ドゥダメル&ベルリン・フィルが夏の河口湖へ
「ヴァルトビューネ河口湖2025」の指揮者、曲目が決定!

グスターボ・ドゥダメル (c)Stephan Rabold

 2025年7月、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のシーズン・ラストを飾る夏の恒例イベント「ヴァルトビューネ野外コンサート」が日本で行われる。会場は河口湖ステラシアターで、ドイツ国外では初めての開催となる。

 「ヴァルトビューネ野外コンサート」は、古代ギリシャ円形劇場をモデルとした約20,000人収容の野外音楽堂・ヴァルトビューネを会場として、1984年以来開催されている。ドイツ語で「森の舞台」を意味するヴァルトビューネ。その名の通り、ベルリン郊外の森が広がる開放的な空間で、世界最高峰のオーケストラ・サウンドを楽しむことができる演奏会として広く親しまれている。

(c)Stephan Rabold

 今回会場となる河口湖ステラシアターは、富士山麓の広大な森林の中に佇む野外音楽堂。屋根は可動式になっており、座席から周囲の森の緑が感じられ、高原の風が吹き抜けていく。収容人数は約3,000と“本家”とは規模感が異なるが、日本での「ヴァルトビューネ」にはうってつけの会場といえるだろう。

(c)河口湖ステラシアター

 そしてこの度、グスターボ・ドゥダメルが指揮を務めることが発表された。
 ドゥダメルは1981年、ベネズエラ出身。同国の音楽教育システム「エル・システマ」で学び、2009年に28歳の若さでロサンゼルス・フィルの音楽監督に就任。ヨーロッパでも活躍著しく、ベルリン・フィルのほかウィーン・フィルをはじめとした一流オーケストラに客演を続けている。現在はロサンゼルス・フィルに加え、ベネズエラのシモン・ボリバル響でも芸術監督を務めており、2026年にはヒスパニック系の指揮者として初めてニューヨーク・フィルの音楽監督への就任を控えている。

 以下が公演概要。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 野外コンサート『ヴァルトビューネ河口湖2025』
2025.7/5(土)、7/6(日) 河口湖ステラシアター

出演
グスターボ・ドゥダメル(指揮)

曲目
ガブリエラ・オルティス:Kauyumari(カモシカ)
アルトゥーロ・マルケス:Danzón No.2(ダンソン第2番)
アントニオ・エステベス:Mediodía en el llano(平原の真昼)
エヴェンシオ・カステリャーノス:Santa Cruz de Pacairigua
(パカイリグアの聖なる十字架)
アンジェリカ・ネグロン:Me he perdido(迷える自分)
ロベルト・シエラ:Alegría(アレグリア)
レナード・バーンスタイン:『ウエスト・サイド・ストーリー』より「シンフォニックダンス」

 今回の日本公演に寄せて、ベルリン・フィルがコメントを発表している。

〈ベルリン・フィルより日本の皆様へ—今回のプログラムについて〉
今回のテーマである南米の音楽は、強さ、リズム、高揚感において紛れもないものです。そして、そこはベネズエラ生まれの指揮者グスターボ・ドゥダメルのホームグラウンドでもあります。彼は今回のベルリン・フィルとの共演で、このレパートリーが持つ感染力のある勢いと、晴れ晴れとした楽観主義を皆様に披露します。
ドゥダメルのベルリン・フィル・デビューは2008年のヴァルトビューネ野外コンサートでした。以来、ほぼ毎年フィルハーモニー(ベルリン・フィル本拠地)に戻って来ており、今回のコンサートでは、10年半前にベルリン・フィルとの特別な関係が始まった際のテーマ「Los ritmos de la noche(夜のリズム)」の音楽に回帰します。
今回のハイライトは、北米と南米の音が見事に共存したレナード・バーンスタイン作曲による「ウエスト・サイド・ストーリー」からの〈シンフォニックダンス〉です。それはロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽・芸術監督として世界的な名声を得ている南米出身の指揮者グスターボ・ドゥダメルの芸術的な経歴を完璧に反映しています。そして、プログラム全体に今回のテーマが溢れんばかりに盛り込まれ、この上なくエネルギッシュな音楽が揃っています。ぜひお楽しみください。

 富士山を臨む夏の高原で、ドゥダメル得意の南米プログラムを、ベルリン・フィルの世界最高のサウンドで楽しめるという夢のようなイベント。ここ日本で「ヴァルトビューネ」の新しい歴史が刻まれることになりそうだ。


ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 野外コンサート『ヴァルトビューネ河口湖2025』
https://www.fujitv.co.jp/berlin-phil/