鈴木優人&ジョヴァンニ・ソッリマ——二人のカリスマの熱い競演が興奮を呼ぶ!

左より:鈴木優人 ©読響/ジョヴァンニ・ソッリマ ©SHOBHA/遠藤真理 ©Yuji Hori

 3月の読売日本交響楽団マチネーシリーズでは、鈴木優人、ジョヴァンニ・ソッリマという二人のカリスマが競演し、聴く者を熱狂へと誘う。鈴木は、指揮者及び鍵盤楽器奏者として、古楽、モダンの双方でマルチな才能を発揮。特に「指揮者/クリエイティヴ・パートナー」の肩書きを持つ読響では、多様なレパートリーで清新な演奏を聴かせている。1962年イタリア生まれのソッリマは、世界トップ級のチェロ奏者兼作曲家。ムーティ、アバド等の巨匠に認められた彼はその両面で活躍し、100人のチェリストが居並ぶ「100チェロ」といった大胆な企画でも、聴衆の度肝を抜いている。

 プログラム前半は、一柳慧のオーケストラのための「共存」、ソッリマの「多様なる大地」(日本初演)、同じく「チェロよ、歌え!」が続く現代もの。まずは、現代音楽にも造詣が深く、しかもそれを明快に聴かせる鈴木の持ち味が発揮される。ソッリマの作品はクラシックからジャズやロックまで幅広い要素が融合した独特のテイストを持っているし、チェロ演奏は鋭く激しくパッショネイト。ここは当然それらの魅力も堪能できる。また代表作「チェロよ、歌え!」では、ソッリマと読響ソロ・チェロ奏者の遠藤真理が共演。抒情的かつ激烈なソロの応酬も大きな見せ場となる。後半は、リズムが弾むお馴染みの名作、ベートーヴェンの交響曲第7番。同曲では、古楽の経験を踏まえた鈴木のアプローチが、新鮮な躍動感や高揚感をもたらすに違いない。

 かように全てがエキサイティングな本公演。鮮烈なリズムと熱いクライマックスを存分に体験しよう。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2025年2月号より)

鈴木優人(指揮) 読売日本交響楽団
第140回 横浜マチネーシリーズ

2025.3/20(木・祝)14:00 横浜みなとみらいホール
第275回 土曜マチネーシリーズ 
2025.3/22(土)
第275回 日曜マチネーシリーズ 
2025.3/23(日)
各日14:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390 
https://yomikyo.or.jp