ぶらあぼ2019年12月号

アンドレア・バッティストーニ(指揮)

アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)

【TOP対談】クラウス・ハイマン(ナクソス・ミュージック・グループ会長)× 平井俊邦(日本フィルハーモニー交響楽団理事長)

ニュース

〜座間歌曲祭2020〜第4回日本歌曲コンクール開催

 日本歌曲に対する理解と普及を目指す、座間市スポーツ・文化振興財団と神奈川新聞社主催の「日本歌曲コンクール」が、2020年4月に開催される。第4回の応募要項が発表された。本コンクールは、プロ・アマ問わず広く出場者を募るところが大きな特徴で、第1次・第2次予選を経て、本選は4月19日にハーモニーホール座間で行われる。審査…

浜松国際ピアノアカデミー2020開催

 2020年3月に、アクトシティ浜松にて開催される「浜松国際ピアノアカデミー2020」の概要が発表された。世界的なピアニストの育成を目的とする同アカデミーは、故・中村紘子を音楽監督に迎え、1996年に始まり毎年開催されていたが、2016年の中村の逝去に伴い、17年にいったん終了していた。これまでに、チョ・ソンジン、牛田…

新日本フィルが2020/21シーズンプログラムを発表

 新日本フィルハーモニー交響楽団が2020/21シーズンの定期演奏会プログラム速報を発表した。音楽監督の上岡敏之は、ブルックナーの交響曲第8番で開幕を飾る(2020.9/3,9/6)。そのほか、ドビュッシー「海」やプーランク、デュカスの作品を組み合わせたフランス・プロ(10/30,10/31)、旬のソリストを迎えてのマ…

サラマンカホールが弦楽器貸与プロジェクトを始動

 今年、開館25周年を迎えたサラマンカホール(岐阜市)が、音楽家を目指す若者たち、さらなる研鑽を積む意欲ある弦楽器奏者たちの支援・育成を目的として、「ぎふ弦楽器貸与プロジェクト《STROAN》」を始動する。同ホールが愛知県在住の音楽愛好家から寄贈を受けた、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ計40挺を、弦楽器を学ぶ人たちに無…

トピックス

山形県総合文化芸術館が12月にプレオープン!

歴史都市の「文化の回廊」の中核  最上57万石、続いて鳥居24万石の城下町として栄えた山形。三重の堀が取り囲んだ奥羽最大の城の址は、旧二ノ丸が霞城公園として市民の憩いの場になり、江戸時代中期の東大手門が木造で忠実に復元されるなど古都山形の歴史と文化の薫りは以前にも増して色濃くなっている。  その霞城公園と同じ、山形駅の…

ジョナサン・ノットが語る東京交響楽団の新シーズン

 10月最初の週末に行なわれたミューザ川崎シンフォニーホール開館15周年記念公演《グレの歌》(シェーンベルク)で圧巻の熱演を聴かせたジョナサン・ノットと東京交響楽団。シェーンベルクの興奮の余韻が残るミューザ川崎シンフォニーホールで、東京交響楽団2020年度シーズン・ラインナップ記者会見が行なわれた。演目自体はすでに9月…

【レポート】武蔵野音楽大学 管弦楽団合唱団演奏会「荘厳ミサ曲」リハーサル取材

若い学生たちが巨匠のタクトで ベートーヴェン「荘厳ミサ曲」に挑む    今年創立90周年を迎えた武蔵野音楽学園。初期には武蔵野音楽学校として認可され、戦後には音楽大学音楽学部としていち早く設置認可されるなど、昭和初期から激動の時代を乗り越え、永く日本の音楽界の重要な礎となってきた学び舎であり、ここから巣立った名音楽家も…

【GPレポート】NISSAY OPERA 2019《トスカ》

イタリアの色彩のなかで激しさと美しさがバランスされた《トスカ》  《トスカ》には激しさと美しさが高い次元で同居している。主役3人がいずれも、わずか1日のうちに非業の死を遂げる、という劇的な展開は当然、音楽の激しさや強さにつながっている。歌手にも強靭な声が求められるが、一方で、近代的なオーケストレーションに支えられた美し…

インタビュー

アンドレア・バッティストーニ(指揮)

 この秋には東京に約1ヵ月半滞在したバッティストーニ。もはや彼の活動には日本での生活がしっかり組み込まれているようだ。 「さすがに、自分を日本人だと感じることはまだありませんが(笑)。でも、毎年長い期間を日本で過ごしているので、“お客さん気分”はどんどん少なくなっています。人々の暮らしに興味を持つようになり、日本文化を…

アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)

 “ヴァイオリンの女王”アンネ=ゾフィー・ムターは、2019年10月、第31回高松宮殿下記念世界文化賞(音楽部門)を受賞した。これは絵画、建築など5部門で世界的芸術家に贈られる栄誉ある賞だ。 「世界を変えたさまざまなアーティストと同等の評価をしていただけたことに感動しています。特にこれまで受賞した女性音楽家、アルゲリッ…

