デヤン・ラジッチはクロアチア出身のコンポーザー=ピアニスト。モーツァルトをはじめとする古典派やショパン、ラヴェルなどの演奏を得意とする。本盤には現在オランダで最も存在感の強い指揮者のひとりであるヤン・ヴィレム・デ・フリーントが牽引するベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団と共に、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番と第9番「ジュノム」、ロンド(K.382)を収録。音色の美しさをはじめ、旋律の魅力的な歌いまわし、さらに即興性を感じさせる演奏によって、モーツァルトの音楽のみずみずしさが際立ったものとなっている。ラジッチ自作による華麗なカデンツァにも注目だ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2025年4月号より)
【information】
CD『モーツァルト ピアノ協奏曲集 Vol.2/デヤン・ラジッチ』
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番、同第9番「ジュノム」、ピアノとオーケストラのためのロンド K.382
デヤン・ラジッチ(ピアノ)
ヤン・ヴィレム・デ・フリーント(指揮)
ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団
Challenge Classics/東京エムプラス
XCC 72946 ¥3300(税込)