8/8(日・祝)神奈川フィルハーモニー管弦楽団

左:渡邊一正(c)Eisuke Miyoshi
右:吉村妃鞠

 ロシアの憂愁が溢れるチャイコフスキーの名曲にたっぷりと浸る夏の宵。注目はヴァイオリン協奏曲を弾く吉村妃鞠(ひまり)だ。2011年生まれの小学4年生。楽器を技術的に巧みに操る少年少女は珍しくないかもしれないけれど、彼女の演奏を聴くと、なによりその雄弁な表現力に感心する。まだあどけない少女のどこからあの濃厚な音楽が湧き出てくるのだろう。風格さえ漂う、小さな音楽家だ。
 そしてチャイコフスキーといえばバレエ音楽。よく「三大バレエ」というけれど、チャイコフスキーのバレエ音楽自体があの3曲だけなのだからすごい。成功率100パーセント! バレエを知り尽くす名匠・渡邊一正が、そのおいしいところを選りすぐったハイライトで。
文:宮本明

【Information】

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2021
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
小さな音楽家が堂々と紡ぐ、ロシアの哀愁と情熱

2021.8/8(日・祝)17:00 昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ
(16:15開場)

指揮:渡邊一正
ヴァイオリン:吉村妃鞠

プログラム
<オール・チャイコフスキー・プログラム>
歌劇「エフゲニー・オネーギン」から ポロネーズ
ヴァイオリン協奏曲
バレエ音楽「白鳥の湖」から 序奏、ワルツ、4羽の白鳥、チャールダーシュ(ハンガリーの踊り)
バレエ音楽「眠りの森の美女」から パノラマ、アダージョ
バレエ音楽「くるみ割り人形」から 花のワルツ、パ・ド・ドゥ、タランテラ、金平糖の踊り、コーダ、フィナーレ、アポテオーズ

●ホール座席券

S席A席B席
一般4,000円3,000円2,000円
友の会3,600円2,700円1,800円

U25(小学生以上25歳以下):各席半額
※U25割引はミューザ川崎シンフォニーホールおよびチケットぴあで購入できます。
※未就学のお子さまはご入場いただけません。

●オンライン鑑賞券

一般  1,500円
友の会 1,350円

ライブ+アーカイブ配信
※アーカイブ配信は翌々日正午より開始
※ライブ配信は開場時間より開始

*詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200

https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=2927

特集:フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2021
昨年、コロナ禍において先陣を切って行われた大規模音楽祭、フェスタサマーミューザKAWASAKI。感染対策を徹底し会場に観客を入れ(1/3ほどに制限)、全公演のライブ配信も行った。あの時期に1人の感染者も出さず、17回におよぶオーケストラ公演を行ったことは世界的に見ても大きなチャレンジかつ実績となった。そのサマーミューザ、今年は20公演とさらにパワーアップして7月22日から8月9日まで開催される。9つの首都圏のオーケストラに加え、オーケストラ・アンサンブル金沢と京都市交響楽団が加わった豪華ラインナップ。もちろん今年も 生音+生配信。サマーミューザおなじみの人気企画、プレトークやプレコンサートの模様もライブ配信されるので、全国どこからでも音楽祭を楽しめる。暑い夏に熱いパフォーマンスを期待したい。