【TOP対談】クラウス・ハイマン(ナクソス・ミュージック・グループ会長)× 平井俊邦(日本フィルハーモニー交響楽団理事長)

日本フィル、プラハ響、ドイツ放送フィルの首席指揮者を務め、世界に活躍の場を広げるピエタリ・インキネン。先日、彼が2020年のバイロイト音楽祭でワーグナーの大作《ニーベルングの指環》を指揮することが発表された。それを機に、インキネンの2種の『シベリウス:交響曲全集』(日本フィル、ニュージーランド響)などを世に送ったナクソ…

髙木凜々子(ヴァイオリン)& 實川 風(ピアノ)

 ヴァイオリンの髙木凜々子とピアノの實川風。11月、江戸川区総合文化センターの「フレッシュ名曲コンサート」に出演する。協奏曲の夕べだ。東京藝大を卒業したばかりの新星で、昨年の東京音楽コンクール第2位の髙木がブルッフを、2015年のロン=ティボー=クレスパン国際コンクール第3位(1位なし)の實川がチャイコフスキーを弾く。…

小㞍健太(ダンサー/振付家)

 難解と思われがちな現代音楽を、卓越した技術で親しみやすいコンサートとして紹介し、世界的に人気が高いアルディッティ弦楽四重奏団。そしてこれまた世界に冠たるオランダのNDT(ネザーランド・ダンス・シアター)で活躍したダンサー小㞍健太とのコラボレーションが神奈川県立音楽堂と愛知県芸術劇場で行われる。  曲目も非常に興味深い…

小菅 優(ピアノ)

 日本屈指の実力派ピアニスト・小菅優が「Wind」と題したリサイタルを行う。これは、「水・火・風・大地」の四元素をテーマにしたシリーズ「Four Elements」の3回目にあたる。 「ベートーヴェンのソナタ全集後の企画として、人間の原点を深く掘り下げるべく、このシリーズを始めました。元素の描写だけでなく、シンボルとし…

中木健二(チェロ)

人生で大切なことはすべてメネセスから学んだ  チェロの現代の巨匠アントニオ・メネセスが、日本のチェロ奏者7人と共演する。山崎伸子、向山佳絵子、中木健二、遠藤真理、辻本玲、伊東裕、佐藤晴真。メネセス門下でもある中木健二に聞いた。 「メネセス先生に出会ったのは2004年。シエナのキジアーナ音楽院のマスタークラスです。最初の…

山中惇史(ピアノ/作曲/編曲)

 2019年11月28日、浜離宮朝日ホールでピアノ・リサイタル「刻印された時、風景」を開く山中惇史。東京藝術大学音楽学部の作曲科、修士課程作曲専攻を修了し、29歳の現在は器楽科ピアノ専攻に在学中。「3度目の大学生活です」と笑う。来年をめどにパリへ留学、さらにピアノの腕に磨きをかけるという。  「あなたは作曲家ですか、ピ…

クリスティーナ・ランツハマー(ソプラノ)

 周囲を包み込む温かさと瑞々しい透明感を併せ持つ美声で、欧米のオペラや宗教作品の檜舞台で活躍するドイツの名ソプラノ、クリスティーナ・ランツハマー。13年ぶりとなる来日を果たし、「自分の本能から生まれた」というバロックから20世紀へ、イギリスからアメリカ、母国ドイツへと時空を超えてゆく歌曲のプログラムを披露する。  ミュ…

注目公演

チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 歌劇《スペードの女王》

 内装の華麗さに「さすが帝都のオペラハウス」と唸ってしまうサンクトペテルブルクのマリインスキー歌劇場。ロシアの名だたる大作曲家が名作を発表したが、中で最も悲愴感を漂わせ、心に沁み入るオペラがチャイコフスキーの《スペードの女王》(1890)である。物語は、士官ゲルマンと貴族階級の娘リーザの抑えきれぬ恋に、カードの秘術を知…

大村博美(ソプラノ) & アルベルト・ヴェロネージ(ピアノ)

 数多いる日本人歌手のなかでヨーロッパで認められた人は、残念ながら少ない。例外の一人が大村博美である。評価の高いプッチーニ《蝶々夫人》はすでに世界各地で100回以上歌っており、昨年と今年はプッチーニの聖地にも呼ばれた。プッチーニが暮らしたイタリアのトッレ・デル・ラーゴにおけるプッチーニ・フェスティバルで、2年続けて蝶々…

アンリ・バルダ ピアノ・リサイタル

 ピアノという楽器を使って、ここまで深い情感を描き出せるピアニストは他にいるのだろうか? 以前、アンリ・バルダの実演を聴いた時にそんなことを思った。どの作曲家のどの作品でも、そこにあるべき音楽が浮かび上がってくる。恣意的ではなく、あくまでも自然な姿で語りかけてくる音楽。テクニックを見せびらかすことなど微塵もないが、しか…

