第546回日経ミューズサロン タマーシュ・ヴァルガ チェロ・リサイタル

信頼のデュオで聴くブラームスのソナタと珠玉の小品集

左:タマーシュ・ヴァルガ ©Wilfried Hedenborg
右:浅野真弓

 ウィーン・フィルとベルリン・フィルを筆頭に、ドイツ=オーストリア圏の一流オーケストラは度重なるツアーを通じ、日本に数多くの「友人」を持つ。それは個々の楽員と一般ファンの交流だけでなく、日本人音楽家との親密な共演にも及ぶ。ウィーン・フィルの首席チェロ奏者、1969年ブダペスト生まれのタマーシュ・ヴァルガも日本のレコード会社カメラータ・トウキョウで多くのアルバムを制作、プロとアマチュアの別なく日本のオーケストラで協奏曲のソリストを務め、ピアニストの浅野真弓をはじめとする日本人ソリストとの室内楽にも熱心に取り組んできた。

 5月22日、日経ホールのヴァルガ&浅野デュオは演奏時間およそ30分に及ぶブラームスのチェロ・ソナタ第1番にシューマン、フォーレ、ドビュッシーらの小品を組み合わせた魅力的なメニュー。とりわけオッフェンバックとポッパー、自らがチェロの名手だった作曲家2人の作品は興味深い。
文:池田卓夫
(ぶらあぼ2024年5月号より)

2024.5/22(水)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227 
https://stage.exhn.jp