岡山フィルハーモニック管弦楽団
秋山和慶の遺志を胸に、尾高忠明と挑む東京公演

岡山フィルハーモニック管弦楽団

 岡山フィルハーモニック管弦楽団が新緑の5月、東京特別公演をサントリーホールで開催する。

 岡山フィルは1992年に創設された、岡山県初のプロ楽団。岡山シンフォニーホールを拠点に、定期公演から地域振興まで多彩な活動を重ねてきた。東京公演は創立30周年での実施を計画していたが、コロナ禍で延期になったとのこと。今年ついに実現に至り、初のサントリーホールでその高い実力を東京で披露することになる。

尾高忠明 ©Martin Richardson

 2013年にハンスイェルク・シェレンベルガーが初の首席指揮者となり、22年からは秋山和慶がミュージックアドバイザーを務めた。秋山が日本各地のオーケストラのポストを務め、水準を高めてきたことはよく知られるが、残念ながら昨年1月に急逝。岡山フィルは秋山が最後に心血を注いだ楽団の一つとなった。そのコンビでの成果を聴かせることは叶わなくなったが、代わりに東京公演の大役を引き受けたのが尾高忠明である。

 尾高と岡山フィルの初共演は2007年、「フレッシュな印象があった」と振り返る。今度の共演について「秋山先生が素晴らしいレベルに引き上げた功績は語り継がれるでしょう。その岡山フィルの東京公演をご一緒できるのを心待ちにしています」と語る。その意気込みを示すべく選ばれた曲は、尾高が得意とするラフマニノフ。しかもピアノ協奏曲と交響曲の両第2番という、旋律美とロマンあふれる名曲プロ。さらに協奏曲のピアニストは岡山出身の中桐望。理想的な出演者と演目で、岡山フィルの現在が示される。

文:林 昌英

(ぶらあぼ2026年3月号より)

岡山フィルハーモニック管弦楽団 東京特別公演
2026.5/9(土)14:00 サントリーホール
問:岡山フィルハーモニック管弦楽団事務局086-234-7177
https://www.okayama-symphonyhall.or.jp/okaphil/


林 昌英 Masahide Hayashi

出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。