谷 昂登(ピアノ) & 水野優也(チェロ)

気鋭ふたりの快演で暑気を吹き飛ばす

左:谷 昂登 ©井村重人
右:水野優也

 若手演奏家を積極的にコンサートに起用し、その成長する姿を常にリアルタイムで紹介してくれるトッパンホール。8月には、いま期待を集めるふたりが登場する。谷昂登(ピアノ)と水野優也(チェロ)である。

 トッパンホールのプログラミング・ディレクターである西巻正史はまだ北九州市に住む中学生時代の谷と出会い、それ以降、様々な形で同ホールのコンサートに招いた。その後、谷は地元でも、また全国でも注目の存在となった。水野も昨年、名物企画ランチタイムコンサートに出演して、その伸び盛りの実力をみせてくれたが、名手ペレーニに続き、現在はザルツブルクでクレメンス・ハーゲンの薫陶を受けつつ、日本国内でも様々なところでその演奏を聴くことができるようになった。

 初共演となる今回のプログラムはかなり凝ったもの。前半は谷のソロでベートーヴェンの幻想曲ト短調とブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」が披露され、後半では谷&水野によってベートーヴェンの「《魔笛》の主題による7つの変奏曲」、そしてブラームスのチェロ・ソナタ第1番が演奏される。意外な選曲に加え、変奏曲を前後半それぞれに取り入れ、最後は大曲で締める。こうした趣向を凝らしたプログラムが組めるのも、ホールと演奏家の関係が深く、お互いの信頼感があるからだ。その上に立って、若いふたりがどんな演奏を展開してくれるのか。さらに関心は高まっていく。夏の一夜をその意欲的な演奏とともに過ごしたい。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2024年7月号より)

2024.8/20(火)19:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 
https://www.toppanhall.com