藤沢市民オペラ 2018-2020シーズン 《湖上の美人》(演奏会形式)

 角笛を模すホルンの音と、仕事に向かう羊飼いたちの声が響きあう夜明け。やがて、霧の中、小舟で湖を渡る美女のしっとりした歌声が聴こえてくると、北の山国の爽やかな涼気がステージをさらっと吹き抜けるよう。まさしく「空気を音で描写する」大作曲家ならではの雄弁な音運びだろう。  ロッシーニの《湖上の美人》は、1819年にナポリで…

エマニュエル・パユ SOLO Vol.2

 「時、大陸、様式を超えた、聴き手の皆さんとの旅」。名手ひしめくフルート界にあって、今もなお人気・実力ともに「ナンバーワン」のスーパースター、エマニュエル・パユ。たった一人、1時間で臨むオール無伴奏リサイタル「SOLO」を、彼はこう表現する。  今回の第2弾では、パユが「ソロ作品の港」と位置付ける、バロックの巨匠テレマ…

第4回 オペラ歌手 紅白対抗歌合戦 〜声魂真剣勝負〜

 2016年にスタートした「オペラ歌手 紅白対抗歌合戦」もついに4回目に突入。「クラシック音楽界の年に一度の恒例行事として定着させたい」という主催者の想いも、実りつつあると言っていいだろう。まだご存じではない方のために説明すると、大晦日の夜、家族揃ってテレビの前で観戦するのが正しい日本人の姿とされている(?)国民的人気…

ヘルムート・ブラニー(指揮) ドレスデン国立歌劇場室内管弦楽団

 12月になると音楽シーンにも本格的なクリスマス・シーズンが到来。「第九」公演と並んで多彩なプログラムによるクリスマス・コンサートが、聴き手の心を温めてくれる。日本でも多くのファンを有するシュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)の室内オーケストラによる公演は、クラシックの名曲でこの時期を祝うと同時に…

韮崎市制施行65周年記念公演 齊藤一也 ピアノ・リサイタル

 俊英ピアニストが紡ぐ、瑞々しい響きに身を委ねたい。今年で市制施行から65周年の節目を迎えた、山梨県北部にある韮崎市。これを記念し、地元出身で、昨年のベルリン・アルトゥール・シュナーベルコンクールで最高位入賞を果たした齊藤一也を招き、待望のリサイタルを開催する。  1990年生まれ。東京藝大からパリ国立高等音楽院に学び…

New Release Selection

【SACD】ワーグナー:タンホイザー、トリスタンとイゾルデ、神々の黄昏、パルジファル/上岡敏之&新日本フィル

 ドイツの歌劇場でのキャリアが長い上岡敏之が、コンビを組んで3年目の終盤に手兵を指揮した、ワーグナー・プログラムのライヴ録音。弦と管が溶け合った柔らかなサウンドで流麗かつ濃密に表出された、日本では滅多に聴けないワーグナー演奏だ。全体に甘美な魅力が横溢。シンフォニックな起伏ではなく、“歌の抑揚”ともいうべきフレージングで…

【SACD】そして、それが風であることを知った/神田寛明&佐々木亮&早川りさこ

 NHK交響楽団のトップ奏者によるフルート(神田寛明)&ヴィオラ(佐々木亮)&ハープ(早川りさこ)という稀有なアンサンブルによる魅惑のCD。晩年のドビュッシーがこのトリオのために書いたソナタは、音の色彩と香りを自在に変化させた3楽章からなるミステリアスな物語。エミリー・ディキンソンの詩からタイトルを得た武満徹のアルバム…

【CD】ドビュッシー:前奏曲集 第1巻&第2巻/パスカル・ドゥヴァイヨン

 フランス生まれの名手、パスカル・ドゥヴァイヨンが、得意とするドビュッシーのピアノ作品の傑作「前奏曲集」第1巻、第2巻を録音。ドゥヴァイヨンは、角がとれた深みのある音を慎重に重ねていく。いくつもの色を混ぜ合わせたかのような低音が響く「沈める寺」や、要所の音の後に、描いたものの残像が見えるような「霧」や「花火」などは、特…

【CD】ヴァイオリンとチターの出会い/ヴィルフリード・シャルフ&吉田美里

 ソリストとしてウィーン・フィルのニューイヤーに出演し、指導者としてはチターのクラスを開設してその技を伝えるなど、チターの第一人者として広く活躍するヴィルフリード・シャルフ。ウィーンで長く学んだヴァイオリニスト吉田美里と共に、ユニークなアルバムを完成した。両楽器の“出会い”は珍しいが、ウィーンをよく知る彼らの肩の力の抜…

デジタルマガジンeぶらあぼ