パヴェル・コーガン(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団

名匠のタクトで聴くロシア音楽の神髄

パヴェル・コーガン

 ソ連を代表する名ヴァイオリニストであったレオニード・コーガンの息子、パヴェル・コーガンが新日本フィルの定期演奏会に登場する。
 1952年生まれのパヴェルもまたヴァイオリニストとしてキャリアをスタートさせ、モスクワ音楽院で学んだ。70年のシベリウス国際ヴァイオリン・コンクールで第1位を獲得したが、その後、イリヤ・ムーシンに師事し、指揮者に転じる。ザグレブ・フィルの首席指揮者を務めた後、89年にモスクワ国立交響楽団の首席指揮者に就任。モスクワ国立響を率いて何度か来日している。母親は大ピアニスト、エミール・ギレリスの妹であるエリザヴェータ。パヴェルはロシアの音楽的伝統を色濃く受け継いでいるといえよう。
 そんな彼が新日本フィルとともに披露するのはオール・ロシア音楽プログラム。まず、ボロディンの歌劇《イーゴリ公》より〈だったん人の踊り〉、グラズノフの「演奏会用ワルツ第1番」と踊り出したくなるような音楽で始まる。そして、チャイコフスキーの「スラヴ行進曲」とムソルグスキー(ラヴェル編曲)の組曲「展覧会の絵」では、オーケストラの壮大な響きが楽しめるだろう。
 新日本フィルは、かつてロストロポーヴィチが「フレンド・オブ・セイジ」の称号で定期的に指揮台に立つなど、ロシア音楽にも適正を示してきた。パヴェルとどんな化学反応を起こすのだろうか。協奏曲なしの4つの管弦楽曲は、パヴェルの円熟を知るのに最適のプログラムといえよう。
文:山田治生
(ぶらあぼ2018年4月号より)

第588回 定期演奏会トパーズ〈トリフォニー・シリーズ〉
2018.4/27(金)19:00、4/28(土)14:00
すみだトリフォニーホール
問:新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 
http://www.njp.or.jp/