音楽祭の掉尾を飾るのは原田慶太楼指揮 東京交響楽団。プログラムは実に多彩だ。ヴェルディ《アイーダ》の「凱旋行進曲とバレエ音楽」で華やかに幕を開け、かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブルによる《アイーダ》を題材とした即興演奏が続く。アメリカの人気作曲家ジョン・アダムズの「アブソルート・ジェスト」は弦楽四重奏とオーケストラという珍しい編成による作品で、ベートーヴェンの交響曲や弦楽四重奏の断片が引用される。最後に演奏されるのは吉松隆の交響曲第2番「地球(テラ)にて」(改訂稿/4楽章版)。一種の汎地球的なレクイエムともいうべき作品だ。ジョン・アダムズと吉松隆を並べるという、日米を拠点に活躍する原田慶太楼ならではのアイディアが光る。
文:飯尾洋一
【Information】
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2021
東京交響楽団フィナーレコンサート
閉幕を飾る美しい現代作品。原田慶太楼、やるね!
2021.8/9(月・休)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
(14:00開場/14:20~14:40 原田慶太楼によるプレトーク)
指揮:原田慶太楼(東京交響楽団 正指揮者)
弦楽四重奏:カルテット・アマービレ *
篠原悠那(第1ヴァイオリン)、北田千尋(第2ヴァイオリン)、中恵菜(ヴィオラ)、笹沼樹(チェロ)
かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブルプロジェクト参加者 ★
プログラム
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」から 凱旋行進曲とバレエ音楽
かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブル:即興演奏~アイーダによる(世界初演) ★
アダムズ:アブソルート・ジェスト *
吉松隆:交響曲 第2番「地球にて」(改訂稿/4楽章版)
●ホール座席券
S席 | A席 | B席 | |
一般 | 5,000円 | 4,000円 | 3,000円 |
友の会 | 4,500円 | 3,600円 | 2,700円 |
U25(小学生以上25歳以下):各席半額
※U25割引はミューザ川崎シンフォニーホールおよびチケットぴあで購入できます。
※未就学のお子さまはご入場いただけません。
●オンライン鑑賞券
一般 1,500円
友の会 1,350円
ライブ+アーカイブ配信
※アーカイブ配信は翌々日正午より開始
※ライブ配信は開場時間より開始
*詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=2928
特集:フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2021
昨年、コロナ禍において先陣を切って行われた大規模音楽祭、フェスタサマーミューザKAWASAKI。感染対策を徹底し会場に観客を入れ(1/3ほどに制限)、全公演のライブ配信も行った。あの時期に1人の感染者も出さず、17回におよぶオーケストラ公演を行ったことは世界的に見ても大きなチャレンジかつ実績となった。そのサマーミューザ、今年は20公演とさらにパワーアップして7月22日から8月9日まで開催される。9つの首都圏のオーケストラに加え、オーケストラ・アンサンブル金沢と京都市交響楽団が加わった豪華ラインナップ。もちろん今年も 生音+生配信。サマーミューザおなじみの人気企画、プレトークやプレコンサートの模様もライブ配信されるので、全国どこからでも音楽祭を楽しめる。暑い夏に熱いパフォーマンスを期待したい。