ウィーン・フィルら精鋭たちによる「トヨタ・マスター・ プレイヤーズ,ウィーン」が来春、日本ツアーを開催

 春、日本各地にウィーンの空気が運ばれる。毎年の恒例となっている「トヨタ・マスター・ プレイヤーズ,ウィーン」の日本ツアーが2025年春も実現する。

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場管弦楽団のメンバーを中心とするアーティストたちが集結した、世界最高レベルの室内オーケストラで、2000年以来ほぼ毎年のように日本でツアーを行ってきた。指揮者なしで圧巻の完成度と典雅な音色を誇る彼らの演奏は、春の風物詩として定着し、広く愛されている。

 今回は「ウィーンの魔法に身をゆだねて」をテーマに、4月17日から25日まで全国7都市8公演というスケジュールで、3つのプログラムが用意されている。

2024年公演より 

プログラムA《芳しいウィーンの薫りをあなたに》

 “ウィーンの薫り”を強く味わえるのはプログラムA。前半はモーツァルトの作品。歌劇《後宮からの逃走》序曲でにぎやかに開始し、ウィーン時代を代表する傑作、交響曲第40番ト短調で楽団の実力を示す。

 後半はウィーンの喜歌劇のナンバー、ワルツ、ポルカの数々。2025年に生誕200年の大アニバーサリーを迎えるJ.シュトラウスⅡ世からは、《こうもり》のチャルダッシュのアリアや「入り江のワルツ」などを華やかに。そしてレハールのオペレッタから、《メリー・ウィドウ》の〈ヴィリアの歌〉や《ジュディッタ》の〈熱き口づけ〉など、胸を打つアリアを。これら名旋律を歌うのは、ソプラノのヘドウィグ・リッター。ウィーンとケルンに学び、コロラトゥーラ・ソプラノとして世界的スターへの道を歩んでいる名花で、可憐な歌声は日本でも話題となりそうだ。

ヘドウィグ・リッター

プログラムB《愉悦のウィーン古典派 モーツァルトとベートーヴェンの調べ》

 ウィーン古典派を代表する2大家の名作に浸るならプログラムB。前半の聴きものは、フォルクハルト・シュトイデのソロによる、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番。シュトイデはウィーン・フィルのコンサートマスターで、この団体でもリーダーを長く務める世界的名手。得意のモーツァルトで、同地の情緒あふれる演奏を体現してくれるだろう。後半はベートーヴェンの情熱あふれる「エグモント」序曲と交響曲第1番。構築感と熱気を備えた彼らの演奏で、興奮と充実のベートーヴェンを堪能できる。

フォルクハルト・シュトイデ(中央)

プログラムC《壮麗なマーラーに抱かれて》

 ツアー初日のプログラムCは、マーラーの大作が用意された。コンサート前半はプログラムBと同様、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番を演奏。後半は名古屋フィルハーモニー交響楽団とのジョイントで、マーラーの交響曲第5番。指揮は欧米各地で活躍してきた大植英次で、ウィーンの世界的プレイヤーたちと名古屋フィルとの混成部隊から、この作曲家の雄大なエネルギーを引き出してくれるはず。名古屋だけの1公演、マーラー・ファンならずとも注目だ。

文:林昌英

Information

トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン

プログラムC 名古屋:4/17(木)19:00 愛知県芸術劇場 コンサートホール
プログラムB 豊橋:4/18(金)18:30 ライフポートとよはし コンサートホール
プログラムB 豊田:4/19(土)15:00 豊田市コンサートホール
プログラムA 福岡:4/21(月)19:00 アクロス福岡シンフォニーホール
プログラムA 東京:4/22(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
プログラムB 東京:4/23(水)19:00 サントリーホール 大ホール
プログラムA 札幌:4/24(木)19:00 札幌コンサートホール Kitara 大ホール
プログラムA 仙台:4/25(金)17:00 日立システムズホール仙台 コンサートホール

2024.12/14(土)全国一斉発売

プログラムA〈芳しいウィーンの薫りをあなたに〉
出演/トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン、ヘドウィグ・リッター(ソプラノ)
曲目/モーツァルト:歌劇《後宮からの逃走》序曲 K.384
         :交響曲第40番ト短調 K.550
   シュトルツ:喜歌劇《お気に入り》より〈君はわが心の皇帝〉
   J.シュトラウスⅡ世:喜歌劇《こうもり》よりチャルダッシュ〈ふるさとの調べよ〉
             喜歌劇《ヴェネツィアの一夜》より〈なんという偶然〉
             入り江のワルツ op.411
   ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「ディナミーデン」 op.173
   J.シュトラウスⅡ世、ヨーゼフ・シュトラウス:ピチカート・ポルカ
   レハール:喜歌劇《メリー・ウィドウ》より〈ヴィリアの歌〉
        喜歌劇《ジュディッタ》より〈熱き口づけ〉
        喜歌劇《パガニーニ》より〈愛、この世の天国〉
★ヘドウィグ・リッター出演曲

プログラムB〈愉悦のウィーン古典派 モーツァルトとベートーヴェンの調べ〉
出演/トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン
曲目/モーツァルト:歌劇《後宮からの逃走》序曲 K.384
         :ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218(独奏:フォルクハルト・シュトイデ)
   ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」序曲 op.84
          :交響曲第1番ハ長調 op.21

プログラムC〈壮麗なマーラーに抱かれて〉
出演/トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン、名古屋フィルハーモニー交響楽団(第2部)、大植英次(第2部、指揮)
曲目/【第1部】モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218 (独奏:フォルクハルト・シュトイデ)
   【第2部】マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調

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