ぶらあぼ2019年10月号

ワレリー・ゲルギエフ(芸術総監督・指揮)

ロビン・ティチアーティ(指揮)

工藤和真(テノール)

ニュース

東京フィル2020シーズンプログラム発表〜東京フィルフレンズ優先発売は9/21(土)より

 東京フィルハーモニー交響楽団が、2020シーズン定期演奏会のラインナップを発表した。同楽団は2020年より、1月から12月までを1シーズンとする暦年ベースのシステムに移行し、新シーズンも同楽団が特別な関係を築いてきた3人のマエストロ、チョン・ミョンフン、アンドレア・バッティストーニ 、ミハイル・プレトニョフを中心に、…

新日本フィルが「ふるさと納税型クラウドファンディング」を今年も実施

 すみだトリフォニーホールを本拠地とする新日本フィルハーモニー交響楽団は、「音楽の力で人とまちを元気に」と題し、フランチャイズ契約を結んでいる墨田区が実施する「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」プロジェクトに今年も参加することを発表した。GCFとは、自治体がオーナーとなり、ふるさと納税の仕組みを使ってプロジェ…

「高松宮殿下記念世界文化賞」にウィリアム・ケントリッジ、アンネ=ゾフィー・ムター、坂東玉三郎ら

 芸術文化の発展に寄与した世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催:公益財団法人日本美術協会)の第31回受賞者が9月17日の記者会見で発表された。  絵画部門は美術家のウィリアム・ケントリッジ、音楽部門はヴァイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムター、演劇・映像部門は歌舞伎役者の坂東玉三郎が選ばれた。…

稲森安太己が第29回芥川也寸志サントリー作曲賞を受賞

 第29回芥川也寸志サントリー作曲賞(旧称:芥川作曲賞)の選考会が8月31日に行われ、サントリーホールでの演奏会による公開選考の結果、稲森安太己(いなもり・やすたき)の「『擦れ違いから断絶』大アンサンブルのための」が受賞した。「豊かな色彩感覚と優れた作曲技術により、傾(かぶ)いた全体像が浮かび上がった」点が高く評価され…

トピックス

【ゲネプロレポート】英国ロイヤル・オペラ《オテロ》〜日本公演が本日いよいよ開幕!

 英国ロイヤル・オペラ2019年日本公演が、9月12日から23日にかけて開催される。アントニオ・パッパーノが02年、同劇場音楽監督に就任して以来、3度目の日本公演となる。  9月14日には神奈川県民ホールでヴェルディ《オテロ》の幕が開く。本公演を前に11日、最終総稽古(ゲネラル・プローベ)が行われた。 (2019.9/…

【舞台稽古レポート】英国ロイヤル・オペラ《ファウスト》

 9月12日、英国ロイヤル・オペラ2019年日本公演がグノーのオペラ《ファウスト》で開幕する。公演に先立ち9日、舞台稽古の一部が公開された。 (2019.9/9 東京文化会館  取材・文・写真:寺司正彦) ※リハーサルのため、衣裳、照明、その他、本番と異なります。  ゲーテの『ファウスト』は多くの作曲家を魅了し、古くは…

高崎芸術劇場 9月20日オープン

高崎駅から至近の好立地  「音楽のある街」高崎市に、新たな芸術文化の拠点、高崎芸術劇場が誕生する。高崎芸術劇場は、大劇場、音楽ホール、スタジオシアター他からなり、オペラやオーケストラ、リサイタル、さらにはロック・コンサートや演劇にも使用できる音楽と舞台芸術の殿堂だ。今後は群馬音楽センターに代わって、群馬交響楽団の本拠地…

SHIBUYA HALL & STUDIO ―渋谷ホール&スタジオ―

 再開発が進み日々発展を遂げている街・渋谷に、昨年11月、新たなホール&スタジオが誕生した。ファツィオリのグランドピアノを有する64席のホールと7つのスタジオから成る「SHIBUYA HALL & STUDIO」だ。  株式会社シブガイが運営する「SHIBUYA HALL & STUDIO」は、同社経営の「渋谷外語学院…

紀尾井ホール新作舞台《アモーレとプシケ》

紀尾井ホール上演の新作舞台《アモーレとプシケ》の特設サイトまもなくオープン

 東京・紀尾井ホールが、2020年3月19日(木)と3月20日(金・祝)に、彌勒忠史プロデュース「バロック・オペラ絵巻《アモーレとプシケ》」(セミ・ステージ形式)を上演する。WEBぶらあぼでは、本公演の特設サイトを9月20日(金)にオープン!    ルキウス・アプレイウス『黄金のロバ』を原作に、古代ギリシャか…

インタビュー

天羽明惠(ソプラノ)

