New Release Selection

【CD】シュトラウス&フランク/瀬﨑明日香&エマニュエル・シュトロッセ

 「シュトラウスが“歌”ならば、フランクは“詩”…」と、瀬﨑明日香は言う。東京藝大からパリ国立高等音楽院に学び、日本音楽コンクール優勝など、国内外の登竜門で実績を重ねた気鋭のヴァイオリニスト。前作から約10年、満を持しての録音で「自分に最も近い作品」へ対峙した。同時期に書かれながらも、全く雰囲気を異にする2曲だが、濃密…

【CD】ポーランドの歌 ショパン・チェロ作品集 /桑田歩

 NHK交響楽団の首席代行奏者を務めつつ、同楽団のチェリスト4人からなるラ・クァルティーナのメンバーとしても活躍中の桑田歩が、若き閨秀・尾崎未空の好サポートを得て録音したショパン集。リストによるピアノ独奏版でも名高い「悲しい河」など歌曲5曲を自ら編曲して導入部とし、ショパンが残した5つの室内楽曲のうち、チェロとピアノの…

【CD】ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番・第16番/エルデーディ弦楽四重奏団

 ギラギラしすぎず枯れすぎず、ちょうどいい渋み。結成30年を迎えたエルデーディ弦楽四重奏団が取り組むベートーヴェン後期作品集。持ち前の澄んだ響きで、特別な傑作群にも自然体で臨みつつ、深い敬意と理解が伝わるような、円熟のアンサンブルを聴かせる。推進力があり瑞々しさを失わない演奏で、後期作品を聴く際に見逃しがちな古典性にも…

【SACD】ブルックナー:交響曲第9番 /上岡敏之&新日本フィル

 上岡&新日本フィルのCD第6弾にして、コンビ初のブルックナー録音。上岡は、終始内側を見つめ、あらゆるフレーズに光を当てながら、じっくりと歩を進めていく。冒頭から様々な動きが息づいており、第2楽章中間部のフルートのオブリガードの煌めき等が耳を奪う。第3楽章はもはや永遠に終わらない音楽であるかのよう。ゲネラルパウゼも恐ろ…

【CD】Bell Song〜鐘の歌/鈴木玲奈

 日生劇場《後宮からの逃走》(2016年)のブロンデ役で絶賛されて以来、活躍の幅を広げているコロラトゥーラ・ソプラノのデビュー盤。幕開けから難曲〈鐘の歌〉の高音を華やかに鳴り響かせたかと思うと〈ヴィラネル〉ではツバメになって大空を軽やかに駆け巡り、R.シュトラウス〈アモール〉の小悪魔的な愛の神に扮した後、トマの描くオフ…

【CD】中島克磨 WORKS 作曲&編曲集

 中島克麿の作品はロシアをはじめ海外で多く演奏されており、また編曲者としても着実な仕事を残してきた。その軌跡を一望するアルバム。師匠筋をたどるとハチャトゥリアンからリムスキー=コルサコフに至るという経歴通り、「地球」は映像的情景喚起力に富み、管弦楽は力強くダイナミックに鳴る。続く協奏曲、電子オルガン曲はそれぞれに語り口…

【CD】テネブルの歌/昭和サクソフォーン・オーケストラ&神保佳祐

 総勢80名を超える巨大サクソフォーン・アンサンブルによる5枚目のCD。クラシックの有名曲が主体で、CDタイトルの「テネブルの歌」のみオリジナル曲(独奏と12人の奏者のための作品)である。柔らかくも重層的なその響きは他に類のない感触。全体に聴き慣れた作品も新鮮な音楽として楽しめる。特にドビュッシーの「子供の領分」はオリ…

【CD】メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番・第2番 他/ヤン・リシエツキ&オルフェウス室内管

 人気の若手ピアニスト、ヤン・リシエツキが前作のショパンの練習曲に続いてリリースしたのはメンデルスゾーン。どこかショパンをはじめとする同時代の他の作曲家に比べれば軽視されがちな印象があるが、このディスクではメンデルスゾーンの音楽の厳格さ、ヴィルトゥオジティ、メロディの美しさなどあらゆる面が凝縮されており、メンデルスゾー…

【CD】Four Elements Vol.1:Water/小菅優

 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏と録音を終え、「四元素」と題したコンサートシリーズを行っている小菅優が、ついにそのシリーズの第1弾を録音で発表した。今回は「水」をテーマに様々な国の、水に直接、もしくは間接的に関わる楽曲を集めた。思索的で哲学的なアイディアのもとに集められた楽曲たちが、小菅の豊かな表現力によって鮮…

【CD】タイユフェール:2台のピアノのための作品集 /中島彩也香&花岡千春

 じつにユニークなアルバムが生まれた。フランス6人組の紅一点、ジェルメーヌ・タイユフェールによる2台ピアノ作品集である。バレエ音楽「鳥商人」、「ブルレスク組曲」「小さなお船があったとさ」「新しきシテール島」など、標題からも胸踊るような楽しい小品で構成されており、シンプルかつエスプリの効いた世界観が伝えられる。「2台のピ…