歌劇《ロメオとジュリエット》 グノー作曲 全5幕 ハイライト版
垣岡敦子 AMORE ~愛の歌 VOL.9

自らが手がける演出で贈る、耽美なる愛の物語

垣岡敦子 ©STUDIO KUMU

 イタリアのミラノ音楽院で研鑽を積み、同地のほかスペインやウィーンでオペラやコンサートに出演してきたソプラノの垣岡敦子。2009年に完全帰国したのちは、各地で活発な活動を続けている。2012年からスタートした「AMORE 〜愛の歌」と題するリサイタル・シリーズでは、第6回《マノン》、第7回《トスカ》、第8回《蝶々夫人》とオペラのハイライト上演を手がけて好評を博してきた。

 第9回となる今回取り上げるのはグノーの《ロメオとジュリエット》。毎回相手役を務めてきた宮里直樹が今回もロメオを演じるほか、ローレンス神父に実力派バスの斉木健詞を起用。ピアノは、音楽監督としてこのシリーズを支えている村上尊志。《ロメオとジュリエット》はフランス・オペラの代表作だが、なかなか全曲の舞台上演を聴く機会がないので、今回のように優れた歌手によってハイライトで上演されるのは、オペラファンにとっては嬉しいことこの上ない。脚色と演出も自ら手がける垣岡が生み出すロマンティックなオペラの世界を存分に堪能したい。
文:室田尚子
(ぶらあぼ2024年5月号より)

2024.5/19(日)15:00 王子ホール
問:新演コンサート03-6384-2498
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