シャルル・デュトワが9月の来日を前にオンライン取材に応じる

2021 セイジ・オザワ松本フェスティバル 全プログラム発表

 8月21日から17日間にわたって長野県松本市でおこなわれる恒例の「セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)」への初参加が発表されていた指揮者のシャルル・デュトワが、6月8日 スイスの自宅からオンラインで『ぶらあぼ』の取材に応じ、同音楽祭の公演について、また小澤征爾とのエピソードなどについて語った。

キャップを被った姿は年齢を感じさせない

 9月初旬に松本で振るのは、ラヴェル「マ・メール・ロワ」、ドビュッシー「海」「牧神の午後への前奏曲」とフレンチの王道プロに、最後はストラヴィンスキー「火の鳥」と、まさに“音の魔術師”の異名をとるデュトワらしい色彩感あふれるプログラム。特にストラヴィンスキーには思い入れが強いようで、「彼の人生をフォローしているような感覚を持っている」と話す。「火の鳥」は「地球上のあらゆる場所で数え切れないほど振った」そうだが、初めて振ったのは1958年、ジュネーヴでディプロマを取得した際のことで、最初から非常に手応えがあったという。翌59年にはストラヴィンスキー本人と直接会う機会にも恵まれた。そして、現在住んでいるアパートメントは、偶然にもストラヴィンスキー通りにあるのだそう(注:ストラヴィンスキーは第一次大戦中、スイスに居を構えていた)。自身の音楽づくりを「オザワさんと似ている」と分析する彼のタクトが、サイトウ・キネン・オーケストラをどのように導くのか、注目される。
 日本での指揮者デビューは1970年の大阪万博のとき。この夏の来日で、実に半世紀を超えることになる。84歳のいまも精力的に活動している様子で、この取材の直後からは、ハンガリーとロシアで約1ヵ月を過ごす予定とのこと。音楽監督を務めるサンクトペテルブルクのオーケストラでは、100人程度の大編成の作品もとりあげ、観客も100%入れて公演をおこなうそうだ。パンデミック後、「われわれは新しい様式にアジャストしていく必要があるかもしれないが、音楽は人間にとって“薬”のようなもの。生の音を聴いて感じることで心が癒やされる。そういう意味で無観客では意味がないし、皆さんも生の音を渇望していると思う」と力強く語ってくれた。

 本インタビューの詳しい内容は、ぶらあぼ8月号(7/18発行)に掲載予定。お楽しみに!

インタビュー中、終始ごきげんな様子のデュトワ

 6月10日、セイジ・オザワ 松本フェスティバルの全プログラムが発表された。オープニングコンサートには、宮田大(チェロ)、吉野直子(ハープ)らOMFならではのアーティストが集結。デュトワとともに、初登場となる鈴木雅明(指揮)は、サイトウ・キネン・オーケストラとシベリウスの交響曲第2番、メンデルスゾーン「夏の夜の夢」などを披露するほか、室内楽公演でも、N響ゲスト・コンサートマスターの白井圭との共演で、オルガン、チェンバロを演奏する。
 日程詳細は以下のとおり。

◎オーケストラコンサート

〈Aプログラム〉
8月28日(土) 開演 17:00
8月29日(日) 開演 15:00
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:鈴木雅明
会場:キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
S席:14,000円 A席:12,000円 B席:10,000円 C席:7,000円
※Aプログラムは、28日と29日で演目が異なります。
【8月28日】
●モーツァルト:オペラ《ドン・ジョヴァンニ》K527 序曲
●モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K201 (186a)
●シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 作品43
【8月29日】
●メンデルスゾーン:《夏の夜の夢》作品61より
 I. 序曲:アレグロ・ディ・モルト
 II. (第1曲)スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ
 III.(第5曲)アレグロ・アパッショナート
 IV.(第7曲)夜想曲:アンダンテ・トランクィロ 
 V. (第9曲)結婚行進曲:アレグロ・ヴィヴァーチェ
 VI. (第10曲)葬送行進曲:アンダンテ・コモド
 VII. (第11曲)道化師たちの踊り:アレグロ・ディ・モルト
 VIII. (第12曲)フィナーレ:アレグロ・ディ・モルト
●シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 作品43

〈Bプログラム〉
9月3日(金) 開演 19:00
9月5日(日) 開演 15:00
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:シャルル・デュトワ
会場:キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
S席:18,000円 A席:15,000円 B席:12,000円 C席:10,000円
●ラヴェル:組曲《マ・メール・ロワ》
●ドビュッシー:《海》~3つの交響的スケッチ~
●ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
●ストラヴィンスキー:バレエ組曲《火の鳥》(1919年版)

◎室内楽公演

〈ふれあいコンサートI〉
8月22日(日) 開演 15:00
演奏:鈴木雅明(オルガン/チェンバロ)、
   白井圭(ヴァイオリン)
会場:松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)
全席指定:6,000円
〈ふれあいコンサートII〉
9月4日(土) 開演 17:00
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラメンバー
会場:松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)
全席指定:6,000円

〈OMFオープニングコンサート〉
8月21日(土)11:00 / 13:00 / 15:00 / 17:00 / 18:30
(1日5公演/各回45分程度を予定/各回により出演者は異なります)

演奏:和波孝禧(ヴァイオリン)、川本嘉子(ヴィオラ)、宮田大(チェロ)、池松宏(コントラバス)、山本正治(クラリネット)、吉田將(ファゴット)、吉野直子(ハープ)、土屋美寧子(ピアノ) ほか

会場:あがたの森文化会館 講堂
全席自由/各回入れ替え:2,000円

◎OMFファミリーコンサート

9月4日(土) 開演 14:00
演奏:小澤征爾音楽塾オーケストラ
指揮:三ツ橋敬子
会場:まつもと市民芸術館・主ホール
全席指定:1,000円(小学生以上入場可能)
ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op. 67 「運命」ほか
※その他、長野県内の小中学生を対象とした教育プログラムも予定されている

セイジ・オザワ松本フェスティバル
https://www.ozawa-festival.com