リッカルド・シャイー(指揮)、記者懇談会レポート

 リッカルド・シャイー率いるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(以下、ゲヴァントハウス管)が14日に中国・上海から始まったアジアツアーの一環として、17日から日本公演を行う。それに先立ち17日、都内で記者懇談会を行った。

【出席者】
・リッカルド・シャイー (ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 第19代カペルマイスター)
・アンドレアス・シュルツ (ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 総支配人)
・梶本眞秀 (KAJIMOTO 代表取締役社長)

 前回、2011年3月の来日時に行われた記者懇談会の席上、シャイーは「次回、2週間におよぶ滞在がいま検討されていますが、ツアーをどういった充実した特別なものにするか、単なる客演ではなく、ゲヴァントハウス管の全容をみていただけるにはどうすればよいか、考えています」(〜2011年3月3日(木)ホテル西洋銀座にて行われた記者懇談会にて)と語っていた。

 こうした考えを背景に、今回の日本公演では、シャイーの指揮者人生でも特別な意味をもち、また、ゲヴァントハウス管の伝統に息づく作曲家マーラーの大作、交響曲第7番をとりあげるほか、こちらも同管に深く関わりをもつメンデルスゾーン、ショスタコーヴィチ、そしてベートーヴェンを取り上げる。

 シャイーは「ゲヴァントハウス管の歴史を聴いてほしいと思っています。そして、五嶋みどり、ネルソン・フレイレという世界的なアーティストと共演できるのも楽しみにしています」と口火を切り、続けて、今回演奏する作曲家について、次のように語った。
 
 「メンデルスゾーンはゲヴァントハウス管のカペルマイスター(楽長)でしたから、このオーケストラを念頭に曲を書いたことでしょう。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」はライプツィヒで初演されました。マーラーもライプツィヒと関係が深いですね。彼はニキシュの後を継いでライプツィヒ歌劇場のカペルマイスターでした。マーラーの交響曲第7番はマーラーの交響曲でも人気のない作品ですが、名曲なのです。人気がないのは、われわれのプロモーションが足りないのかもしれませんね。マーラーの音楽の進化、試みの到達点として、ベルク、シェーンベルクにも影響を及ぼしました。われわれは2011年にニューヨーク・フィル、ロンドン響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、バイエルン放送響といった世界の名だたるオーケストラをライプツィヒに招き、マーラー・フェスティヴァルを開催しました。また、現在マーラーの交響曲をDVDにするプロジェクトも進行しており3/4ほどが終わったところです。こうしたことからもマーラーを再認識したところです。日本の聴衆の方々で、なぜ私がショスタコーヴィチを指揮するかと疑問に思う方は少ないでしょう。これまでにも『ジャズ音楽集』『ダンス・アルバム』などを録音してきました。交響曲はずっと温めてきたのですが、最初にやるのは第5番と決めていました。また、ゲヴァントハウス管では、ワルターの指揮で交響曲第1番をライプツィヒ初演し、国際的なショスタコーヴィチ評価につながりましたし、ショスタコーヴィチが亡くなった翌年1976年から77年にかけて、クルト・マズアとともに交響曲全曲を演奏しました。そうした意味でもとても関係深い作曲家のひとりなのです」

(2014年3月17日(月)東京・銀座 ブルガリ銀座タワー プライベートルームにて 撮影:M.Terashi/tokyoMDE)

■公演情報
リッカルド・シャイー(指揮)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
共演: 3/17:ネルソン・フレイレ(ピアノ)
3/18,3/19,3/21:五嶋みどり(ヴァイオリン)
2014年
3月17日(月)19:00・東京オペラシティコンサートホール
3月18日(火)19:00・ミューザ川崎シンフォニーホール
3月19日(水)19:00・大阪/フェスティバルホール
3月21日(金・祝)18:00・サントリーホール
3月22日(土)17:00・京都コンサートホール
3月23日(日)18:00・サントリーホール
問:カジモト・イープラス0570-06-9960
http://www.kajimotoeplus.com

■動画
●シャイー×マーラー・プロジェクト
ゲヴァントハウス管との7番「夜の歌」公演、ARTE配信中

http://concert.arte.tv/fr/orchestre-Gewandhaus-mahler

■関連記事
●ぶらあぼ ぷれすてーじ インタビュー リッカルド・シャイー(指揮)〜このプログラムは“音楽の街ライプツィヒ”が誇る 輝かしい遺産です

●五嶋みどり参加作品がグラミー賞受賞

  • La Valseの最新記事もチェック

    • ステファン・ポップ(テノール) | いま聴いておきたい歌手たち 第10回 
      on 2019/12/10 at 01:25

      text:香原斗志(オペラ評論家) パヴァロッティに近いテクニック だれかと顔が似ていると思うと、声のトーンや話し方まで似ている、ということがよくあるが、この人の場合、体型がルチアーノ・パヴァロッティによく似ていて、歩き方も、手の動かし方も、首の振り方も近しい。さらには顔までが似た雰囲気で、想像がつくと思うが、歌い方もパヴァロッティを彷彿とさせるのである。 テノールの声が空気をつんざくように客席に [&#8230 […]