セイジ・オザワ 松本フェスティバル 9月3日、5日にYouTubeで無料配信
今年のセイジ・オザワ 松本フェスティバルは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、残念ながら全公演の中止が8月24日に発表された。しかし、「オーケストラ コンサートBプログラム」を振る予定だったシャルル・デュトワが、当初の予定通り来日。小澤征爾総監督以下、サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)のメンバーも「一度でもいいのでSKOとして集まり、一緒に音を出し、音楽ファンに届けたい」という思いから、無観客演奏の収録・配信が実現する運びとなった。
9月3日の配信に向けて、8月31日にキッセイ文化ホールでリハーサルがスタートした。そのレポートがいち早く松本から届いたので、写真とともに紹介する。
今回のSKOは、総勢95名(Bプロ)。そのうち約3割が、ふだんは各楽団でコンサートマスターや首席奏者を務めている。Bプログラムは、ラヴェル、ドビュッシー、ストラヴィンスキーと、“音の魔術師”の異名をとるデュトワらしい色彩感あふれる4曲。
♪ラヴェル:組曲《マ・メール・ロワ》
♪ドビュッシー:《海》~3つの交響的スケッチ~
♪ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
♪ストラヴィンスキー:バレエ組曲《火の鳥》(1919年版)
◎初日(8/31)
リハーサルはストラヴィンスキー「火の鳥」から始まった。しかし、「火の鳥」は早々に切り上げ、その後はドビュッシー「海」をみっちり練習。冒頭に全体を一度通したあと、各パートを細かく確認・指示。オーボエはオーボエ、ホルンはホルンといったように、各楽器ごとに数小節を何度も繰り返していくような緻密な練習が進められた。マエストロは、自分が作品に対して描いているイメージや、作曲家のことを言葉でもたくさん説明し、オケに伝えていく。SKOのメンバーからは笑いが漏れる場面も。
◎2日目(9/1)
リハ2日目も92人編成で「海」をみっちり練習。一方、ラヴェル「マ・メール・ロワ」は、今回最も小さな編成(60人)。ここでは指揮台を外して指揮をする模様。スペースを存分に使って、大きく、そしてエレガントに指揮をしていた。84歳とは思えないほど軽快な動きを見せるマエストロ。この日もリハーサルのスケジュールは、12時30分から18時過ぎまでだったが、早めに切り上げることはほぼ無く、予定時間まできっちりリハーサルが行われた。
SKOの指揮台に立つのは今回が初めてのデュトワだが、小澤総監督とは古くから親交があり、「セイジの音作りは近くで見て来たのでよく知っている」と語っていただけに、初共演も順調に進行している様子だ。9月2日もリハーサルが続き、3日の15時より収録を実施、同日19時、および5日の15時から2回にわたり配信される。
取材協力・写真提供:セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)東京事務所
公演名:2021セイジ・オザワ 松本フェスティバル オーケストラ コンサートBプログラム
指揮:シャルル・デュトワ
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
収録会場:キッセイ文化ホール(長野県文文化会館)
収録日:2021年9月3日(金)15時~
配信日時:9月3日(金)19時~/9月5日(日)15時~ ※ユニバーサル ミュージック公式YouTubeチャンネルで配信
※公演時間:約2時間を予定
セイジ・オザワ松本フェスティバル
https://www.ozawa-festival.com