フランスとドイツの名作に聴く華麗なる色彩美と抒情
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団常任指揮者に就任した高関健が、昨年11月に同楽団との契約を2021年3月まで延長した。同フィルは高関健の手腕によって確実に演奏水準を向上させているといえるだろう。また近年は、フルートの竹山愛、トランペットの松木亜希、ヴァイオリンの桐原宗生ら、若手の優秀な奏者の入団により、演奏がより一層魅力的なものとなっている。17年には、ブルックナーの交響曲第3番、ハイドンの「天地創造」、團伊玖磨の《夕鶴》などにその成果を残した。
この2月の定期演奏会では、ラヴェルの3つの管弦楽曲をメインに据える。ラヴェルらしいスペイン情緒と色彩の魅力が堪能できる「スペイン狂詩曲」、そして、ワルツをテーマとした「高雅にして感傷的なワルツ」と「ラ・ヴァルス」の2つの作品。これらは、オーケストラの実力を聴くには最適の音楽といえよう。高関の緻密な音楽づくりによって、東京シティ・フィルの著しい進境を聴くことができるだろう。
前半にはマティアス・キルシュネライトを独奏者に、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番が演奏される。キルシュネライトは、マレイ・ペライア、クラウディオ・アラウ、ブルーノ・レオナルド・ゲルバーらに学んだ、ドイツの中堅ピアニスト。モーツァルトのピアノ協奏曲全曲を録音するなど、ドイツ、オーストリア音楽を得意としている。ここでも高関&東京シティ・フィルは、新鮮な共演を聴かせてくれるに違いない。
文:山田治生
(ぶらあぼ2018年2月号より)
第313回 定期演奏会
2018.2/17(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002
http://www.cityphil.jp/