ファンが待ち望んでいた“歌手活動”を再開
このほか、ハンガリー人のリストによるイタリア語の歌曲集「ペトラルカの三つのソネット」では、持ち前の肌理細やかなフレージングが楽しめそう。また、プッチーニの〈太陽と愛〉のような“オペラゆかりの歌曲”も期待大。というのも、後に歌劇《ラ・ボエーム》の四重唱に転用されて有名になった一曲なので、歌詞の違いを踏まえたサッバティーニの知的な歌い分けに興味がそそられるからである。ピアノは名指揮者のマルコ・ボエーミ。気心の知れた2人が繰り広げる、のびやかな歌の世界にじっくりと浸ってみたい。
文:岸 純信(オペラ研究家)
(ぶらあぼ2018年7月号より)
2018.9/28(金)19:00
東京オペラシティ コンサートホール
問 テイト・チケットセンター03-6379-3144
http://www.tate.jp/