New Release Selection

【CD】BARITONISM ―ロシア・チェロ作品集―/本堂誠

 藝大とパリ国立高等音楽院で学び、3つの国際コンクールと日本管打楽器コンクールで優勝した気鋭サクソフォン奏者のデビュー・アルバム。バリトン・サックスでロシアのチェロ・ソナタを演奏した前代未聞(?)の内容だ。これは、“意欲的なチャレンジ”といったレベルではなく、“音楽と楽器の魅力をいとも自然に表出した”驚くべき録音といえ…

【SACD】死と乙女/ストリング・クヮルテット ARCO

 1996年に結成され、いまや全員が都内の名門オーケストラのトップを務めている四重奏団「ARCO」。意外にも16年ぶりとなるアルバムで、人気作「死と乙女」に挑み、彼らの成熟と意欲を伝える。近年は個を抑えて均質性を出す団体も多いが、彼らはバランスをとりながらも個を活かすことを重視。各人が所属オケ等で聴かせるソロの音そのま…

【CD】Crystal Fairy/神林あゆみ

 清楚な歌声を持ち、クラシックからジャンルを超えて幅広いレパートリーを歌いこなし、ポールダンス、フラメンコ、ベリーダンス等とのコラボも展開。2013年からはクラシカル・クロスオーヴァーに傾倒して活躍中のハイブリッドなソプラノのデビュー盤が登場。オペラ・アリアからバロックの名曲まで、よく知られた旋律をダークでアンビエント…

【CD】フレスコバルディ 鍵盤作品集/辰巳美納子

 チェンバロの名手・辰巳美納子による、3枚目のソロ・アルバム。初期イタリア・バロックにあって、盛期を先取りする先鋭的な作品を残した、鬼才フレスコバルディに対峙した。当時使われたのは、5度よりも3度の純正を最優先した「中全音律」。しかし、演奏可能な調性は限定的だったため、解決策として、分割鍵盤の楽器が一部で用いられた。今…

【CD】バッハ&カサド/大友肇

 クァルテット・エクセルシオの要としてアンサンブルをまとめるチェロの大友肇のソロ・アルバム第二弾。バッハの無伴奏組曲第3番は、前奏曲からぶれることのない安定したテンポで聴き手を力強く引っ張っていく。旋律の内在的な方向感をとらえたナチュラルなアプローチは、クーラントのようなゆるやかな楽章でも生きる。たっぷりとした呼吸で表…

【CD】ラフマニノフ:トロンボーン・ソナタ 作品19 /イアン・バウスフィールド

 バウスフィールドの類稀なる技術と音楽性に酔う1枚。ラフマニノフのチェロ・ソナタをトロンボーンで演奏するという発想が凄いが、いかにも難しいというようにはまるで聴こえず至極当たり前に聴かせるその匠の技(第2楽章のスケルツォ!)。聴くうちに元来チェロの曲だということを忘れさせるような自然さである。併録の歌曲(ロマンス)アレ…

【CD】レゾナンス チェロ二重奏 /安田謙一郎&藤村俊介

 N響フォアシュピーラーとして活躍中の藤村俊介を、約半世紀にわたり我が国のチェロ界を牽引してきた安田謙一郎が支えるというパート分担による、師弟コンビのチェロ・デュオ。安田がつくり出す肩の力の抜けた空気感は名匠ならでは。その大きな構えに乗って教え子の藤村が充実の名技を聴かせる、親密さの中に緊張感が混じるいい距離感のコンビ…

【CD】「ありがとう」を風にのせて―日本名歌集― /ヴィタリ・ユシュマノフ&塚田佳男

 熱き思いが、全篇から迸る。ロシア出身のバリトン、ヴィタリ・ユシュマノフは美空ひばりを聴き、「日本のうた」の虜に。日本歌曲の第一人者・塚田佳男の薫陶を受け、表現に磨きをかけてきた。その成果が、当録音。塚田の詩情豊かなピアノを伴い、「朧月夜」「荒城の月」などスタンダードから武満徹による大衆歌、オリジナル曲までが、包容力あ…

【CD】ベートーヴェン「田園」 /延原武春&日本センチュリー響

 かつて、手兵のテレマン室内オーケストラとピリオド楽器でベートーヴェン交響曲全集をリリースした延原武春が、モダン・オケの指揮者としても大活躍だ。大阪フィルとのベートーヴェン・ツィクルスは絶賛され、今や各地のオケに招かれている。今回は日本センチュリー交響楽団との「田園」。冒頭の主題から美しい響きで、ゼクエンツの漸強にもし…

【CD】DUO〜神に捧げるデュオ〜 /ケース・ブッケ&辺保陽一

 リコーダー・ソロはよく聴くし、アンサンブルも。しかし、デュオとなると…? 伝説のグループ「サワークリーム」などで活躍した古楽界の先駆者ケース・ブッケと、その愛弟子・辺保陽一が、この“ミニマムなポリフォニー”の構築に挑んだ。取り上げたのは、ルネサンスからバロック、200年に及ぶ時代の多彩な佳品群。同じ楽器を使いながら、…