日英を拠点に活躍するピアニスト・佐野優子がデビュー20周年リサイタルをサントリーホールで開催!

©Benjamin Ealovega

 ピアニストの佐野優子は、15歳で東京フィルハーモニー交響楽団と共演しデビュー。東京藝術大学を経てロンドンの英国王立音楽院修士課程へ留学し、首席で卒業。その後はイギリスと日本を拠点に演奏活動を展開するなど国際派のアーティストとして活躍中だ。2018年からはスタインウェイ・アーティストを務めるなど幅広く活躍する彼女が、デビュー20周年を迎え記念リサイタルを開催する。

 「コンクールでの優勝をきっかけに機会をいただき、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番ではじめてプロのオーケストラと共演しました。当時15歳でとにかく必死だったのですが、指揮者や団員のみなさまに助けていただき、とてもいい演奏会になりましたね。そこから演奏活動を本格的にスタートし、あっという間に20年が経ってしまいました」

 今回のプログラムは佐野のこれまでの活動のなかで重要な楽曲が並んでいる。

 「一曲目のシューマン=リストの『献呈』はデビューCDに入れた曲であり、またコロナ禍にロンドンの自宅からライブ配信のコンサートをしていたのですが、そのときのオープニング曲として流していたものです。歌曲は大好きで、とくにイギリスに行ってからは歌手の方と色々な曲をご一緒してきました。ショパンの『英雄』ポロネーズもコロナ禍のタイミングに人前で弾き始めたもので、あの先の見えない時期を共に乗り越えた大切な一曲です」

 モーツァルトのピアノソナタ第10番は小さい頃からの思い出の曲だという。

 「ホロヴィッツが弾いているこの曲の動画を今でも鮮やかに思い出せるくらい、繰り返し見ていました。8歳の時にオーストリアの講習会で演奏した思い出の曲でもあります」

 プログラムの最後を飾るのはバッハ=ブゾーニの「シャコンヌ」だ。

 「イギリスの音大の卒業試験をはじめ、様々な場で演奏し、先生方からたくさんご指導をいただいた曲であり、留学の集大成のような作品です。今回のリサイタルをこれで締めくくりたいという強い想いがありました」

 活発な演奏活動を通して、日英間の音楽交流を深めていきたいと語る佐野。今回取り入れられた世界初演曲はまさにそれが形になったものと言える。

 「オックスフォード大学で作曲賞が開催されることになり、芸術監督として携わっています。先日審査が終わりましたが、この演奏会が世界初演だと知らされていたこともあってか、多くの作品から日本への強いリスペクトを感じることができ、とても幸せな時間でした。今回はそのなかから満場一致で決まった最優秀作品を演奏させていただきます」

 20年という節目を迎え、さらに活躍の広がりを予感させる佐野の音楽活動から目が離せない。

取材・文:長井進之介

(ぶらあぼ2026年3月号より)

佐野優子 ピアノリサイタル 〜15歳のデビューから20周年を記念して〜
2026.4/2(木)19:00 サントリーホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677 
https://www.proarte.jp


長井進之介 Shinnosuke Nagai

国立音楽大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学に交換留学。アンサンブルを中心にコンサートやレコーディングを行っており、2007年度〈柴田南雄音楽評論賞〉奨励賞受賞(史上最年少)を機に音楽ライターとして活動を開始。現在、群馬大学共同教育学部音楽教育講座非常勤講師、国立音楽大学大学院伴奏助手、インターネットラジオ「OTTAVA」プレゼンターも務める。
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