ヨーヨー・マが「高松宮殿下記念世界文化賞」受賞

 芸術文化の発展に貢献した国内外の芸術家の業績を称える「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催:公益財団法人日本美術協会)の第32回受賞者が9月14日の記者会見で発表され、音楽部門はチェリストのヨーヨー・マが選ばれた。

ヨーヨー・マ

 ヨーヨー・マは、1955年フランス・パリ生まれ。10代でパブロ・カザルスの影響を受け、生涯の師と仰ぐ。これまで100作以上のアルバムをリリース。グラミー賞に18回輝くなど獲得した賞は多数。コロナ禍においても精力的に活動し、ピアノのキャサリン・ストットとともに安らぎと希望をテーマに制作されたアルバム『ソングス・オブ・コンフォート・アンド・ホープ』は、長引くパンデミックのなか人々の励みとなり大きな反響を呼んだ。今年3月、自身がワクチン接種を受けた際、会場で待機している間に生演奏をおこなうなど、チェロで世界の人々へ癒しと励ましを届けている。

「バッハプロジェクト」 インド・ムンバイにて 2019年
(c)Austin Mann

 音楽部門選考委員の堤剛は、以下のようにコメントした。

「私はヨーヨー・マさんと非常に長い付き合いで、私が館長をしているサントリーホールにオープニングの時から毎年いらしてくださった。
 彼が持つ好奇心や積極性、そして行動力は真の意味でのリーダーたる素質といえると思います。今回の受賞について、『私は名誉ある生き方をするために最善を尽くしてきましたが、このような大きな名誉をいただくことで非常に謙虚な気持ちにさせられます。過去の受賞者の方々と一緒のお仲間になれるのは、さらに意味のある大きな悦びです』と彼は話しています。まさに、彼の人間味あふれる言葉ではありませんか。これほど偉大な人が誰とでもふれあい、お互いに刺激し合う。仙台へ演奏旅行に行った時、お寿司がとても美味しかったのでお礼にお寿司屋さんで演奏した、というのが今でも語り草になっています。
 以前受賞されたムスティスラフ・ロストロポーヴィチさんにも通ずるところですが、ヨーヨー・マさんは世界平和にも貢献していて音楽を通じての生き方、生き様、人生そのものを彼は体現しているのです」

 なお、ヨーヨー・マは11月に来日が予定されている(沖縄公演のみ)。

ヨーヨー・マ バッハプロジェクト
2021.11/3(水・祝)16:30 沖縄アリーナ

問 ピーエムエージェンシー098-898-1331
https://www.thebachprojectokinawa.com

堤 剛(音楽部門選考委員)

 「高松宮殿下記念世界文化賞」は、日本美術協会の創立100周年を記念し1988年に設立、前総裁高松宮殿下の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」との遺志にもとづき、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の各分野で世界的に顕著な業績をあげた芸術家に毎年授与される。

 そのほかの部門の受賞者は次の通り。

第32回 高松宮殿下記念世界文化賞 受賞者
◎絵画部門:セバスチャン・サルガド(ブラジル/フランス)
◎彫刻部門:ジェームズ・タレル(アメリカ)
◎建築部門:グレン・マーカット(オーストラリア)
◎演劇・映像部門:該当者なし

 演劇・映像部門は、新型コロナウイルスの影響により候補者の多くが受賞要件を満たせなかったため該当者なしとなった。同時に発表される第24回若手芸術家奨励制度の対象団体は、中央修復研究所付属高等養成所(イタリア)に決定。
 例年10月におこなわれる受賞式典および関連行事は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため昨年に引き続き、今年も中止が決定している。4部門の受賞者には、それぞれ顕彰メダルと感謝状、賞金1500万円が贈られる。

 また、今年9月より安倍晋三前首相が高松宮殿下記念世界文化賞の国際顧問に就任。同氏は、中曽根康弘元首相の後任としてアジア推薦委員会の委員長として同委員会を主宰する。

バッハ『無伴奏チェロ組曲』全曲演奏会
サントリーホールにて 2016年
画像提供:サントリーホール
日本美術協会/産経新聞

高松宮殿下記念世界文化賞
https://www.praemiumimperiale.org