7月15日、東京二期会が「2017/2018シーズンラインアップ」を発表した。同日行われた記者会見には中山欽吾理事長、山口毅事務局長兼企画制作部長、ソプラノの林正子とテノールの城宏憲の4名が登壇した。
(2016.7.15 東京文化会館 Photo:H.Yamada/Tokyo MDE)
シーズンのテーマは「発見と探求」。
これまでベルカント・オペラをあまり上演してこなかった二期会だが、今後は偏りなく様々な作品を上演していくとしている。
2017/2018シーズンに上演予定の作品は5演目。うち新制作は《ばらの騎士》(17年7月)、《こうもり》(17年11月)、《ローエングリン》(18年2月)の3演目。このほか、《蝶々夫人》(17年10月)が再演、《ノルマ》(18年3月)がセミステージ形式で上演される。
《ばらの騎士》は、イギリスのグラインドボーン音楽祭との提携公演。指揮は二期会初登場となるセヴァスチャン・ヴァイグレ。ヴァイグレは、直前の17年4月、5月にはメトロポリタン歌劇場でも同演目を指揮する予定となっている。元帥夫人(マルシャリン)役で林正子が出演する。
林は「今からどれだけ自分なりの表現をしていけるのか追究していきたい。それこそテーマ『発見と探求』ということで頑張っていきたいと思う」と意気込みを語った。
演出は14年同音楽祭でも話題となったリチャード・ジョーンズ。二期会での《ばらの騎士》は、03年の二期会創立50周年記念・ケルン市立歌劇場共同制作、08年のびわ湖ホール・神奈川県民ホール共同制作ベルリン・コーミッシェ・オーパー プロダクション以来の上演となる。
《こうもり》は、ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携公演。同劇場の同僚となる、阪哲朗指揮、アンドレアス・ホモキ演出のタッグ。あらたな試みとして、歌唱は原語(ドイツ語)、台詞は日本語での上演となる。
《ローエングリン》は準・メルクルの指揮、深作健太の演出。15年10月《ダナエの愛》舞台上演日本初演で好評を得たタッグで、深作がかねてから演出を熱望していたワーグナー作品に挑戦する。
《蝶々夫人》は二期会が誇る栗山昌良演出の名舞台。二期会初登場のガエタノ・デスピノーサが指揮を執る。
このほか、2016/17シーズンの締めくくりとなる《トスカ》(17年2月)には 14年《蝶々夫人》を指揮したダニエーレ・ルスティオーニが再登場。ピットに入るのはその時と同じ東京都交響楽団。日本で初めての演出となるアレッサンドロ・タレヴィが演出にあたる。歌手陣は、近年活躍がめざましく同14年《蝶々夫人》にも出演した木下美穂子、樋口達哉や、トスカ初役の大村博美、若手の城宏憲ほか、新旧豪華なメンバー。
なお、指揮・演出等、調整中の項目については、随時ホームページで発表される予定だ。
東京二期会
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