尾高忠明(指揮) 東京都交響楽団

十八番のウォルトン、都響で満を持して披露!

左:尾高忠明 ©Martin Richardson
右:マリアム・バタシヴィリ ©Josef Fischnaller

 東京都交響楽団の第998回定期演奏会Cシリーズでは、尾高忠明が登場して得意のレパートリーを披露する。プログラムは武満徹の「3つの映画音楽」より映画『ホゼー・トレス』の「訓練と休息の音楽」と映画『他人の顔』の「ワルツ」、バルトークのピアノ協奏曲第3番(マリアム・バタシヴィリ独奏)、ウォルトンの交響曲第1番。

 武満作品はともに勅使河原宏監督の映画のために書かれた音楽で、武満がスイスで開かれた第1回グシュタード・シネミュージック・フェスティバルのテーマ作曲家となった際に、弦楽オーケストラ用の「3つの映画音楽」としてまとめられた。生前の作曲者と親交が深かった尾高の指揮で聴ける好機だ。

 バルトークのピアノ協奏曲第3番では、ジョージア出身のピアニスト、マリアム・バタシヴィリの独奏に期待が高まる。2014年、ユトレヒトのフランツ・リスト国際コンクールで優勝を果たし、2017/18シーズンにBBC New Generation Artistsに選出されるなど、ヨーロッパでライジングスターとして注目を浴びる気鋭だ。19年に初来日して上岡敏之指揮・新日本フィルと共演している。

 ウォルトンの交響曲第1番は尾高が最愛の曲のひとつとして、これまでに数多くオーケストラで指揮してきた作品。高揚感にあふれた輝かしい傑作だ。近年、都響とはエルガーの交響曲第1番や同第2番で共演を重ねてきたマエストロが、イギリスの交響曲に新たな名演の歴史を刻む。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2024年5月号より)

【出演者変更】
当公演に出演を予定していたマリアム・バタシヴィリ(ピアノ)は、急な体調不良により出演ができなくなりました。
そのため、出演者及び曲目が下記のとおり変更となります。

アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466

詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。(5/10主催者発表)

【定期演奏会1000回記念シリーズ(3)】
第998回 定期演奏会Cシリーズ

2024.5/11(土) 14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:都響ガイド0570-056-057
https://www.tmso.or.jp