
3月25日、フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2025のラインナップ記者発表会がミューザ川崎シンフォニーホールで行われ、福田紀彦川崎市長、松居直美(オルガニスト、同ホールアドバイザー)、小川典子(ピアニスト、同ホールアドバイザー)、宮本貴奈(ピアニスト/ヴォーカリスト/作・編曲家、同ホールアドバイザー)、廣岡克隆(東京交響楽団 専務理事 楽団長)、望月正樹(日本オーケストラ連盟 専務理事)が出席。全18公演のラインナップが発表された。
日本トップレベルのオーケストラが集う祭典として2005年にスタートしたフェスタサマーミューザ KAWASAKI。21回目となる今年は7月26日から8月11日までの17日間、「夏にゃ祭りを。祭りにゃミューザを。」を合言葉に、川崎市フランチャイズオーケストラの東京交響楽団をはじめとする首都圏の10団体に初登場の九州交響楽団が加わり、合計11団体が日替わりで競演をくり広げる。
シェフから新世代の若手までが集結!
今年の公演ラインナップには、各楽団のシェフ級の巨匠たちが顔を揃える。
オープニングを飾るのはジョナサン・ノット&東響(7/26)。ワーグナー《ローエングリン》第1幕への前奏曲、マゼール編曲の「言葉のない《指環》」(《ニーベルングの指環》管弦楽曲集)などが並ぶプログラムには、音楽監督としての最後の1年となる25/26シーズンでノットがテーマに掲げる“Song(歌)”を反映しているという。
今年創立50周年を迎えた東京シティ・フィルは、常任指揮者・高関健のタクトでベートーヴェン「皇帝」(ピアノ独奏:小山実稚恵)、マーラー「巨人」の王道プログラムを披露(7/27)。神奈川フィルは音楽監督・沼尻竜典とともに20世紀を代表する傑作、メシアン「トゥランガリーラ交響曲」に挑む(ピアノ:北村朋幹、オンド・マルトノ:原田節、8/8)。新日本フィルは前音楽監督・上岡敏之とのタッグでブルックナー第7番の一本勝負(8/2)。日本フィルは下野竜也の指揮でドヴォルザーク第8番、サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番(独奏:宮田大)に取り組む(8/9)。

一方、国内外で活躍する若きマエストロも充実の顔ぶれ。
2021年のハチャトゥリアン国際コンクール指揮部門優勝以降、快進撃を続ける出口大地は客演を重ねる東京フィルと登場(8/6)。ハノーファー州立歌劇場で第2カペルマイスターを務める熊倉優は都響とともにロシア音楽を特集(7/30)。この4月に大阪フィルの指揮者に就任するなど躍進が光る松本宗利音(しゅうりひと)はN響を指揮(8/4)。ドルトムント歌劇場で第1指揮者と音楽総監督代理を兼ねる小林資典(もとのり)は読響とともにR.シュトラウス《ばらの騎士》組曲などで本場たたき上げの実力をみせる(7/31)。
日本人作品の紹介に力を注ぐ原田慶太楼は、今年もフィナーレコンサートで東響を振る(8/11)。生誕100年の芥川也寸志による映画音楽「八甲田山」、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番(独奏:服部百音)、ニールセンの交響曲第4番「不滅(滅ぼし得ざるもの)」という20世紀の傑作を特集する。

九州交響楽団が若き首席指揮者・太田弦の指揮で初登場!
2023年に創立70周年を迎えた九州交響楽団は、首席指揮者・太田弦がタクトをとる(8/7)。福岡を代表する祭り「博多どんたく」と「博多祇園山笠」からインスピレーションを受けて小出稚子が作曲した「博多ラプソディ」などの他、没後50年のショスタコーヴィチの交響曲第5番では九響持ち前のエネルギッシュなサウンドが期待される。

右:九州交響楽団
昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワでの「出張サマーミューザ@しんゆり!」は、東響&桂冠指揮者ユベール・スダーン(8/3)に加え、東京ニューシティ管弦楽団からの名称変更後初の登場となるパシフィックフィルハーモニア東京&音楽監督・飯森範親(8/9)の2公演。
恒例の「サマーナイト・ジャズ」(8/10)、歌とオルガンで楽しむ「真夏のバッハ」(8/3)、小川典子がライフワークとする子どもたちのためのコンサート「イッツ・ア・ピアノワールド」(8/3)も開催。
また、今年はキービジュアルが一新。写楽風の指揮者など錦絵をモチーフにした奏者たちがお祭り感を演出するユニークなデザインが印象的だ。真摯にかつ自由な心で音楽する喜びと、コンサートという非日常の「ハレ感」が表現されているという。
写真・文:編集部
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2025
※2025.4/24(木)発売
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/