴェル、クライスラー(ラフマニノフ編)、サン=サーンス(ゴドフス…