 この秋来日するイ・ムジチ合奏団とソプラノの天羽明惠が初めて共演する。 「あの『四季』のイ・ムジチとの共演と聞いて、何がいいかなと思い、ヘンデルとモーツァルトにしました。私自身はバロックのスペシャリストではなく、オールマイティに活動したいと思っていますが、バロック音楽は、戸田敏子、エルンスト・ヘフリガーらの先生に、スタ…

田中彩子(ソプラノ)

 ウィーンに居を構え、ヨーロッパを中心に南米など世界中で活躍するコロラトゥーラ・ソプラノの田中彩子。類い稀な高音と比類なきコロラトゥーラのテクニックで、名歌手エッダ・モーザーに「人生の中でそう聴けることのない素晴らしい声」と絶賛された経験を持つ。一度でも彼女の歌声を聴いた人ならば、その日本人離れした、いや、人間離れした…

ワレリー・ゲルギエフ(芸術総監督・指揮)

「オーケストラを成長させるのは、指揮者というよりは、むしろ作曲家なのです。そのことに気が付かない指揮者がいるとしたら、それは大馬鹿者としか言いようがない」  少し前になるが、ゲルギエフにマリインスキー劇場オーケストラの飛躍の秘訣について質問したとき、そんな答えが返ってきたことがあった。一人の作曲家のさまざま楽曲に出会う…

ロビン・ティチアーティ(指揮)

 ベルリン・ドイツ交響楽団といえば戦後、西ベルリンにRIAS交響楽団として発足し、カラヤンのライバルと目されたフリッチャイに率いられて以来、マゼール、シャイー、ナガノ、ソヒエフ等名指揮者をシェフとして迎え、発展してきた。その優れた演奏はレコードやCD、映像などで広く知られるところだが、1983年ロンドン生まれの若き鋭才…

工藤和真(テノール)

 この8月末、東京音楽コンクール声楽部門で最高位に輝き、聴衆賞も得て話題をさらったテノール、工藤和真。中でも、名アリア〈フェデリーコの嘆き〉での悲愴感の塊のような声音が客席を揺さぶったようである。その期待のホープがこの秋、日生劇場の《トスカ》で画家カヴァラドッシを演ずるという。伸び盛りの若手ならではのエネルギッシュな歌…

岡崎耕治(ファゴット)& 山田知史(コントラファゴット)

 日本のファゴット界の第一人者・岡崎耕治と、その門下生でもある山田知史のコントラファゴットによるデュオのCDがリリースされた。昨年に続く二人の第2弾。  この2つの楽器の二重奏自体、聴いたことのある人はきっとかなり少ないと思うのだけれど、なんとなく、コントラファゴットの通奏低音的な下支えの上で歌うファゴット、という図式…

延原武春(指揮)

 関西を拠点に演奏活動を展開し、昨年で創立55周年を迎えた演奏団体「日本テレマン協会」が、テレマン室内オーケストラ「ブランデンブルク協奏曲」全曲、そして、同団体のメンバーで、チェンバロ奏者としても活躍する高田泰治による「ゴルトベルク変奏曲」と、バッハの2大傑作を毎年披露するシリーズを、今秋より東京と大阪でスタートさせる…

神田 将(エレクトーン)

 仙台クラシックフェスティバル(せんくら)に9回目の登場となる神田将。今年もオーケストラ作品を“たった一人”で演奏する。彼が操る楽器とは、エレクトーンである。 「もともとオーケストラが大好きで、指揮者や作曲家に憧れがありました。しかし、自分自身で音を出し、表現するということもしたい。私にとってそれを可能にしてくれるのが…

ハインツ・ホリガー(オーボエ/指揮/作曲)

 世界的なオーボエ奏者であり、指揮者・作曲家としても現代音楽界を牽引してきた、ハインツ・ホリガーの生誕80年を記念した演奏会が、今秋相次いで開催される。  1959年にジュネーヴ、61年にミュンヘンの両国際コンクールで優勝以後、オーボエ奏者として活動を続け、ヘンツェ、リゲティ、シュトックハウゼン、ベリオら、現代を代表す…

注目公演

新国立劇場 チャイコフスキー《エウゲニ・オネーギン》(新制作)

 大野和士芸術監督の第2シーズンは、チャイコフスキーの《エウゲニ・オネーギン》新制作で開幕する。レパートリーの拡充を進める大野監督の主導で、新国立劇場の演目としては、実に19年ぶりの上演。深い心理描写とドラマ性が際立つこのオペラは、ロシアの文豪プーシキンの韻文小説とチャイコフスキーの美しく叙情的な音楽が結びついた傑作で…

ジョナサン・ノット(指揮) 東京交響楽団

 ノットのプログラミングは、いつも知的刺激に満ちている。今回は、しじまの中からトランペットが密やかに語りかけてくるアイヴズの「答えのない質問」に、シューベルトの未完成交響曲を続ける。ご存じの通り後者は最初の2楽章しか書かれなかったが、なぜ後続楽章は作られなかったのかが、「答えのない質問」の含意だろう。  後半はモスクワ…

