祝 アーティスト・イン・レジデンス就任! ペッカ・クーシストが都響と挑むこだわりの古典×現代プロ

ペッカ・クーシスト ©Bard Gundersen

 この4月から都響のアーティスト・イン・レジデンスに迎えられ、2年後には首席指揮者への就任が決まっているペッカ・クーシスト。その就任記念となる6月の定期Aシリーズは個性的なプログラムで挑む。

 フィンランドの音楽一家に生まれヴァイオリニストとして出発したクーシストだが、演奏家出身らしい即興性を帯びたスタイルで、近年は指揮者としても北欧を中心に複数のオーケストラにポストを持ち、世界の名門からの客演依頼を受けるなど、急速に評価を高めている。都響とも、初めて指揮台に立った2024年の共演1回でポストを射止めてしまったわけで、そのケミストリーがオーケストラにいかに強烈なインパクトを与えたかが想像できよう。

 今回はプログラムも古典から現代までを横断する幅広い構成で実力をアピールする。フィンランドの新鋭タルキアイネンが、同国の先輩作曲家サーリアホの逝去を悼んで書いた「生命の激流」の日本初演。続いてハイドン「告別」では指揮棒をヴァイオリンに持ち替え、自らオケをリードする。前回共演時の「四季」の弾き振りのセンセーションが蘇るだろう。

 そしてメインに据えたのは、近年再評価が進んでいるエイノユハニ・ラウタヴァーラの交響曲第7番「光の天使」(1995)。調性的な響きを基盤としながら、時間が静止するかのような神秘的音響空間を生み出し、聴衆をいわく言い難い瞑想状態に導く。現代におけるロマン主義の復権を代表する作品だ。クーシストが深い共感を寄せる北欧の澄んだ音楽語法と都響の洗練された響きがどう融合するのだろうか。

文:江藤光紀

(ぶらあぼ2026年5月号より)

ペッカ・クーシスト(指揮/ヴァイオリン) 東京都交響楽団
アーティスト・イン・レジデンス就任記念 第1045回 定期演奏会 Aシリーズ
2026.6/13(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:都響ガイド0570-056-057 
https://www.tmso.or.jp