ジュゼッペ・サッバティーニ(テノール/バリトン)

ファンが待ち望んでいた“歌手活動”を再開

左:マルコ・ボエーミ 右:ジュゼッペ・サッバティーニ

 ここ10年、指揮活動と声楽アカデミーに専念してきたジュゼッペ・サッバティーニだが、この9月に、歌手復活コンサートとして東京で歌曲リサイタルを開催するという。今回の選曲でまず目を惹くのは、ファリャの「七つのスペイン民謡」。儚げな旋律美を、今のサッバティーニの落ち着いた声音がどう造形するか、声楽ファンには注目の的だろう。
 このほか、ハンガリー人のリストによるイタリア語の歌曲集「ペトラルカの三つのソネット」では、持ち前の肌理細やかなフレージングが楽しめそう。また、プッチーニの〈太陽と愛〉のような“オペラゆかりの歌曲”も期待大。というのも、後に歌劇《ラ・ボエーム》の四重唱に転用されて有名になった一曲なので、歌詞の違いを踏まえたサッバティーニの知的な歌い分けに興味がそそられるからである。ピアノは名指揮者のマルコ・ボエーミ。気心の知れた2人が繰り広げる、のびやかな歌の世界にじっくりと浸ってみたい。
文:岸 純信(オペラ研究家)
(ぶらあぼ2018年7月号より)

2018.9/28(金)19:00
東京オペラシティ コンサートホール
問 テイト・チケットセンター03-6379-3144 
http://www.tate.jp/