若き精鋭たちが研鑽の集大成となるコンチェルトを披露
将来を嘱望される若手演奏家たちが、文化庁の新進芸術家海外研修制度を通じた研鑽の成果を披露する「明日を担う音楽家たち」。今回は、三井静(チェロ)、袴田美帆(サクソフォン)、長哲也(ファゴット)、大崎由貴(ピアノ)という4人の俊英たちが、角田鋼亮指揮の新日本フィルハーモニー交響楽団と共演し、瑞々しい調べを響かせる。
ハイドンの協奏曲第2番で幕開けを飾る三井は、ザルツブルク・モーツァルテウム大学やウィーン市立音楽芸術大学で学び、エンリコ・マイナルディコンクールでの優勝をはじめ、国内外の登竜門で入賞。現在は、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者として活躍している。
トマジの協奏曲を吹く袴田は、神戸大学国際文化学部に在学中、パリ第7大学へ留学し、パリ地方音楽院からパリ国立高等音楽院でサクソフォンも学んだ特異な経歴。ナント国際コンクールを制し、ソリストとして活躍する一方、アートマネジメントの知識を活かし、音楽と社会を繋げる活動にも力を注ぐ。
一方、東京藝術大学卒業と同時に、東京都交響楽団の首席ファゴット奏者に就任し、リヨン国立高等音楽院の大学院でも腕を磨き、ソリストとしても活躍中の長。今回は、ファゴットと弦楽合奏のために書かれたヴィラ=ロボス「7つの音のシランダ」を披露する。
そして、東京藝術大学を卒業後、ザルツブルク・モーツァルテウム大学修士課程を修了した大崎。国内外の登竜門での実績や、ソリストとして主要楽団との共演を重ねている彼女が、ラフマニノフの協奏曲第2番で掉尾を飾る。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2023年2月号より)
2023.2/8(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:日本オーケストラ連盟03-5610-7275
https://www.orchestra.or.jp