アルカスSASEBO Mプロジェクト 2018

佐世保で感じるフランスからの風

 年間を通じて1人の作曲家に着目し、様々なステージで同じ作曲家の作品を取り上げる中から、その音楽や人間像を掘り下げるアルカスSASEBOのオリジナル企画「Mプロジェクト」。3年目の2018年度は、没後100年となるドビュッシーを主テーマに。さらに、日仏友好160周年でもあることから、“フランスの音楽”にも拡大させてゆく。主な公演をご紹介しよう。
 シリーズの幕開けは、卓越したドビュッシー弾きとして知られ、さらに文筆の世界でも活躍する、ピアノの青柳いづみこを迎えて。「亜麻色の髪の乙女」など「前奏曲集第1巻」を軸にトークを交え、想像の旅へと聴衆を誘う。
 そして、今年はシャンソンの歌姫、エディット・ピアフの没後55年でもある。その伝記映画でピアフ本人の歌声も担当した名歌手、ジル・エグロが来日。「バラ色の人生」「愛の賛歌」など、歌姫の代表的なナンバーを歌う。
 さらに、川崎洋介(ヴァイオリン)ら国内外の一線楽団で活躍の首席級で組織された、座付きの弦楽四重奏団「アルカス・クァルテット」の第8回定期でも、フランスの佳品を。神尾真由子がソリストで出演する、ジョセフ・バスティアン指揮読売日本交響楽団の公演では、交響詩「海」などを堪能。また、現代フランスを代表するピアノの名匠、パスカル・ロジェも登場。地元・佐世保の陶磁器「三川内焼」とのコラボレーション「ドビュッシーと光」も興味深い。
 来年3月の“トリ”を飾るのは、豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)を音楽監督に名手を集め、ホールが独自に結成した室内楽団「チェンバー・ソロイスツ・佐世保」。ハープと弦楽合奏のための「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」ほか、ドビュッシーの清澄なサウンドを届けてくれる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年4月号より)

没後100年 ドビュッシーの想像の旅 2018.4/21(土) ジル・エグロ 2018.5/26(土) アルカス・クァルテット 2018.7/21(土)
読売日本交響楽団 2018.9/7(金) パスカル・ロジェ 2018.11/25(日) チェンバー・ソロイスツ・佐世保 2019.3/24(日) 
会場:アルカスSASEBO
問:アルカスSASEBO 0956-42-1111 
※Mプロジェクト 2018の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。 
http://www.arkas.or.jp/