
東京都交響楽団は、今年度から指揮者の顔ぶれが変わり、新たなエポックを迎えた。その一人が、首席客演指揮者に就任した1983年生まれのイタリア人、ダニエーレ・ルスティオーニである。ニューヨークの名門、メトロポリタン歌劇場の首席客演指揮者も務めて大人気のこのルスティオーニが、11月に都響を指揮する。
まずは22日、サントリーホールでのプロムナードコンサートは、ロシアとチェコの作曲家によるスラヴ音楽プログラム。イタリアにはリッカルド・ムーティなど、哀愁と情熱をあわせもつ東欧音楽に共感を寄せる指揮者が伝統的に少なくない。ルスティオーニもその系譜に連なる一人である。チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」とドヴォルザークの交響曲第7番では、歌心に満ちたメロディを聞かせてくれることだろう。また、ストラヴィンスキーが新古典主義時代の1931年に完成させた唯一のヴァイオリン協奏曲では、モルドヴァ出身の名ヴァイオリニスト、アレクサンドラ・コヌノヴァとの共演が楽しみだ。
続いて、27日・東京芸術劇場と29日・すみだトリフォニーホールでの首席客演指揮者就任記念演奏会では、マーラーの交響曲第2番「復活」を演奏する。桂冠指揮者エリアフ・インバルなどのもと、マーラー演奏の輝かしい伝統を築いてきた都響から、新鮮で熱い響きを充実の声楽陣(ソプラノ:冨平安希子、メゾソプラノ:藤村実穂子)とともに引き出してくれることを、大いに期待したい。
文:山崎浩太郎
(ぶらあぼ2026年11月号より)
ダニエーレ・ルスティオーニ(指揮) 東京都交響楽団
プロムナードコンサートNo.420
2026.11/22(日)14:00 サントリーホール
首席客演指揮者就任記念 第1058回 定期演奏会 Cシリーズ(平日昼)
11/27(金)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
都響スペシャル
11/29(日)14:00 すみだトリフォニーホール
問 都響ガイド0570-056-057
https://www.tmso.or.jp
※公演によりプログラムは異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。

山崎浩太郎 Kotaro Yamazaki
1963年東京生まれ。演奏家の活動と録音をその生涯や同時代の社会状況において捉えなおし、歴史物語として説く「演奏史譚」を専門とする。著書は『演奏史譚1954/55』『クラシック・ヒストリカル108』(以上アルファベータ)、片山杜秀さんとの『平成音楽史』(アルテスパブリッシング)ほか。
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