総監督の想いを未来につなげて 〜25回目の節目を迎える別府アルゲリッチ音楽祭

マルタ・アルゲリッチ ©池上直哉

 日本から世界に向けて発信される国際音楽祭、別府アルゲリッチ音楽祭(総合プロデューサー:伊藤京子)が第25回を迎える。4月20日から7月13日の会期中に、別府6公演、大分2公演、東京2公演の計10公演が開催される。うち、マルタ・アルゲリッチの出演が予定されている演奏会を中心に紹介しよう。

 5月21日は「祝祭の日」と題し、大分市のiichiko総合文化センターで25回記念特別公演が開催されるが、竹澤恭子、川本嘉子、池松宏、阪田知樹ら豪華共演陣とのシューベルトのピアノ五重奏曲「ます」やサン=サーンス「動物の謝肉祭」が聴けるのが嬉しい。5月23日、別府・ビーコンプラザでの室内楽公演では、川久保賜紀、上野通明とのピアノ三重奏のほか、アルゲリッチはラヴェル「夜のガスパール」の第1曲〈オンディーヌ〉と「水の戯れ」を独奏する(5/28の東京も同内容)。5月14日の東京公演は、広上淳一指揮水戸室内管との共演によるオーケストラ・コンサート。アルゲリッチはバルトークのピアノ協奏曲第3番を披露する。

 さらに、長年の盟友、ミッシャ・マイスキーの追加出演の朗報も入ってきた。二人の顔合わせが楽しみだ。他にも、第12回浜松国際ピアノコンクールの優勝者、鈴木愛美のリサイタル(4/20)、大分県出身若手演奏家コンサート(5/10)、 N響奏者のカルテット(6/22)など魅惑の公演が揃っている。また、関連コンサートとして、歌舞伎の聖地・京都南座で予定されているアルゲリッチの特別演奏会(5/26)も話題を呼びそうだ。
文:萩谷由喜子
(ぶらあぼ2025年4月号より)

第25回記念 別府アルゲリッチ音楽祭
2025.4/20(日)〜7/13(日) しいきアルゲリッチハウス、ビーコンプラザ、iichiko 総合文化センター、東京オペラシティ コンサートホール 他
問:アルゲリッチ芸術振興財団0977-27-2299 
https://argerich-mf.jp