曽我大介(指揮) ルーマニア・ブラショフ・フィルハーモニー交響楽団

四半世紀ぶりにルーマニアの名門楽団が再来日!


 約140年という長い歴史と独特の豊饒なサウンドを併せ持ち、リヒャルト・シュトラウスら数々の名匠が指揮台に立ってきた東欧の名門オーケストラ、ルーマニア・ブラショフ・フィルハーモニー交響楽団が来日。彼らとゆかりが深い曽我大介のタクトのもと、ベートーヴェンやモーツァルト、ドヴォルザークなどの傑作を披露する。
 同交響楽団は、ルーマニア第2の都市ブラショフが拠点。1878年のブラショフ・フィルハーモニー協会の第1回演奏会を機に設立され、多くの巨匠たちが客演を重ねてきた。来日公演を振る曽我は、ルーマニア国立音楽院在学中に同国で指揮者デビューし、現在は東京ニューシティ管弦楽団正指揮者。実は革命直後の1991年に困窮したブラショフ・フィルの支援にも尽力し、「生身の人間が心をひとつにするからこそ、心が震え、思いが通う」と、四半世紀に及ぶ彼らとの交流を振り返る。
 まず11月29日には、立川の市民合唱団と、ドヴォルザークの宗教声楽作品の佳品「スターバト・マーテル」で共演。ソプラノ髙橋絵理、メゾソプラノ清水華澄、テノール望月哲也、バリトン加藤宏隆という実力派ソリスト陣で臨み、曽我の自作「ルーマニアのメロディによる幻想曲」も添えられる。
 また、松戸公演では、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」がメインに。人気ピアニストのモナ=飛鳥・オットをソロに迎えて、モーツァルトの協奏曲第20番、ロッシーニの《セビリアの理髪師》序曲を披露する(12/2)。さらに、武蔵野市の市制施行70周年と、ブラショフ市との友好交流25周年を記念する「第九」(11/23)公演もある。晩秋は様々なプログラムでブラショフ・フィルの魅力を体験できるだろう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2017年12月号より)

「第九」 
2017.11/23(木・祝)14:00 武蔵野市民文化会館
問:武蔵野市文化事業団0422-54-2011

「スターバト・マーテル」他
2017.11/29(水)19:00 たましんRISURUホール(立川市市民会館)
問:たましんRISURUホール042-526-1311

交響曲第5番「運命」他 
2017.12/2(土)14:00 松戸/森のホール21
問:森のホール21 047-384-3331