ぶらあぼ2020年2月号

ユーリ・テミルカーノフ(芸術監督・指揮)

林 美智子(メゾソプラノ)

新国立劇場 2020/21シーズンラインアップを発表

ニュース

神奈川フィルが創立50周年記念事業を発表

 2020年に創立50周年を迎える神奈川フィルハーモニー管弦楽団が1月17日、神奈川県庁で記念事業の記者会見を行い、黒岩佑治(神奈川県知事)、川瀬賢太郎(神奈川フィル常任指揮者)、上野孝(同 理事長)らが出席した。 (2020.1/17 神奈川県庁 Photo:M.Suzuki/Tokyo MDE)  「地域に密着した…

新国立劇場 2020/21シーズンラインアップを発表

 新国立劇場は1月8日、2020/21シーズンラインアップを発表した。登壇者は大野和士・オペラ芸術監督、吉田都・次期舞踊芸術監督、小川絵梨子・演劇芸術監督。大野、小川両監督は3シーズン目、20年9月1日から芸術監督に就任する吉田都・次期監督(任期は24年までの4年)は初のシーズンとなる。 (2020.1/8 新国立劇場…

ボン・テレコム・ベートーヴェン国際コンクールで竹澤勇人が第2位

 ドイツのボンで昨年12月6日から14日にかけて行われたボン・テレコム・ベートーヴェン国際コンクール(審査委員長:パーヴェル・ギリロフ)で竹澤勇人が第2位に入賞した。優勝はYin Cunmo(中国)。同ピアノコンクールは、2005年から2年に一度開催されており、今回が8回目。河村尚子も審査委員を務めた。  竹澤は199…

2020年度武満徹作曲賞ファイナリスト決定

 1997年より始まり、2020年度で22回目を迎える武満徹作曲賞の譜面審査の結果が発表された。同賞は、毎年一人の作曲家が審査にあたるユニークな形式が特徴。20年はトーマス・アデス(イギリス)が審査員を務める。世界32ヵ国・93の応募作品の中から譜面審査が行われ、4作品が選ばれた。20年5月31日の「コンポージアム20…

トピックス

追悼 ペーター・シュライヤー

In Memoriam Peter Schreier 1935-2019  20世紀を代表するリリック・テノール、ペーター・シュライヤーが昨年12月25日にドレスデンで亡くなった。享年84。天性の美声の上に、正確な音程で、イントネーションもフレージングも清潔。その声を生かしたバッハ、モーツァルト、シューベルトで数々の名…

広島交響楽団ラインナップ記者発表

 広島交響楽団が昨年12月23日、都内で2020年度ラインナップ記者発表を行い、音楽総監督の下野竜也、作曲家の藤倉大らが出席した。  昨年は、ワルシャワで14年ぶりの海外公演を実施するなど、楽団にとって充実の一年となった。被爆75年を迎える今年、「“讃” 〜平和を讃えて〜」をテーマに掲げる。第400回を迎える5月の定期…

第2回JOA オーボエコンクール概要発表

 日本オーボエ協会は、2020年5月9日、10日に昭和音楽大学で開催する第2回JOAオーボエコンクールの概要を発表した。応募資格は、同協会会員であることで、年齢、国籍、学歴は問わない。応募期間は2月1日から29日までで、参加費用は15,000円。東京佼成ウインドオーケストラ副コンサートマスターの宮村和宏が審査委員長、日…

大阪4大オケ 2020年度シーズンプログラム共同記者発表会

 関西ならではの独自企画「大阪4大オケ」の2020年度シーズンプログラムの共同記者発表会が11月26日に行われた。4大オケとは大阪を拠点に活動している、大阪交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、日本センチュリー交響楽団のこと。今回の会見では、2020年に生誕250年を迎えるベートーヴェン…

インタビュー

与那城 敬(バリトン)

 「予想もしていなかった役が、突然来てしまいました!」と、与那城敬はにこやかに語る。ドン・ジョヴァンニやエスカミーリョのような色男役が続く名バリトンだけに、毒を吐いて呪われる宮廷道化師リゴレットの人物像を、いまどのように捉えるのか? 「新国立劇場の研修所時代から、レパートリー選びは慎重にと考えてきましたので、ヴェルディ…

椿三重奏団(ピアノ三重奏団)

 高橋多佳子(ピアノ)、礒絵里子(ヴァイオリン)、新倉瞳(チェロ)。美しく、華やかで、そして楽しい三人のピアノ・トリオ「椿三重奏団」が2月にデビューCDをリリースする。  初共演は12年前にさかのぼる。高橋と礒の出演するトリオのコンサートに、降板したチェリストの代役として急きょ駆けつけたのが、当時まだ大学生の新倉だった…

