ぶらあぼ2020年3月号

小林研一郎(指揮)

佐渡 裕(指揮)

調布国際音楽祭 2020記者会見

ニュース

第18回 齋藤秀雄メモリアル基金賞に佐藤晴真と鈴木優人

 第18回 齋藤秀雄メモリアル基金賞のチェロ部門受賞者に佐藤晴真、指揮部門に鈴木優人が決定した。2月4日、都内で贈賞式が行われた。同賞は、チェリスト・指揮者・教育者であった齋藤秀雄(1902-1974)にちなみ、財団法人ソニー音楽芸術振興会(現・公益財団法人ソニー音楽財団)が2002年に創設。音楽文化に貢献し、将来一層…

札響がマティアス・バーメルトの首席指揮者任期延長を発表

 札幌交響楽団は、2021年までだった首席指揮者マティアス・バーメルトとの契約を24年3月まで3年延長すると発表した。  バーメルトは、クリーヴランド管常任指揮者、バーゼル放送響音楽監督を歴任し、欧米やアジアのオーケストラとも数多く共演。札響へは14年に初登壇。16年、17年と共演を重ね、18年4月に首席指揮者に就任。…

ロームシアター京都の館長に演出家の三浦基が就任

 ロームシアター京都は、現館長の平竹耕三(京都市文化市民局参事)が退任し、2020年4月1日付で演出家の三浦基が新館長に就任すると発表した。任期は2年。  三浦は、桐朋学園芸術短期大学演劇科・専攻科卒業。京都を拠点に活動している劇団「地点」を率い、利賀演出家コンクールをはじめ、文化庁芸術祭新人賞、京都市芸術新人賞などを…

第29回青山音楽賞の受賞者が決定

 第29回青山音楽賞の受賞者が決定した。同賞は、今年設立30周年を迎える公益財団法人青山音楽財団が1991年より継続している顕彰事業。毎年1月から12月までに京都の青山音楽記念館 バロックザールで開催された公演の中から選考し、個人または団体に授与される。  25歳以下(演奏会当日)が対象の新人賞には、今岡秀輝(ヴァイオ…

トピックス

いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2020

ゴールデン・ウィークの古都が、麗しき調べで輝きを増す。「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2020」は五輪イヤーにちなみ、「世界の音楽、広がる和」がテーマ。世界五大陸から集った名手たちが、数々の傑作で“競演”する。  「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」は、2017年にスタート。今年は4月28日から5月5日の8日間、…

追悼 ハリー・クプファー

In Memoriam Harry Kupfer 1935-2019  2019年12月30日、演出家ハリー・クプファーが84歳で亡くなった。オペラ上演にリアリティを持たせることを意図して、演出家ヴァルター・フェルゼンシュタインが提唱した「ムジークテアター」派のエース的存在として、ゲッツ・フリードリヒと並んでの活躍は、…

訃報:ピーター・ゼルキン氏

 現代を代表するアメリカのピアニスト、ピーター・ゼルキン氏が2月1日、ニューヨークの自宅にて膵臓がんのため死去した。72歳。  1947年生まれ。大ピアニスト、ルドルフ・ゼルキンを父に持ち、母方の祖父も往年の名ヴァイオリニスト、アドルフ・ブッシュという音楽一家に生まれたゼルキンは、父とミエチスラフ・ホルショフスキにピア…

N響が2020-21シーズン定期公演プログラム発表

 NHK交響楽団が2020-21シーズン(2020年9月〜21年6月)定期公演のプログラムを発表した。シーズン開幕は、首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィによるマーラーの交響曲第3番(2020.9/12,9/13)。ヤルヴィはその他、オール・バルトーク・プロ(9/18,9/19)、ブルックナーの交響曲第0番&ヒンデミット「画…

インタビュー

クリスティアン・アルミンク(指揮)

 2003〜13年に新日本フィルの音楽監督として活躍し、17年からは広響の首席客演指揮者を務めるなど、日本でもおなじみのクリスティアン・アルミンク。この3月、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトにおけるJ.シュトラウスⅡ世の喜歌劇《こうもり》で、音楽監督の小澤と指揮を分け合う。昨年の《カルメン》に続いての出演だ。本プロジ…

庄司紗矢香(ヴァイオリン)

 庄司紗矢香は挑戦する表現者だ。創作への情熱は、演奏の分野にとどまらない。美術にも関心が深く、絵画の個展をひらき、現在は映像作品を中心に創作を行っている。  「視覚のインタープリテーションは、音楽のインタープリテーションと同じで常に変わりゆくもの。創っていくプロセスも同じ」と彼女は語る。 「譜面を読み、構成や和声をアナ…

