下野竜也(指揮) いずみシンフォニエッタ大阪

“凄腕”奏者たちが挑むオリジナリティ溢れる協奏的作品

 いずみシンフォニエッタ大阪の演奏会は毎回楽しみにしている。年2回の公演で、新作と現代音楽の話題作が生きのいい優れた演奏で披露されるからだ。今回のテーマは「超絶のコンチェルト─めくるめく競演─」。いずみシンフォニエッタは猛烈な技巧もモノともしない中堅若手のソリスト集団だが、その管楽器の独奏者が協奏曲で妙技を聴かせてくれる。
 まずユン・イサンの「クラリネット協奏曲」を上田希の独奏で。上田のしなやかな感性が、激しく重いこの曲からいかなる精神世界を描いてみせるか。次は松本直祐樹の新作「トロンボーン協奏曲」。自身でトロンボーンも吹く俊英作曲家は、現代作品の初演を多く手がけてきた名手、呉信一の果敢なアプローチを得て、間違いなく新たな世界を切り開いてくれるに違いない。そして映画音楽で有名なジョン・ウィリアムズの「オーボエ協奏曲」は、甘美で抒情的な旋律を吹かせたら右に出る者のない古部賢一が楽しませてくれるだろう。
 今回の指揮者は、今年の4月に広島交響楽団音楽総監督に就任した下野竜也。もともと現代音楽のスペシャリストで、いずみシンフォニエッタとも相性がいい。最後は下野の提案の“怪作”ハインツ=カール・グルーバー「フランケンシュタイン!!」。下野が読響と上演した際の独唱者で作曲者から指導も受けたバリトン宮本益光が、オモチャの楽器も使いながら、ユーモアとギャグ満載の抱腹絶倒のステージで大いに笑わせてくれるだろう。
文:横原千史
(ぶらあぼ2017年7月号より)

第39回定期演奏会
2017.7/15(土)16:00 いずみホール
問 いずみホールチケットセンター06-6944-1188 
http://www.izumihall.jp/