ルイージ&N響、ヨーロッパ公演出発前の壮行演奏会はやはりマーラーで!

左:ファビオ・ルイージ ©NHKSO/オレシア・ペトロヴァ ©Andrey Revenko/森 麻季 ©Yuji Hori/諏訪内晶子 ©TAKAKI KUMADA

 NHK交響楽団が、2025年5月にアムステルダムのコンセルトヘボウで開催されるマーラー・フェスティバルに招かれ、首席指揮者ファビオ・ルイージとともに交響曲第3番と第4番の演奏を担う。この音楽祭でN響は、クラウス・マケラ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管、イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮シカゴ響、キリル・ペトレンコ及びダニエル・バレンボイム指揮ベルリン・フィルと競演することになる。

 渡欧直前の定期公演A・Bプログラムでも、同フェスティバルを含むヨーロッパツアーで演奏する2曲を取り上げる。ルイージは、これまでにN響と交響曲第8番「一千人の交響曲」で名演を残し、サイトウ・キネン・オーケストラでも第1番、第2番、第5番、第9番などで目覚ましい演奏を繰り広げるなど、マーラーを得意としている。とりわけ、第3番のような巨大な作品(マーラーの交響曲のなかでも最長の時間を要する)は、彼の深いスコアの読みと熱い指揮にぴったりである。アムステルダムでの第3番でも独唱を務めるオレシア・ペトロヴァは、ルイージの信頼厚く、一昨年の「一千人の交響曲」に続いての登場。一方、第4番では優美な天上の音楽が描かれる。サントリーホールでの公演の独唱は、作品にふさわしい澄んだ歌声を持つ森麻季。

 また、ヨーロッパツアー全8公演のうち、プラハ、ドレスデン、インスブルックで演奏するベルクのヴァイオリン協奏曲も、ツアーに帯同する諏訪内晶子の独奏で披露される。
文:山田治生
(ぶらあぼ2025年4月号より)

ファビオ・ルイージ(指揮) NHK交響楽団
第2036回 定期公演 Aプログラム

2025.4/26(土)18:00、4/27(日)14:00 NHKホール
第2037回 定期公演 Bプログラム
2025.5/1(木)、5/2(金)各日19:00 サントリーホール
問:N響ガイド0570-02-9502
https://www.nhkso.or.jp