ウルグアイ生まれの名手と、日本が誇る妙手。1995年、東京文化会館でのリサイタル以来、断続的ではあるが世界各地で一緒に演奏活動を行っている名コンビによる、2024年録音の最新デュオ・アルバム。まるでこの二人のために書かれたようなフェルナンド・ソル(1778〜1839)の、多彩な変奏と華麗なマズルカからなる難曲で幕開け。現代音楽の語法を使いつつも嬉遊曲のような洒脱さも感じられるグイド・サントルソラ(1904〜94)のデュオ・ソナタも聴きどころ。それらを軸に、それぞれが編曲したバロック4作品が散りばめられ、ヒナステラとピアソラで締める流れが絶妙だ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2025年3月号より)
【information】
CD『ソル:二人の友/福田進一&エドゥアルド・フェルナンデス』
ソル:幻想曲「二人の友」/スカルラッティ(E.フェルナンデス編):ソナタ K.213/J.S.バッハ(福田進一編):協奏曲 ニ短調/サントルソラ:ソナタ・ア・デュオ第1番/ヒナステラ(C.バルボサ=リマ編):「5つのアルゼンチン民謡」より〈サンバとガト〉/ピアソラ(D.エストラダ編):来るべきもの 他
福田進一 エドゥアルド・フェルナンデス(以上ギター)
マイスター・ミュージック
MM-4538 ¥3520(税込)