神尾真由子(ヴァイオリン)

 2007年のチャイコフスキー国際コンクールの優勝以来、国内外で幅広い活躍を展開している神尾真由子は、近年室内楽にも目を向け、さまざまな音楽家との共演を楽しんでいる。そんな彼女が来春、「神尾真由子 with Friends」と題したコンサートで桐朋の同期生たちと共演する。プログラムは人気の高いボッケリーニと深遠さと歌謡…

井上道義(指揮)

 目下絶好調の指揮者、井上道義が2月8日、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会みなとみらいシリーズ第356回を指揮する。長い共演関係にありながら、定期登場は1998年以来21年ぶりという。ビゼー作曲&シチェドリン編曲の《カルメン》組曲、ショスタコーヴィチの交響曲第14番「死者の歌」とシンプルながら、演奏難易度の高…

工藤重典(フルート)

 フルートの工藤重典がイベールの協奏曲を録音した。フルートの名協奏曲。これが初録音というのはやや意外な気も。 「何十回も演奏していますが、協奏曲の録音は、指揮者、オーケストラなど、いろんな条件が揃わないと実現しません。そのなかで、ランパル先生も普及に寄与したイベールの協奏曲を、今回やっと残せたことは感無量です」  19…

ユーリ・テミルカーノフ(芸術監督・指揮)

 ロシア最高峰のオーケストラ、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団を率いて足掛け32年。豊かな人間性と圧巻の指導力を兼ね備えたマエストロ・テミルカーノフは、穏やかな語り口の中にも、自他への厳しさと巧まざるユーモアをのぞかせる。 指揮者は傍からは簡単そうにみえるかもしれないが、実はとても過酷で、しんどい仕事です…

林 美智子(メゾソプラノ)

 これは楽しい! 論より証拠。ご自身の目と耳で確かめてほしい企画だ。  アリアをカットして、重唱だけで構成するという大胆な発想のオペラ上演をプロデュースするのは、日本を代表するメゾソプラノ林美智子。《コジ・ファン・トゥッテ》《フィガロの結婚》に続き、3月、「林美智子の《ドン・ジョヴァンニ》!」でダ・ポンテ三部作が完結す…

ディートリヒ・ヘンシェル(バリトン)

 恒例の札幌交響楽団東京公演。今年は現代を代表するドイツ歌曲の際立った表現者、ディートリヒ・ヘンシェルがマーラーの「亡き子をしのぶ歌」を歌う。  この「悲痛なテーマに貫かれた、きわめてセンシティブな音楽」(ヘンシェル)は、わが子を亡くした実体験に基づくリュッケルトの詩による歌曲集。作曲後、マーラー自身も愛する娘を失うと…

蒲生克郷 & 花崎淳生(ヴァイオリン/エルデーディ弦楽四重奏団)

 東京藝術大学出身者である蒲生克郷、花崎淳生(以上ヴァイオリン)、桐山建志(ヴィオラ)、花崎薫(チェロ)の4名で結成されたエルデーディ弦楽四重奏団。彼らは2005年から第一生命ホールの「クァルテット・ウィークエンド」に出演し、ベートーヴェンやハイドンを中心に意欲的なプログラムを展開。今回はドホナーニの第3番、モーツァル…

注目公演

東京オペラシティ B→C 山澤 慧(チェロ)

 バッハとコンテンポラリーをつなぐ「東京オペラシティB→C」シリーズにチェロの山澤慧が登場。藝大フィルハーモニア管首席奏者などをはじめ、オケとソロ両面で活躍する山澤は、現代ものの演奏力を競う「競楽XI」で優勝後、ドイツに渡って現代音楽シーンの最前線に飛び込み、現在は20世紀以降の無伴奏作品を中心にプログラミングする公演…

長谷川陽子(チェロ) & 三浦一馬(バンドネオン) & 大萩康司(ギター)〜情熱と哀愁のリベルタンゴ〜

 チェロの長谷川陽子、バンドネオンの三浦一馬、ギターの大萩康司。それぞれの楽器で第一線で活躍する名手たちが、異色の共演を果たす。題して「情熱と哀愁のリベルタンゴ」。「リベルタンゴ」といえば、タンゴの革命児ピアソラの代表作。バンドネオンと聞いてまっさきに思い起こすのがこの曲だろう。チェロの深みのあるのびやかな音色に、バン…

イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル

 ここ10年の間、イーヴォ・ポゴレリッチは2年と間を置かずに来日リサイタルを行ってきたが、昨年21年ぶりにアルバムを発表し、音楽界で注目を集めたことは記憶に新しい。ポゴレリッチは、22歳で受けたショパン国際ピアノコンクールで予選落ちし、審査員の一人であったアルゲリッチがその結果に激怒したという有名なエピソードをはじめと…

新国立劇場 モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》

 名作オペラのなかには「音楽は最高なんだけど、ストーリーに説得力がなく、ピンと来ない」という作品もある。時を経ても音楽は古びていないけれど、物語はすっかり古びてしまった、というケースだ。しかし、まれに物語がまったく古びていない、むしろ現代的だと思える作品もある。モーツァルトの《コジ・ファン・トゥッテ》がそうだ。二組のカ…

ニコライ・アレクセーエフ(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団

 これは真正ロシアの響きを期待できるコンサートだ。この2月、ニコライ・アレクセーエフが新日本フィルの定期演奏会に登場する。1982年カラヤン指揮者コンクール優勝等の受賞歴をもつ彼は、2000年からサンクトペテルブルグ・フィルの指揮者(副芸術監督)を務める一方、エストニア国立響の音楽監督、コンセルトヘボウ管等の著名楽団へ…

フィリップ・トゥッツァー バッハ 無伴奏ファゴット・リサイタル

 たった1人で対峙する、バッハ父子の無伴奏作品。ファゴットという楽器の底力を、存分に知らしめることだろう。  ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席奏者を務め、ソリストとしても国際的に活躍しているイタリア出身の名手、フィリップ・トゥッツァー。ウィーン国立音楽大学やハノーファー音楽演劇大学に学び、2008年には“超…

アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト2020

 名実ともに当代随一のバレリーナとして活躍するアリーナ・コジョカル。愛らしい少女の純情から成熟した女性の感情の機微までを体現し、役を生きる名花が、2012年、14年に続いて日本で座長公演を行う。  このシリーズの眼目はパ・ド・ドゥや小品だけでなく一幕物を通して本格的に「作品」を見せることだ。びわ湖ホール公演では名匠アシ…

イリヤ・ラシュコフスキー ピアノ・リサイタル

 2001年のロン=ティボー国際音楽コンクール ピアノ部門第2位入賞をきっかけに若くして注目され、その後も12年浜松国際ピアノコンクール優勝などでキャリアを重ねながら演奏活動を続けてきた、イリヤ・ラシュコフスキー。ロシア、イルクーツクに生まれ、10代半ばから、ドイツのハノーファーで名教授ウラディーミル・クライネフのもと…

New Release Selection

【CD】スペインの歌/新井伴典

 ギターの師でもあった亡き父に捧げられたアルバムは、父が愛奏し、新井伴典が教えを受けたスペインの音楽を集めた。アルペジオが華やかに散り、旋律は軽やかに踊る。情熱のステップが、郷愁のため息へと移り変わる。技巧を技巧と感じさせず、奏者と楽器と作品が三位一体となって、力まない自然体の音楽が流れていく。親しい人が話しかけてくる…

【CD】チェコ・フィルハーモニー弦楽四重奏団&岩井のぞみ

 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによるクァルテットは国際的に活動を展開し、幅広いレパートリーを持つが、とりわけチェコの音楽の演奏において、その伝統と魅力を素晴らしい形で伝えている。今回のディスクは東京文化会館でのリサイタルのライヴ録音。ヤナーチェクとドヴォルザークの作品を収めているが、そのどれもが香り立つよ…

【CD】アドルフに告ぐⅡ/上野耕平

 いかにも挑発的な『アドルフに告ぐ』なるタイトルのアルバムをリリースしてから5年、ここに上野耕平は同第2弾を放つ。上野のために書かれ世界初録音となる逢坂裕と藤倉大による2曲、そしてすでにサクソフォン奏者のレパートリーとして広く膾炙したデュクリュック、トマジ、マルタンの3曲を収録。捨て曲なし、全て必聴曲であり超絶的な演奏…

【CD】BARITONISM Ⅱ―フランス作品集―/本堂誠

 木管楽器の中で、息遣いのニュアンスを最もヴィヴィッドに反映できるのは、サクソフォン属だろう。東京藝大からパリ国立高等音楽院などに学び、国際的に活躍するバリトン・サックスの名手、本堂誠。当盤では、本来は弦とピアノなどのために書かれた、近代フランス作品を取り上げた。紡がれる表現は、謳い出しから千変万化。特にドビュッシーや…

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