横浜みなとみらいホール第2代プロデューサーの反田恭平がオルガン演奏に挑戦する「反田恭平のオルガン道場」。ホールオルガニストの近藤岳による3回目のレッスンが1月7日、同ホールで行われた。自身がプロデュースする「横浜みなとみらいホール25周年音楽祭」の公演(3/24)で演奏を披露することもすでに発表されている。
今回は、過去2回のレッスンでも取り組んだバッハ「トッカータとフーガ 二短調 BWV565」を題材に前回までの振り返りからスタート。本番さながらの集中力で勢いよく冒頭を弾き始めたが、約2ヵ月ぶりとなるオルガン演奏のため、両手両足を使う難所では苦労している様子も。そんな反田に近藤は「全体重を乗せて足鍵盤を押さえても強い音は出ない。力強く弾くイメージは持ちつつ、重心の位置がぶれないように意識して」といった身体の使い方や、足鍵盤のみで演奏する箇所では「迷いなく弾いて」と音楽的なアドバイスも行い、これまでのレッスンと同じく足鍵盤を中心に丁寧に指導した。
今回は個人練習の時間も取られ、約7分間、練習に没頭する場面もあった。その迫力には近藤も「集中力が素晴らしい」と絶賛。反田自身も「足鍵盤の操作の前に、音楽の雰囲気を作りつつ頭に余裕を持たせ、目でも確認しながら演奏できれば」と、テクニック的な部分も整理されてきている印象だった。
レッスン後、ふたりに話をきいた。
INTERVIEW
反田恭平 × 近藤岳
――3回目のレッスンが終わりました。
反田 やっぱり難しいですよ。頭の使い方がピアノと全然違うので、常に現代曲を弾いている感じです。
近藤 反応が素晴らしいです。音楽の本質を掴むのに非常に長けていらっしゃるから、テクニック的なことをアドバイスしたら、すぐ実践していただける。あとはペダルですね。
反田 どうしても手と足がバラバラになってしまう。あと1000時間ぐらい欲しいです(笑)。
――これまでのレッスンと比べて今回はどんな内容でしたか?
反田 まずはおさらいですね。身体の使い方とか、管楽器奏者がタンギングするようなイメージの発音などを復習しました。今回も先生の指導が素晴らしかったです。
近藤 ピアノ、オルガンそれぞれのテクニックがありますが、反田さんとはそれを超えたところで音楽のやり取りをさせてもらえた実感がありました。これからもずっとオルガンを弾いてもらいたいです(笑)。足で奏でる感覚はピアニストにはないと思うので、それをたっぷり味わっていただけるといいですね。
――レッスンの成果を披露する公演の内容が発表されました。
近藤 「道場」の成果を聴いていただきます。横浜みなとみらいホールが行う「10代のためのパイプオルガン・レッスン」を受講する子どもたちにも出演していただいて、僕も演奏します。
反田 近藤先生がいかにすごいかを分かってもらいたいです。僕自身、足鍵盤の操作がこんなに難しいとは思いませんでした(笑)。これから指揮者としても活動していく上で、今回の経験は絶対に役に立つと思います。
――「オルガン道場」のほかにも反田さんがプロデュースする「横浜みなとみらいホール25周年音楽祭」の公演が少しずつ発表されています。
反田 音楽祭で初演する池辺晋一郎さんの新曲が届いたのですが、斬新で素晴らしい作品です。務川慧悟さん、エリック・ルーさんをソリストに迎えるピアノ協奏曲のコンサートもあります。今日のレッスン前には「中学生プロデューサー企画のコンサート」にむけて、20人くらいの中学生と打合せを行いました。バラエティに富んだ充実したコンサートを25公演ほど開催する予定です。ぜひ楽しみにしていてください。
取材協力:横浜みなとみらいホール
取材・文・写真:編集部
横浜みなとみらいホール25周年音楽祭
2024.3/19(火)~3/24(日)
反田恭平のオルガン道場
3/24(日)17:30 横浜みなとみらいホール 2/18(日)発売
出演/
反田恭平
近藤岳
「10代のためのパイプオルガン・レッスン」修了生
問:横浜みなとみらいホール
https://yokohama-minatomiraihall.jp