夜クラシック Vol.33 横坂 源・上野通明・水野優也・柴田花音

旬のチェリスト4人が紡ぐ至高のアンサンブル

左より:横坂 源 ©Takashi Okamoto/上野通明 ©Seiji Okumiya/水野優也 ©Yuji Ueno/柴田花音 ©Shigeto Imura

 平日夜にすばらしいアーティストによる上質の音楽を楽しめる、文京シビックホールの人気シリーズ「夜クラシック」に、屈指の俊英チェリスト4人が集結! J.S.バッハからデューク・エリントンまで、世紀もジャンルもこえて愛される楽曲の数々を、チェロ・アンサンブルの深い響きで楽しめる8月の一夜となる。

 出演は横坂源、上野通明、水野優也、柴田花音。コンクール受賞歴を中心に紹介すると、「ミュンヘン」第2位以来第一線で多彩に活躍を続ける横坂、コロナ禍中の「ジュネーヴ」優勝で注目を浴びた若手の旗手の一人である上野、「日本」と「東京」の両コンクールで第1位と聴衆賞に輝いた期待のホープ水野、昨年の「日本」で第2位受賞、惹きつけられる演奏とキャラクターでも印象を残した柴田と、実に魅力的な顔ぶれ。ソリストとして卓越した力量をもちながら、アンサンブルを完璧にこなせる柔軟性と視野も備えた4人の邂逅で、期待が大きい。

 プログラムについて、中心的存在の横坂のコメントを参照すると、ドビュッシー「月の光」で始まり、「棘や毒と美しさが表裏一体で存在する感じ」が全体に伝わっていくイメージとのこと。ジョンゲンやフィッツェンハーゲン、エリントン、ピアソラと多彩な楽曲を経て、最後はガーシュウィン「ポートレート」で盛り上がる設計となる。その流れの中核に据えられるのはバッハ「シャコンヌ」。4人の奏でる重厚な傑作はやはり要注目。若き達人たちが、チェロの多様な表現を余すところなく伝える。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2024年8月号より)

2024.8/23(金)19:00 文京シビックホール
問:シビックチケット03-5803-1111
https://www.b-academy.jp/hall/