親密な空間で詩と音楽を味わう
特に声楽との共演で、卓越した表現力を発揮してきたピアニストの朴令鈴(ぱく・りんりん)が企画・構成する、ドイツ歌曲を核に据えたサロン・コンサート『おと と おと と』。今回は、オペラの檜舞台で大役の経験を重ねている二期会の俊英バリトン、大沼徹を迎えてのシューベルトの歌曲集「美しき水車小屋の娘」をおくる。大沼とは昨年10月に「冬の旅」で共演して好評を得ており、今回は『シューベルト歌曲集シリーズ』の第2回。その舞台に選んだのは、まるで異空間のように住宅街に佇む100席の小ホールsonorium。「シューベルティアーデさながら、間近で詩と音楽を楽しんでもらえる響きの美しい空間を探していました。内装の柔らかな質感と、天窓から差し込む神様の微笑みのような光が決め手となりました」と朴。「親しみやすく優しいメロディが、ともすれば“中二病”的な青年のナイーブな心を美しく高め、表現します。大沼さんの存在感ある豊かな美声とナチュラルなドイツ語歌唱が、一層の共感を呼ぶでしょう」と語る。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年7月号から)
sonorium おと と おと と Vol.5
シューベルト歌曲集シリーズ
7/13(日)14:00 sonorium
問:音音(おとね)工房 090-6171-3808