LEO 箏リサイタル SHIFT ~新しい伝統~

新世代の名手が紡ぐ百花斉放の響き

LEO ©NIPPON COLUMBIA

 古典の世界に新しい地平を拓くLEOの音楽は、まさに、公演名の副題にもなっている「新しい伝統」だ。でもそれは「伝統」を保守的な旧弊と決めつけて否定するものではない。むしろ逆で、彼がいつも心に留めていると話す、日本の伝統芸能の言葉「守破離(しゅ・は・り)」に集約されている。師の教えを「守」り、それを「破」り、伝統から「離」れて自分の表現を見い出してゆく。彼の中ではそれが螺旋状にループして、次のフェイズへと昇華していく。

 プログラムは、おなじみの日本古謡をベースにした箏曲家・半田弘の「さくら替手五段」から、坂本龍一「戦場のメリークリスマス」、そして自作(今野玲央名義)「Deep Blue」まで多彩。独自のグルーヴが、古典に興味があってもなくても、箏の世界をスタイリッシュに楽しませてくれるはず。共演はピアノのロー磨秀(マシュー)とチェロの伊藤ハルトシ。昨年のアルバム『GRID//OFF』でも共演している仲間たちだ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2024年8月号より)

2024.9/14(土)15:00 三鷹市芸術文化センター 風のホール
問:三鷹市スポーツと文化財団0422-47-5122 
https://mitaka-sportsandculture.or.jp