Tag Archive for チェロ

【CD】山本裕之作品集 輪郭主義

 ある楽器がピアノの音に対して四分音をぶつけると、なぜか本来調律が固定されているはずのピアノの音が狂ったように「ずれて」聴こえる。この現象の追求のため山本裕之がベリオの「セクエンツァ」シリーズよろしく様々な楽器を用いて不定期な連作としたのが「輪郭主義」。実際、これを聴くと相当にたまげる。楽器によってその“狂い具合”に差…

【CD】ハイドン:ピアノ三重奏曲第27番、シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番/葵トリオ

 昨年秋、最難関で知られるミュンヘン国際音楽コンクールで優勝を果たした葵トリオの、凱旋レコーディングが早くもリリースされた(曲もコンクールで演奏されたもの)。玉のような粒立ちをもったピアノの上で、ヴァイオリンとチェロが親密に交歓し、また華麗な協奏を繰り広げる。音楽の方向感が明瞭、構成もしっかりしており、各人が切れのよい…

音楽三昧2019 《ゴルトベルク変奏曲》

“三昧サウンド”で聴くバッハの歴史的傑作  鍵盤楽器のための無数の作品の中でも、最高峰に位置づけられるバッハ「ゴルトベルク変奏曲」。既成概念にとらわれぬ柔軟な発想で、様々な作品を“再創造”してきたアンサンブル『音楽三昧』の手にかかると、果たして、いかなる変容を遂げるのか。  1984年に結成され、モダン楽器とチェンバロ…

【CD】Három barátnak〜コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ 作品8 他/川上徹

 新日本フィルのフォアシュピーラーを務める傍ら、サイトウ・キネン・オーケストラへの参加やソリストとしても活躍する川上徹のコダーイ「無伴奏」。派手な技巧で華麗に弾き飛ばす演奏もままある中、ここでの川上は卓越した技巧を遠心の方向ではなく腰の据わった求心のベクトルへ向ける。その音楽は落ち着きがあり、そして音楽の表情に実に深み…

藤原真理(チェロ)

満を持してベートーヴェン全曲に臨む  毎年、自身の誕生日に行われるJ.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」コンサートや、全国各地で開催されるリサイタルにおいて、藤原真理の音楽は多くの聴き手へ静かに、そして雄弁に語りかける。  リサイタルのプログラムにはベートーヴェンの作品を加えることも多いが、ソナタと変奏曲を集中的に取り上…

葵トリオ

ミュンヘン国際音楽コンクール優勝記念のアルバムを堂々リリース  昨年9月、超難関・ミュンヘン国際音楽コンクールのピアノ三重奏部門で優勝し、一躍、世界中の注目を集めてから約半年。ピアノ秋元孝介、ヴァイオリン小川響子、チェロ伊東裕による「葵トリオ」が、ハイドンとシューベルトを収録した新譜(マイスター・ミュージック)をリリー…

水谷川優子 チェロリサイタル・シリーズ vol.Ⅻ

“ファミリー”で織りなす北欧とドヴォルザークの詩情  国際的なチェリストとして世界を駆けまわる水谷川優子が、毎年1回、仲間たちと共にバラエティに富んだプログラムを用意して、大切に開催し続けている「チェロリサイタル・シリーズ」。12回目となる今回は、2019年が日本・フィンランド外交樹立100周年であることを記念し、ラル…

西谷牧人(チェロ)

マルチに活躍するチェリストが拓く新たなフィールド  東京交響楽団の首席チェロ奏者を務める西谷牧人は積極的にソロ演奏も行い、同オーケストラの第2ヴァイオリン首席奏者である清水泰明とのユニット「清水西谷」も結成。自作曲の演奏など、クラシックの枠に留まらない活動を展開している彼が、今回東京では6年ぶりとなるリサイタルを開催す…

【CD】ポーランドの歌 ショパン・チェロ作品集 /桑田歩

 NHK交響楽団の首席代行奏者を務めつつ、同楽団のチェリスト4人からなるラ・クァルティーナのメンバーとしても活躍中の桑田歩が、若き閨秀・尾崎未空の好サポートを得て録音したショパン集。リストによるピアノ独奏版でも名高い「悲しい河」など歌曲5曲を自ら編曲して導入部とし、ショパンが残した5つの室内楽曲のうち、チェロとピアノの…

横坂 源(チェロ)

海外で磨かれた音楽性をメンデルスゾーンで結実させる 名手8人による色鮮やかなアンサンブル  音楽家育成のためのさまざまな事業を展開している「ローム ミュージック ファンデーション」の支援を受けた若い音楽家は、これまでにすでに4,400人超。今年4回目を迎える「ローム ミュージック フェスティバル」は、彼らと、関西の学生…