ベルリン・フィル八重奏団

世界最高のエッセンスを体感する贅沢


 “最強の集団と化した最高のアンサンブル”…第1コンサートマスター・樫本大進と首席ホルン奏者・シュテファン・ドールが加わったベルリン・フィル八重奏団を形容すればおのずとそうなる。1928年にスタートした同八重奏団は、ベルリン・フィルのメンバーが組織する室内アンサンブルの中で、最も長い歴史を有する団体のひとつ。世界各地へのツアーやザルツブルク等の音楽祭出演を続け、日本公演も1957年以降定期的に行っている。名手たちが織り成す緻密なアンサンブル、絶妙なバランスで創成される美しいハーモニー、そしてベルリン・フィルの積極的な音楽作りを反映した豊かな表現力が他に抜きん出た持ち味。いわば世界最高のオーケストラの美点と、個々の名技を同時に堪能できる、得難いアンサンブルである。
 今回は、前記2人とクラリネットのヴェンツェル・フックスなど首席奏者5名を含む最強メンバーによる来日。プログラムは、トレードマークであるシューベルトの長大な傑作「八重奏曲」と、R.シュトラウスの有名交響詩に拠る「もう1人のティル・オイレンシュピーゲル」(これも今や同形態の定番曲)に、ドールとフックスがソロを吹くモーツァルトのホルン&クラリネット五重奏曲を配した、これ以上のぞめない演目が用意されている。
 同メンバーの実質的デビューとなった今年3月のバーデン・バーデン公演では、あまりの完成度の高さに、どよめきに近い歓声があがったというから、日本で生演奏を聴けるのが本当に楽しみ。何よりベルリン・フィルのエッセンスと名人芸を1万円以下で味わえるとなれば、行かない手はない。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2013年11月号から)

★2014年1月27日(月)・東京オペラシティコンサートホール Lコード:33436
 2月1日(土)・横浜みなとみらいホール Lコード:33270
問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 
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他公演 
2014/1/23(木)・宮崎/メディキット県民文化センター Lコード:86871
1/24(金)・杉並公会堂 
1/25(土)・兵庫県立芸術文化センター Lコード:59515
1/26(日)・岐阜/サラマンカホール Lコード:42677
1/28(火)・新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ Lコード:34206
1/30(木)・京都バロックザール Lコード:51998
1/31(金)・アクトシティ浜松(中)
2/2(日)・仙台/東北大学百周年記念会館河内萩ホール Lコード:24396

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