彌勒忠史(カウンターテナー/制作総指揮・脚本)

 《アモーレとプシケ》の公演が近づいてきた。様々な作曲家の楽曲を繋ぎ合わせて歌劇に仕立てるのはバロック・オペラの手法の一つ(パスティッチョ)だが、今回は大変に手が込んでいる。なにしろ、ギリシャ神話の物語をもとに彌勒忠史がオリジナルの台本を執筆。音楽はすべて初期バロック、それに日舞や能楽、コンテンポラリーダンスが加わると…

小林研一郎(指揮)

 “炎のマエストロ”コバケンこと小林研一郎は、今年4月に80歳を迎える。円熟を極めたマエストロの傘寿を記念して行われるのが「チャイコフスキー交響曲全曲チクルス」。全交響曲に協奏曲等を加えた5日間の公演で完遂する意欲的な企画だ(他に名古屋、大阪公演あり)。  十八番のチャイコフスキーを無数に演奏してきたコバケンだが、「ラ…

佐渡 裕(指揮)

 兵庫県立芸術文化センター、毎夏恒例の佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ。今回はプッチーニの人気作《ラ・ボエーム》を取り上げる。2020年は兵庫県立芸術文化センター開館15周年にあたり、佐渡もいつにも増して意欲的。オペラへの意気込みなど語った。 「阪神・淡路大震災後25年を迎え、開館15年でオペラの経験の蓄積もできました…

モナ・飛鳥(ピアノ)

 ドイツと日本にルーツをもち、ドイツの伝統を受け継ぎながら、独自の感性が光る演奏で活躍中のピアニスト、モナ・飛鳥。来年3月にはミュンヘン交響楽団と共に日本ツアーを行い、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を各地で披露する。彼女はミュンヘンを拠点としており、この楽団との日本公演をことのほか喜んでいる。 「地元のすば…

長尾洋史(ピアノ)

 ソリストとしてもアンサンブル奏者としても厚い信頼を寄せられているピアニスト長尾洋史が、新たな録音シリーズを始動させた。その名も『ピアニズム』。シンプルにしてストレートなタイトルのもと、第1弾と第2弾を続けてリリースする。1枚目はバッハの「ゴルトベルク変奏曲」、2枚目はドビュッシーの「前奏曲集」全曲だ。時代も国も音楽的…

阪田知樹(ピアノ)

 阪田知樹のピアノへの愛着が滲み出るようなプログラムによる、3部構成のリサイタルが開催される。内容は、モーツァルトで幕を開け、ソナタの大曲を置き、華やかな編曲作品で閉じるというもの。 「3部構成には、昔の演奏家へのオマージュの意味もあります。1900年代初頭の大ピアニストのリサイタルは、1部に古典的な作品、2部にメイン…

三浦文彰(ヴァイオリン)

 三浦文彰が弾くショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を、すでにコンサートで聴いた方も多いだろう。少年時代に、この曲を作曲者とともに創造したと言えるダヴィド・オイストラフの録音を聴いて心を動かされ、17歳の時に初めてコンサートで弾いたという作品だが、演奏を重ねながら作品への理解を深めてきた。その曲を、ソビエト〜ロ…

注目公演

ヨーヨー・マ(チェロ) バッハプロジェクト

「この分裂の時代にあって、文化が生み出す共通の理解こそ、私たちを“ワンワールド”として結び付け、人類全体に恩恵をもたらす、政治的・経済的な決断へ導くことができます。私たちは皆、文化的な存在なのです。文化が我々をどう結びつけ、より良い未来を築くのに役立つのか、共に探究しましょう」  ヨーヨー・マは、こう人々に呼びかける。…

プロジェクトQ [第17章] ベートーヴェン初期弦楽四重奏曲全曲演奏会

 若いクァルテットが約半年間かけて1曲に深く取り組む「プロジェクトQ」。第17章となる今年は生誕250年のベートーヴェン、作品18の6曲を取り上げる。意欲と挑戦に満ちた傑作で、この企画にふさわしい作品だ。  研修の成果を聴かせる「本公演」は同日2公演行われる。午後は、桐朋音大と東京音大等のメンバーで昨年結成された「ボヌ…

東京・春・音楽祭2020 イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.2 リッカルド・ムーティ指揮《マクベス》(演奏会形式/字幕付)

 2020年の東京・春・音楽祭は、リッカルド・ムーティ指揮のヴェルディ《マクベス》(演奏会形式)で華麗に開幕する。これは、ムーティが若い音楽家にオペラを創り上げるまでの極意を伝える「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」の一環。同アカデミーでは、10日間にわたってレクチャーの他、作品解説や受講生による演奏会も行われ…