アンサンブル・ノマド 第67回定期演奏会

 ギタリスト佐藤紀雄の呼びかけによって集まり、斬新なプログラムで活動を続けるアンサンブル・ノマド。その第67回定期演奏会は、フルート奏者で作曲家の木ノ脇道元によるプロデュースで開催される。  公演は「出会いVol.2 〜呼び交わす頌歌〜」と題され、マーラーと李白、藤倉大とディキンソン、ブレイクといったように、洋の東西を…

ダン・タイ・ソン ピアノ・リサイタル

 ダン・タイ・ソンがショパン国際ピアノコンクールで優勝して、来年で40年となる。優勝以来幅広いレパートリーで音楽性を深め、同時に、ナショナル・エディションによるマズルカ全集の録音などにより、ショパンの解釈者としての評価を不動のものとした。そして今や、彼が育てた弟子たちが、新しい世代のショパンの解釈者としてショパンコンク…

アジア オーケストラ ウィーク2019

 クラシックは世界の共通言語──そんな言葉が、アジアで近年ますます重みを増している。西洋型舞台芸術になじみのなかった街に、新しいホールや劇場がどんどん竣工し、新団体が設立されている。教育機関などの整備も進み、レヴェルの向上も著しい。よき友人として、またよきライバルとして、今、世界で最もホットなアジアの隣人たちに耳を傾け…

チョン・キョンファ ヴァイオリンリサイタル2019

ケヴィン・ケナーとの共演  韓国出身、現在はニューヨーク在住の「ヴァイオリン界のレジェンド」と称されるチョン・キョンファが、1990年のショパン国際ピアノ・コンクールで最高位を獲得したケヴィン・ケナーと組み、10月に来日公演を行う。当初のピアニストは韓国出身のソン・ミンスだったが、急きょ変更になり、何度かデュオを組んで…

ニコラ・アンゲリッシュ ピアノ・リサイタル

 1970年アメリカ生まれのニコラ・アンゲリッシュは、ピアノ好きの心を強くとらえるピアニストである。テクニックは安定し、長年熟成したレパートリーを組んで伝統的な演奏を聴かせ、しかも常に新しさを探求し、さらに弱音の美しさには定評がある。彼はパリ国立高等音楽院で学び、アルド・チッコリーニ、イヴォンヌ・ロリオ、ミシェル・ベロ…

第5回 スタインウェイ・コンクール in Japan

 世界の主要なホールにおいて、その輝かしい音色を放ち続けるスタインウェイ&サンズのピアノ。圧倒的な人気を誇るメーカーであるスタインウェイ&サンズは、若きピアニストたちの才能をサポートする使命をも担い、コンクールの開催を継続している。1936年からドイツでスタートした「スタインウェイ・コンクール」は、日本では2011年に…

New Release Selection

【CD】アルカン ピアノ・コレクション5「幻影」―エスキス 作品63―/森下唯

 ショパンと同時代に生き、知られざる超絶技巧の名曲を数多く残したアルカンの楽曲を世の中に紹介し続ける、森下唯。その第5弾となるアルバムに収められたのは、アルカン円熟期の名作「エスキス―48のモチーフ」。24の調性を2周する形で書かれたすべての小品には表題が与えられている。それらを、まるで幅広いスタイルで書かれた詩を朗読…

【CD】トッカータ・ブラジリス/熊谷俊之

 南米の作品を中心に編んだ。アダルトなピアソラに始まり、陽気で開放的なヴィラ=ロボス、洒脱なポンセ、ノスタルジックなコントレラス&アサド作品。通底するものを持ちながらも、それぞれに趣向が異なった選曲で、心地よく聴き通せる。ジャズやロック、エスノ的なセンスまで熊谷の幅広い才能が窺われるが、中でも世界初録音となるマルロス・…

【CD】ハイドン:天地創造 /佐渡裕&トーンキュンストラー管

 まぎれもなく“ウィーンのハイドン”だ。歴史的奏法や楽器による温かくも鋭角的な音と、それをまとめて雄大でヒューマンな好演を作り上げているのは、佐渡裕の熱い指揮であることは間違いない。一方で、ウィーンの楽団が“黄金の”楽友協会ホールでウィーン古典派を演奏するときならではの、ローカルだが輝かしい、確信に満ちた響きがするのも…

【CD】4つの幻想曲/アンナ・フェドロヴァ

 ロンドンとイタリアで学び、現在国際的に注目を集めるピアニストであるフェドロヴァの、歌心あふれる色彩豊かなピアニズムが伝わってくる最新盤。コンセプト性の強いリサイタルを行い、ディスクを発表してきた彼女の今回のテーマは“幻想曲”。フェドロヴァはかなり感情豊かな演奏をする人だが、それをバランスよくまとめる構築力にも優れてい…

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