アレクサンダー・ガヴリリュク ロシア3大ピアノ協奏曲

圧倒的な技量をもって傑作コンチェルト3曲を一挙演奏!

C)Mika Bovan

 3大ソナタ、3大ヴァイオリン協奏曲、3B(ご存知、バッハ・ベートーヴェン・ブラームス)などなど、揺るぎなきベスト3を挙げられることは多々あるが、「ロシア3大ピアノ協奏曲」という、ありそうでなかった切り口のコンサートが開かれる。ロシア・ピアニズムという言葉が生まれるほど、豊潤なピアノ音楽文化を生んだロシアをテーマとしているだけに、非常に納得のいく、そして興味をそそられるプログラムだ。
 登場する作曲家と協奏曲は、チャイコフスキー(第1番)、プロコフィエフ(第3番)、ラフマニノフ(第2番)。朗々と続くメロディー、分厚いハーモニー、超絶技巧のオンパレード! まさに「ロシア3大」としては申し分なく、ピアノ協奏曲史上としても決定版揃いだ。通常のコンサートで1曲聴くだけでも満足度の高い作品ばかりだが、これらをたった一夜ですべて弾いてしまうピアニストは、アレクサンダー・ガヴリリュク。大胆かつ繊細な音楽表現で、どんなパッセージも生き生きと紡ぎ出す彼は、すでに世界各国でのステージを熱くしている。今年34歳。音楽的には深みを増しつつ、気力・体力ともにみなぎるガヴリリュクだからこそ実現できる、夢のような企画とも言えるだろう。共演する指揮者は、2017年のショルティ国際指揮者コンクールで優勝を勝ち取ったばかりのヴァレンティン・ウリューピン。東京交響楽団と繰り広げる、エネルギッシュな演奏にも期待がかかる。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2018年8月号より)

2018.9/12(水)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 
http://www.japanarts.co.jp/