セバスティアン・ヴァイグレ(指揮) 読売日本交響楽団

 2019年4月より読響の第10代常任指揮者に就任したセバスティアン・ヴァイグレ。記念すべきシーズンの掉尾を飾る3月の公演で、ヴァイグレはリヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」を取り上げる。シュトラウスはワーグナーと並ぶヴァイグレ得意のレパートリー。精緻極まりないオーケストレーションで描かれる壮麗なスペクタクル…

沼尻竜典(指揮) トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア

 世界で活躍する指揮者・沼尻竜典率いるトウキョウ・ミタカ・フィルハーモニアは、今年11月に創立25周年を迎える。記念の年の第80回定期演奏会は、沼尻と同じ三鷹市出身のピアニスト横山幸雄と、三鷹市にある国際基督教大学卒のハーピスト吉野直子を迎えて、祝祭的なプログラムが組まれた。  最初は吉野直子がロドリーゴ「アランフェス…

原田英代ピアノ・リサイタル 第4回〈統一〉

 原田英代はジュネーヴ国際コンクール最高位、シューベルト国際ピアノコンクール優勝などの入賞歴を誇り、現在はドイツを拠点に活躍するピアニスト。ロシア・ピアニズムの神髄を伝える伝説的指導者、ヴィクトル・メルジャーノフの薫陶を受けた彼女はロシア音楽の正当な継承者であり、国際的な演奏活動や幅広い見識を活かしたレクチャーなどでそ…

小泉和裕(指揮) 九州交響楽団 東京公演

 音楽的にブレないマエストロのタクトに導かれ、ファンの声援も熱い九州交響楽団。さらなる高みへ。  世代交代も功を奏し、演奏のクオリティをぐっと高めている九響が、音楽監督の小泉和裕とともに実に16年ぶりの東京公演を行う。プログラムはベートーヴェンの交響曲第4番変ロ長調と、変ホ長調を基調としたリヒャルト・シュトラウスの交響…

フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー) & アンサンブル・アルタセルセ

 フランスが誇るカウンターテナー、フィリップ・ジャルスキーの声には「飛翔感」がある。歌声がどこまでも高く登りゆくような、軽やかな浮遊性を備えているからだ。筆者は彼に二度対面したが、その際に「貴方の声は、天使の・・・翼を持っているような」と話すと、ジャルスキーはまず目を見開き、それからにこっと微笑んだ。「天使の声」と称さ…

New Release Selection

【SACD】メンデルスゾーン&ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番/椿三重奏団

 グループ名に冠された「椿」の白い花のイメージの通り、たおやかな調べ。しかし、時には、凄みや骨太さすらも織り込んで、多層的な響きの世界を形創る。十年来の共演歴のある女性奏者たちが、満を持して結成したトリオのデビュー盤。粒立ちと流れの良さを両立させる、高橋多佳子の絶妙なバランス感覚と、礒絵里子の艶やかさ、新倉瞳の豊潤さが…

【CD】このみち〜日本のうたⅡ〜/幸田浩子

 名花ソプラノの「日本のうた」集、待望の第2弾も、ジャンルの垣根を超えて聴く者の心にそっと寄り添う佳曲の詰め合わせ。音楽はもとより、サトウハチロー〈夕方のお母さん〉、谷川俊太郎〈はる〉、金子みすゞ〈このみち〉など、名だたる詩人たちが紡ぐ言葉のひと粒ひと粒が愛おしい。後半には盟友・菅野祥子の〈春なのに〉の続編〈波雫(なみ…

【CD】ラヴェル:ボレロ 他〜フランス管弦楽の色彩/飯森範親&日本センチュリー響

 飯森範親&日本センチュリー響の5年のコンビネーションの成果を明示したアルバム。全体に飯森のテンポ感の良さが際立ち、統一されたフレージングやアーティキュレーションが室内楽的ともいえる精妙な仕上がりをもたらしている。「ボレロ」は精度の高い妙技が展開され、「アルルの女」は〈メヌエット〉の美しさが特筆もの。「フランスの山人の…

【CD】組曲 プラテーロとわたし/富川勝智

 ギターの歴史、理論、奏法の専門家として、執筆、大学講師や教室主宰など、精力的な活動を繰り広げる富川勝智。その根源にはギタリストとしての卓越した技術と強い表現意欲があることは、このユニークなアルバムからも十分に伝わってくる。胸を打つ表題作をはじめ、いわゆる「土臭さ」よりも洒落たハーモニーやセンスを感じさせる、スペインの…

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