札幌出身のマエストロ横山奏が荒井里桜とともに「Kitaraのクリスマス」に登場

左:横山奏 (c)平舘平 右:荒井里桜 (c)AMUSE_Photo Takahiro Sakai

札幌交響楽団の迫力のサウンドでおくる珠玉の名曲

 札幌コンサートホール Kitaraで開催される今年の「Kitaraのクリスマス」は、クリスマスの華やかな盛り上がりと、本格的なオーケストラ公演の内容を兼ね備えていて、多くの方の心に響くに違いない。

 出演するのは、オーケストラはもちろん札幌交響楽団。指揮者は生まれも育ちも札幌の横山奏。この地から音楽の道を志し、2018年には東京国際音楽コンクール〈指揮〉(現・東京国際指揮者コンクール)の指揮者部門で第2位と聴衆賞を受賞、いまや全国各地のオーケストラに客演を重ねる。多くの市民が集うクリスマス公演、横山の思いは熱いに違いない。

札幌交響楽団 (c)Y.Fujii

 ヴァイオリン・ソロの荒井里桜も注目される。東京音楽コンクールと日本音楽コンクールの2大名門コンクールで第1位という快挙を成し遂げた、まだ25歳の俊才。この日に奏でるのは、息の長い旋律で情念を描くショーソン「詩曲」、楽器の多彩な表現と超絶技巧に満ちた「ツィゴイネルワイゼン」、ヴァイオリンの魅力を堪能できる対照的な作風の2曲。可憐でありながら力強さも備えた荒井の音色は、Kitaraの空間に美しく映えるはず。

 プログラムも楽しい。序盤にクリスマスの定番曲であるチャイコフスキー「くるみ割り人形」から誰もがメロディを知る4曲、終盤にオーケストラの粋を味わえるラヴェル「ラ・ヴァルス」が置かれる。前者の4曲目、幸福感いっぱいの「花のワルツ」と、ノスタルジーと毒のある後者「ラ・ヴァルス」(フランス語でワルツの意)の対比も面白い。他にもエルガーの楽しさと優しさあふれる「子供の魔法の杖」第一組曲、最後はアンダーソン「クリスマス・フェスティバル」で聖夜のムードを深める。盛りだくさんかつ本格派のプログラムで、華やかなクリスマスを!

文:林昌英

横山奏さんからメッセージが到着!

Kitaraは僕が中学校入学の年にできました。吹奏楽コンクールや大学の演奏会などで度々ステージに立ったことがあり、とても馴染みのあるホールです。今、そこに指揮者として訪れるようになった事は僕にとってすごく誇らしいこと。Kitaraのクリスマスは札幌のクラシック愛好家にとって特別なコンサートのように思います。年に一度の大切なイベントを是非たくさんの人達と過ごしたいです。冬の中島公園は大変滑りますので、足元に気をつけていらしてください!


Kitaraのクリスマス
2024.12/21(土)15:00 札幌コンサートホール Kitara

出演
横山奏(指揮)
荒井里桜(ヴァイオリン)*
札幌交響楽団

プログラム
チャイコフスキー:歌劇《エフゲニー・オネーギン》より「ポロネーズ」
         組曲「くるみ割り人形」作品71aより
        〈行進曲〉〈トレパーク〉〈葦笛の踊り〉〈花のワルツ〉
ショーソン:詩曲 作品25*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン 作品20*
エルガー:子供の魔法の杖 第一組曲 作品1a
ラヴェル:ラ・ヴァルス
アンダーソン:クリスマス・フェスティバル

問:Kitaraチケットセンター011-520-1234
https://www.kitara-sapporo.or.jp