東京・春・音楽祭公式ウェブサイトで掲載中の「ハルサイジャーナル」。音楽祭のプログラムや出演アーティストの魅力を紹介する人気コーナーから、選りすぐりの記事をPick Up!
「ローマの松って、どんな松?」
「東京・春・音楽祭」の常連である巨匠、リッカルド・ムーティ。2025年は、関係深める東京春祭オーケストラとともに、イタリア音楽の粋を披露する管弦楽公演に出演します。そのプログラムの目玉の一つが、オットリーノ・レスピーギ作曲の交響詩「ローマの松」。ローマ各地の松を題材にした4曲からなる楽曲です。
この“松”にまつわる、音楽評論家の戸部亮さんによるコラム。「松は当時の目撃者として、今はそのシーンをいざなう媒介者として、同じ場所に存在し続けている」――イタリア音楽の伝道師として、現在進行形でクラシック音楽史にその名を刻み続けるムーティは今年、「ローマの松」を通して私たちにどのような情景をみせてくれるのでしょうか。
文:戸部亮(音楽評論家)
ローマの松って、どんな松?
京都南禅寺界隈別荘群に旧山縣有朋別邸、無鄰菴がある。近代感覚を持った稀代の庭園施主山縣有朋がのちに天才庭師と称される七代目小川治兵衛とともに作庭した名庭園が見どころだ。足元は苔が蒸した典型的な日本庭園とは違い、芝生、里山の風景や小川を織り込んだ自然主義的、近代的な作庭。加えて見事なのは面積はそれほど広くない中、東山をメインにして——借景ではなく主山(しゅざん)として——庭の区画を超えて山と庭が連続的な一体感を持った広がりのある空間を作っているところだ。
異彩を放つ日本庭園で、さらに異色の樹木がある。マツ科の常緑針葉樹、モミノキだ。……
リッカルド・ムーティ指揮 東京春祭オーケストラ
2025.4/11(金)19:00、4/12(土)15:00 東京文化会館
●出演
指揮:リッカルド・ムーティ
管弦楽:東京春祭オーケストラ
●曲目
ヴェルディ:歌劇《ナブッコ》序曲
マスカーニ:歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲
レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》間奏曲
ジョルダーノ:歌劇《フェドーラ》間奏曲
プッチーニ:歌劇《マノン・レスコー》間奏曲
ヴェルディ:歌劇《運命の力》序曲
カタラーニ:コンテンプラツィオーネ
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
●料金(税込)
S¥19,000 A¥16,000 B¥13,000 C¥11,000 D¥9,000 E¥7,000
U-25 ¥3,000
※U-25チケットは2/14(金)発売
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