池村京子/佐野隆哉/島田彩乃/橘高昌男/宮崎明香 パリ5人組〜パリ祭に贈る5人組の競演〜

パリ祭はピアノ三昧!


 池村京子、佐野隆哉、島田彩乃、橘高昌男、宮崎明香。パリ留学をともに過ごした若さあふれるピアニスト仲間が、昨年に続いて7月14日の「パリ祭」(フランス革命記念日)にコンサートを開く。
宮崎 「全員が一緒にパリにいたのは2005〜06年です」
佐野 「でも、パリでこの5人だけで集まったことはなかった」
池村 「帰国後に私の家に5人が集まり、飲み会をやったときに、その場で全員で企画書を書きました」
 コンサートの目玉の一つが、5人全員で弾く2台10手のラヴェル『ボレロ』(加藤真一郎編曲)。これは視覚的にもインパクトがある演奏になること必至。
宮崎 「新鮮な『ボレロ』になるのではないかと。大胆な編曲で、とお願いしているので」
佐野 「2人と3人に分かれるので、6手連弾とか、今後の色々な編成のバリエーションにもつながるかなという狙いもあります。第10回記念は大ホールで5台ピアノが野望です!」
 以下は5人それぞれの演奏曲とコメント。
佐野 ストラヴィンスキー(アゴスティ編):「火の鳥」
「ストラヴィンスキー初挑戦。メロディックな要素も多くて聴きやすいし、ピアノで聴く機会も少ない作品ですので、ぜひ楽しんでください」
宮崎 メシアン:「鳥のカタログ」より、「4つのリズム・エチュード」より〈火の島〉
「〈火の島〉はパプア・ニューギニアに捧げられた、原色カラーの、強烈なリズムの、理屈抜きに楽しめる作品です。これを聴いて、いい夏を迎えてください」
島田 ドビュッシー:「前奏曲集」より〈花火〉他
「パリ祭ということもあり、全員の選曲が、とにかく楽しんでいただけるように意図しています。ドビュッシーの〈花火〉は、まさにパリ祭の花火からインスピレーションを得た作品です」
池村 ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
「ショパンもサロンのための音楽ですし、5人が交代で弾くフォーレの連弾曲『ドリー』も、身近な人たちのために弾いた、一体感を感じられる音楽です。ホールの規模にも合っていると思うので、ぜひお客さまにも一体になって聴いていただきたいですね」
橘高 ファリャ:ファンタジア・ベティカ
「ファリャは、去年弾いたフォーレとはまったく気質の違う、リズムとパッションの音楽ですので、演奏でも、去年とはまったく違う部分の自分を見せたいなと思っています」
 今後は東京だけでなく、地方での公演も考えているという。今回の取材では、話はパリでの食生活などにも及び、みんなうらやましいぐらいに楽しそう。その華やぎを、コンサートでぜひ!
取材・文:宮本 明
(ぶらあぼ2014年5月号から)

★7月14日(月)・ヤマハホール
問:1002(イチマルマルニ)03-3264-0244 
http://www.1002.co.jp