小曽根真のアルバムがポーランド国立ショパン研究所のレーベルから登場! 2006年と07年開催の「ショパンと彼のヨーロッパ」国際音楽祭での協奏曲ライブ録音だ。モーツァルトの第9番「ジュノム」とベートーヴェンの第2番で、古典派音楽の颯爽とした生命力を丁寧に描く。小曽根の即興がカデンツァやそれ以外の箇所でも展開するが、これ見よがしな「ジャズ語法」ではなく、あくまで作品世界へのリスペクトに溢れた都会的センスで聴かせる。後者の終楽章の即興は宇宙的な爆発力で、まさにベートーヴェンのスピリットを伝える小曽根の至芸に舌を巻く。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2025年3月号より)
【information】
CD『モーツァルト&ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集 ウィズ・ジャズ・インプロヴァイジング/小曽根真』
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 他
小曽根真(ピアノ)
アレクサンドル・ラビノヴィチ=バラコフスキー 尾高忠明(以上指揮)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
収録:2006年8月&2007年8月、ワルシャワ(ライブ)
NIFC/東京エムプラス
XNIFCCD 159 ¥3300(税込)