In memoriam ベルナルト・ハイティンク

Bernard Haitink 1929-2021

 オランダの指揮者ベルナルト・ハイティンク氏が10月21日に亡くなった。享年92歳。

(c)Todd Rosenberg

 1929年、アムステルダム生まれ。1954年にデビュー。1961年よりロイヤル・コンセルトヘボウ管の首席指揮者を27年にわたり務めたほか、グラインドボーン音楽祭、コヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督、ロンドン・フィル、シュターツカペレ・ドレスデン、シカゴ響の首席指揮者などを歴任。実直で緻密に作品を構築するバランス感覚に優れた指揮ぶりは、多くの名門オーケストラと高い親和性を示した。
 初来日は1962年。2003年には札幌のパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)にも参加した。長年の音楽界への貢献から、フランス芸術文化勲章シュヴァリエ、オランダ獅子勲章など、各国から多くの勲章が贈られている。2019年にはウィーン・フィルの名誉団員に。そして、同年9月ルツェルン音楽祭でのウィーン・フィルとのステージを最後に演奏活動から引退していた。

(c) Clive Barda

 録音が多いことでも知られ、交響曲やオペラなど音源の数は450点以上にのぼる。コンセルトヘボウ管とのブルックナー交響曲全集、マレイ・ペライア&コンセルトヘボウ管、またアンドラーシュ・シフ&シュターツカペレ・ドレスデンとのベートーヴェンのピアノ協奏曲集など、クラシック・ファンにとって思い出深い名盤を数多く遺した。