あふれる才能と音楽愛に突き動かされ、ごく若い時期にヨーロッパへと飛び出して行く音楽家は少なくない。ピアニストの大川由美子もその一人。高校卒業後にドイツに渡り、ミュンヘン国立音大へ進学、カール・ゼーマンやパウル・バドゥラ=スコダの教えを受けた。さらにスペインのピアニスト、ベゴーニャ・ウリアルテにも師事。ドイツ、スペインものをレパートリーの中心に据え、国際的なステージで活躍、ダンサーや詩人とのコラボレーションも行っている。
そんな大川が、「アンダルシアに魅せられて」と題するリサイタルを開く。ファリャの「アンダルシア幻想曲」や、グラナドスの「スペイン舞曲集」、アルベニスの「スペイン組曲」からの抜粋など、民族色豊かな作品群を披露する。さらに、スペインの現代作曲家イルミナーダ・ペレス=フルトスがコンクール課題曲用に書いた難曲「ハバルクス庭園の黄昏」日本初演も含めた、意欲的なプログラムである。エネルギッシュで楽しいコンサートになりそうだ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2024年12月号より)
大川由美子 ピアノリサイタル アンダルシアに魅せられて
2025.1/19(日)14:00 王子ホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp