アンドリス・ポーガ(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団

ラトヴィアから注目すべき才能がまた一人

(C)Marc Ginot

(C)Marc Ginot

 気鋭の若手指揮者アンドリス・ポーガが新日本フィル定期の指揮台に登場する。ポーガは1980年生まれ、ラトヴィアの出身。ラトヴィア出身の指揮者といえばマリス・ヤンソンス、アンドリス・ネルソンスの名を思い出すが、またひとり注目すべき才能があらわれた。2010年にエフゲニー・スヴェトラーノフ国際指揮コンクールで優勝し、パリ管弦楽団でパーヴォ・ヤルヴィのアシスタント・コンダクター、さらにボストン交響楽団のアシスタント・コンダクターを務めるほか、昨秋からこの若さでラトヴィア国立交響楽団の音楽監督に就任している。今年、すでにボストン交響楽団の定期演奏会にもデビューを果たし、さらなる躍進を遂げつつある。
 ポーガが新日本フィルとの共演で選んだのは、メシアンの「キリストの昇天」とショスタコーヴィチの交響曲第13番「バービ・ヤール」という聴きごたえのあるプログラム。前者で神への祈りがもたらす瞑想が表現される一方、後者では現実世界が冷徹に描かれ、鮮烈なコントラストをなす。ポーガにとってショスタコーヴィチは「大好きな作曲家であり、彼の作品を指揮するときはいつも特別な気持ちで臨む」という大切なレパートリー。並ならぬ意欲で作品に立ち向かってくれるだろう。
 「バービ・ヤール」で独唱を務めるのはエギルス・シリンス。METやスカラ座ほか主要歌劇場で実績を誇る実力者だが、彼もラトヴィアの出身である。隠れた音楽大国ラトヴィアの底力を知ることになりそうだ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2014年4月号から)

第523回定期演奏会 サントリーホール・シリーズ
★4月13日(日)・サントリーホール Lコード:31823
問:新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 
http://www.njp.or.jp