世界中で愛される弦楽器の最高峰が6年ぶりに集結
ストラディヴァリウスの華麗な響きに包まれるコンサートが戻ってくる。
日本音楽財団よりストラディヴァリウスを貸与されている世界的な演奏家が出演する「ストラディヴァリウス・コンサート」。1998年から開始され、サントリーホールでは10挺以上が一堂に会する演奏会を2008年、12年、16年に開催してきた。今年は同ホールのブルーローズで開催されることになり、世界に6組のみ存在するストラディヴァリウスの弦楽四重奏セットの一つ、「パガニーニ・クァルテット」が登場する。これまで日本ではわずかな演奏機会しかなかった同セット、その稀少にして歴史的な価値の高い音色を日本で聴ける、またとない機会となる。
その貴重なセットを携えて登場するのは、2010年結成、初来日となるゴルトムント・クァルテット。18年にはウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクール第2位&メルボルン国際室内楽コンクール優勝という快挙を成し遂げ、ヨーロッパで注目を集めている気鋭の団体である。10月のブルーローズ公演で披露される演目は、7日はハイドン「ひばり」、ショスタコーヴィチ第8番、シューベルト「死と乙女」という人気の名曲集。8日はヴェーベルン「緩徐楽章」、メンデルスゾーン第4番、プッチーニ「菊」、ベートーヴェン第6番と、クァルテットの世界に深入りできる名品が並ぶ。安定した響きで弦楽四重奏の伝統を引き継ぐゴルトムント・クァルテットによる演奏で、楽曲の魅力と、ストラディヴァリウスの最高の音色を堪能する、贅沢な2日間となる。
文:林昌英
(ぶらあぼ2022年10月号より)
2022.10/7(金)19:00、10/8(土)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
問:サントリーホールチケットセンター0570-55-0017
https://suntory.jp/HALL/
他公演
10/10(月・祝) 鳥取/倉吉未来中心(0858-23-5391)
10/12(水) 大阪/住友生命いずみホール(06-6944-1188)